宅建に合格したら:合格証書から登録・宅建士証の交付までの順番と、登録しないままにしたとき

宅建試験に合格しただけでは、まだ宅建士(宅地建物取引士)ではありません。宅建士になるまでにやることは3つで、この順番に進みます。

  1. 合格証書を受け取って保管する。合格発表のあと、試験を実施する機構(一般財団法人 不動産適正取引推進機構)から簡易書留で届きます。再発行はありません。
  2. 受験した都道府県の知事に、登録を申請する。宅建業の実務経験が2年に足りない人は、先に登録実務講習を修了します(国・地方公共団体などでの業務経験で足りる場合もあります)。
  3. 登録のあと、宅建士証の交付を申請する。試験に合格した日から1年以内に交付を受けるなら、法定講習は要りません。

すぐに宅建士として働く予定がない人は、2と3を後にすることもできます。2026年10月17日に宅建業法の第3章(15条〜24条)を読んだ範囲では、合格の効力の期限や、登録を申請する期限を定めた条文はありませんでした。ただし、後にすると法定講習が要るなど、手続きが増えます。この記事では、順番ごとに「いつ・どこへ・何が要るか」を、条文と機構・都道府県の公式の案内で確かめます。登録の要件(欠格)や登録の移転は宅建士の登録の記事に任せます。

合格発表から宅建士証までの流れ

  1. 合格発表:令和8年度は11月25日(水)9時30分。機構のサイトに合格者の受験番号などが載ります。不合格の人への通知はありません。
  2. 合格証書が届く:機構から簡易書留で送られます。登録の手続の案内(「宅地建物取引士資格登録等の手続について」)も同封されます。
  3. (実務経験2年未満の人)登録実務講習を修了する:国土交通大臣の登録を受けた機関が行う講習です。
  4. 登録の申請:受験した都道府県の知事に登録申請書を出します(宅建業法19条1項)。知事は、遅滞なく登録をします(19条2項)。
  5. 宅建士証の交付申請:登録をしている知事に申請します(22条の2第1項)。合格から1年を過ぎていれば、申請前6か月以内に行われる法定講習を受けます(22条の2第2項)。
  6. 宅建士証を受け取る:この時から宅建士です(2条4号)。宅建士証の有効期間は5年です(22条の2第3項)。

合格発表までの過ごし方と、発表の日に確かめることは自己採点と合格発表までの記事にまとめています。

手続きごとに、どこへ・何が要るか

手続きどこへ要るもの・条件
合格証書の受取り機構から届く受け取って保管。再発行はない
登録実務講習国土交通大臣の登録を受けた実施機関合格者で、実務経験2年未満の人が対象
登録の申請受験した都道府県の知事登録申請書、実務経験か講習修了を証する書面など
宅建士証の交付申請登録をしている知事合格から1年を過ぎていれば法定講習

登録申請書に付ける書類は、宅建業法施行規則14条の3が決めています。実務経験がある人であること、または登録実務講習の修了などで同等以上の能力があると認められた人であることを証する書面のほか、破産して復権を得ていない人に当たらない旨の市町村長の証明書、欠格に当たらない旨の誓約書などです。合格証書の扱いや提出のしかたは都道府県の案内で決まっています。たとえば愛知県の案内では、提出書類に合格証書の原本とコピーが挙がっています。

合格証書はいつ届き、なくしたらどうするか

施行規則11条は、知事は合格者の受験番号を公告し、合格者に合格証書を交付しなければならない、と定めています。機構のよくある質問(Q5-1)は「合格者には、当機構から「簡易書留郵便」で合格証書等を発送します。」としています。受け取れなかったときの案内も、同じ質問に載っています。

なくしたときは、合格証書の再発行はありません。機構のよくある質問(Q5-2)は「合格証書の再発行は行いませんが、」「これに代わるものとして、「合格証明書」を発行しています。」としています。機構の案内のページの要点は次のとおりです。

  • 申請先は機構の試験部(昭和63年度以降の合格者。それより前の合格者は、合格した都道府県の宅建業法の担当課)。
  • 申請は書面(郵送)で、本人からだけ。返信用の封筒と切手を同封する。
  • 手数料はかからない。合格証明書は、都道府県での宅建士の登録に使える。

登録の申請:条件と申請先

登録を受けられるのは、試験に合格し、宅地・建物の取引について国土交通省令で定める期間以上の実務経験がある人か、国土交通大臣がそれと同等以上の能力があると認めた人です(宅建業法18条1項)。期間は2年です(施行規則13条の15)。同等以上の能力があるとされるのは、次の人です(施行規則13条の16)。

  • 登録実務講習を修了した人(1号)
  • 国・地方公共団体やその出資で設立された法人で、宅地・建物の取得や処分の業務に通算2年以上ついた人(2号)
  • 国土交通大臣が、これらと同等以上の能力があると認めた人(3号)

実務経験が2年に足りない人が使えるのは、1号の登録実務講習か、2号・3号に当たる場合です。講習の科目と時間、修了試験の基準は、この記事の最後に挙げる登録実務講習の記事にまとめました。

