この記事は、令和5年度の宅建試験について、50問それぞれが何の論点を、どんな形で聞いていたかをまとめた「論点の地図」です。問題文・選択肢・正解の番号は載せていません。
問題と正解は、不動産適正取引推進機構の公式サイトで公開されています(不動産適正取引推進機構のトップから「宅建試験」→「宅建試験の問題及び正解番号表」。令和5年度のPDFはこちら)。過去問を解いたあとに、どの論点の記事で復習すればよいかを探す、という使い方を想定しています。
この年の特徴(数えた事実)
- 分野ごとの問数は、権利関係14問・法令上の制限8問・税・その他8問・宅建業法20問でした(当サイトの数え方。公式の内訳ではありません)。
- 問いの形は、正しいものを選ぶ形が26問、誤っているものを選ぶ形が15問、個数問題が8問、組合せが1問でした。
- 個数問題8問のうち7問が宅建業法、1問が権利関係でした。
- 同じ論点が2問以上出たのは、建築基準法(総合)(2問)、37条書面(2問)、業務上の規制(2問)、35条書面(2問)です。
- 当サイトの分け方で、全40回の中でこの回に初めて主な論点になったのは、建物状況調査です。制度ができてから試験に出るまでの回数は、宅建の法改正はいつの試験から出るかで数えています。
- 合格基準点は50問中36点でした(機構の試験実施概況。合格点の推移は宅建試験の合格点と合格率)。
表の※は、直近10回(令和7年度〜平成30年度)の中で、主な論点としてこの年だけに出た論点です。
この年の50問を、直近10回の出方で分けると
この年の50問を、その論点が直近10回(この年を含む)で何回、主な論点として出たかで分けました。
| 直近10回で出た回 | この年の問数 |
|---|---|
| 10回(指定席) | 23問 |
| 4〜9回 | 19問 |
| 1〜3回 | 8問 |
指定席の論点だけで23問、4回以上まで広げると42問でした。1〜3回の論点の8問は、問2、問3、問4、問5、問7、問23、問27、問32で、このうち5問が問1〜10の民法などでした。直近10回で何度も出ている論点が問の大半を占め、出る回の少ない論点は民法に集まっていた、という形です。
この一覧は、どうやって作ったか
不動産適正取引推進機構が公開している宅建試験の問題(昭和63年度〜令和7年度の40回、2,000問)を、当サイトが1問ずつ読み、主な論点と副の論点に分けて数えました。分け方は当サイトの判断で、公式の分類ではありません。4回分200問を別の担当が読み直し、主な論点の一致は97.5%でした(食い違った問は直してから数えています)。
「主な論点」は、その問が全体として何を聞いているかで1つだけ決めたものです。「副の論点」は、1問の中に別の論点の肢が混ざっているときに、最大2つまで記録したものです。数えたのは問ごとの論点で、1問の中の4つの肢を1つずつ数えてはいません。表の「中に」の後ろは、副の論点です。問いの形は、問題の最後の聞き方で分けました。「違反しないもの」は正しいもの、「最も不適当なもの」は誤っているもの、「〜はいくつあるか」は個数、「〜の組合せ」「全て掲げたもの」は組合せに入れています。論点の名前は当サイトの記事の分け方で、リンク先はその論点を扱う記事です。
権利関係(問1〜問14)
問5の不在者・失踪宣告と問7の配偶者居住権は、どちらも直近10回より前の30回では主な論点になっていなかった論点です。不在者・失踪宣告は前の年にも、配偶者居住権は令和3年度の10月試験にも出ていました。問1は相続で、判決文を読ませる形でした。問6(時効)は個数問題、問4(相殺)は組合せでした。
法令上の制限(問15〜問22)
| 問 | 主な論点 | 問いの形 |
|---|---|---|
| 問15 | 都市計画法(地域地区・都市計画の内容) | 正しいもの |
| 問16 | 開発許可 | 正しいもの |
| 問17 | 建築基準法(総合) | 誤っているもの |
| 問18 | 建築基準法(総合)(中に建蔽率・容積率・道路) | 正しいもの |
| 問19 | 宅地造成等規制法(当時の名称) | 誤っているもの |
| 問20 | 土地区画整理法 | 誤っているもの |
| 問21 | 農地法 | 誤っているもの |
| 問22 | 国土利用計画法 | 正しいもの |
8問とも、直近10回の並びどおりでした。問19は、この年までは「宅地造成等規制法」の名前で出ていました(いまの宅地造成及び特定盛土等規制法)。建築基準法の2問目(問18)には建蔽率・容積率と道路が混ざっていました。
税・その他(問23〜問25・問46〜問50)
問23は印紙税、問24は不動産取得税、問25は不動産鑑定評価でした。問48(統計)は誤っているものを選ぶ形で、直近10回の統計の問のうち、この形だったのはこの年だけです。問46〜50は、いつもの5分野でした。
宅建業法(問26〜問45)
| 問 | 主な論点 | 問いの形 |
|---|---|---|
| 問26 | 37条書面(中に電磁的方法) | 個数 |
| 問27 | ※建物状況調査 | 誤っているもの |
| 問28 | 業務上の規制 | 個数 |
| 問29 | 欠格事由(中に免許) | 正しいもの |
| 問30 | 営業保証金 | 個数 |
| 問31 | 広告 | 正しいもの |
| 問32 | ※変更の登録・登録の移転・変更の届出(中に事務所・案内所等) | 誤っているもの |
| 問33 | 35条書面(重要事項説明) | 正しいもの |
| 問34 | 報酬 | 個数 |
| 問35 | 8種制限・クーリング・オフ(中に電磁的方法) | 正しいもの |
| 問36 | 業務上の規制 | 個数 |
| 問37 | 帳簿・従業者名簿・従業者証明書 | 正しいもの |
| 問38 | 宅建業の定義(免許の要否)(中に宅建士) | 個数 |
| 問39 | 8種制限・手付金等の保全措置 | 正しいもの |
| 問40 | 媒介契約 | 正しいもの |
| 問41 | 監督処分・罰則(中に宅建士) | 正しいもの |
| 問42 | 35条書面(重要事項説明) | 個数 |
| 問43 | 37条書面 | 正しいもの |
| 問44 | 保証協会 | 正しいもの |
| 問45 | 住宅瑕疵担保履行法 | 正しいもの |
問27の建物状況調査は、当サイトの集計で全40回の中で初めて主な論点になりました(副の論点としては、直近10回で6問に混ざっています)。問32の変更の登録・登録の移転・変更の届出は、主な論点としては平成21年度以来です。個数問題は7問(問26・問28・問30・問34・問36・問38・問42)で、業務上の規制が2問、37条書面・営業保証金・報酬・宅建業の定義・35条書面が1問ずつでした。
前の年と比べて、何が変わったか
| 項目 | 令和5 | 令和4 |
|---|---|---|
| 個数問題 | 8問 | 6問 |
| うち宅建業法 | 7問 | 5問 |
| 組合せ | 1問 | 1問 |
| 誤っているもの | 15問 | 16問 |
個数問題は前の年の6問から8問に増え、宅建業法では5問から7問でした。組合せは1問で変わらず、誤っているものを選ぶ形は16問から15問でした。1年ごとの増減が続くかは、数からは分かりません。問いの形の割合を分野ごとに全40回と直近10回で数えた結果は、宅建の問いの形を数えた記事にあります。
この一覧の使い方
過去問を1年分解いたら、間違えた問の番号をこの表で引き、論点の記事で条文と考え方を確かめます。同じ論点で間違いが続くなら、その論点はほかの年の問でも当たっておきます。年ごとの一覧は、令和7年度から平成30年度までの10回分を作っています(ひとつ前の回は令和4年度の一覧、ひとつ後の回は令和6年度の一覧)。
1年分だけの並びでは、どの論点が毎回出るのかは分かりません。全40回・直近10回で数えた結果は、宅建の出題論点ランキングにまとめています。過去問を何年分、どう解くかは宅建の過去問の使い方で書いています。この年の論点を○✕で続けて確かめたいときは、宅建の5分○✕ドリルが使えます。
参考にした公式の情報(2026年10月確認)
- 一般財団法人 不動産適正取引推進機構(宅建試験の実施機関)
- 同「宅建試験の問題及び正解番号表」(昭和63年度〜令和7年度の問題と正解番号表のPDF。当サイトの集計の出典)
- 同「試験概要」(50問・四肢択一式、出題の根拠は試験を行う年度の4月1日現在施行の法令)
- 同「試験実施概況(令和7年度以前10年間)」(合格基準点)
- 同「令和5年度 試験問題と正解番号表」(この一覧の元の問題)
働く人の法律試験ノート