申請先は、住所のある都道府県ではなく、その試験を行った都道府県の知事です(18条1項・19条1項)。2つ以上の都道府県で合格した人は、そのうちどれか1つの知事の登録だけを受けられます(施行規則14条)。

手数料の額と、実務経験をどこまでさかのぼって数えるかは、都道府県の案内で確かめます。機構の案内も、実務経験・講習修了の有効期限は都道府県によって異なる場合があるとして、試験に合格した都道府県の宅建業法の担当課に問い合わせるよう案内しています。例として、愛知県の資格登録のページ(2026年10月確認)は次のように書いています。

  • 対象:「登録申請の前10年以内に2年以上の実務経験等のある方で、宅地建物取引士の登録をしようとする方。」
  • 手数料:「宅地建物取引士資格登録簿登録手数料 37,000円」
  • 標準処理期間:40日

ほかの都道府県で受験した人は、その都道府県の案内を見てください。機構の合格後の登録の案内のページに、都道府県ごとの案内へのリンクがあります。

宅建士証の交付申請:合格から1年以内かどうかで変わる

登録を受けている人は、登録をしている知事に宅建士証の交付を申請できます(22条の2第1項)。交付を受けるには、知事が指定する講習(法定講習)で、交付の申請前6か月以内に行われるものを受けます。ただし「試験に合格した日から一年以内に宅地建物取引士証の交付を受けようとする者」は要りません(22条の2第2項ただし書)。

条文は「1年以内に交付を受けようとする者」です。法定講習なしで進めたい人は、登録実務講習・登録の審査・宅建士証の交付にかかる日数を足して、1年に収まるかを先に見積もります。愛知県の宅建士証の交付のページでは、交付申請手数料は4,500円、標準処理期間は、合格後1年未満の人が10日、1年以上たった人が30日とされています。「合格した日」がいつかと、受付の窓口は、登録先の都道府県の案内で確かめてください。

宅建士証の有効期間は5年です(22条の2第3項)。更新・書換え・返納の手続きは宅建士証の手続きの記事にあります。

登録しないままにしたら、どうなるか

登録しないまま、または登録だけして宅建士証を受けないままにした場合を、2つに分けて整理します。

1. 合格そのものはどうなるか

  • 2026年10月17日に、宅建業法の第3章「宅地建物取引士」(15条〜24条)を e-Gov 法令検索で読みました。この範囲に、合格の効力の期限を定めた規定はありませんでした。合格に触れる規定は、合格の決定の取消し(17条1項)、登録を受けられる人(18条1項)、合格の決定を取り消されたときの登録の消除(22条4号)、法定講習が要らない場合(22条の2第2項ただし書)で、どれも合格の効力の期限ではありません。
  • 合格を取り消す定めは、不正の手段で試験を受けた人についてのもので、都道府県知事は合格の決定を取り消すことができます(17条1項)。
  • 登録の申請にも、合格から何年以内という期限は書かれていません(19条1項)。
  • 機構・国土交通省の案内に「合格は一生有効」と書いた文は、当サイトが見たページにはありませんでした。法律が変われば扱いも変わりうるので、登録を考える時点で、都道府県の案内を確かめてください。

2. 宅建士証がないと、できないこと

宅建業法で「宅地建物取引士」は、宅建士証の交付を受けた人のことです(2条4号)。宅建業者が宅建士にさせなければならない事務は、次の3つです。合格しただけ、登録しただけの人はできません。

  • 重要事項の説明(35条1項)。説明のときは宅建士証を見せる(35条4項)。
  • 重要事項説明書への記名(35条5項)。
  • 契約の内容を書いた37条書面への記名(37条3項)。

この3つの事務と、宅建士でなくてもできることの区別は宅建士にしかできない事務の記事で表にしています。

後から登録・交付するときに変わること

  • 合格から1年を過ぎてから宅建士証の交付を受けるときは、法定講習を受けます(22条の2第2項)。
  • 実務経験をどの期間で数えるか、講習の修了をいつまで使えるかは、都道府県の扱いで違うことがあります(機構の案内)。愛知県の案内は、上で見たとおり「登録申請の前10年以内に2年以上」です。

自分はどう進めるか:3つの問いで決める

  1. 宅建業の実務経験が2年以上あるか。ない人は、登録実務講習の日程を実施機関の案内で調べます(受けられるのは合格者だけです)。
  2. 合格から1年以内に宅建士証を受け取りたいか。受け取りたい人は、講習・登録・交付の日数を足して逆算します。急がない人は、1年を過ぎると法定講習が要ることを知ったうえで決めます。
  3. 受験したのはどの都道府県か。申請先と手数料、必要書類は、その都道府県の案内で確かめます。

取り違えやすい点

  • 合格した人=宅建士、ではない。宅建士は宅建士証の交付を受けた人(2条4号)。
  • 登録の申請先は、住所地ではなく受験した都道府県の知事(18条1項)。
  • 試験の前に受ける「登録講習」(5問免除)と、合格後の「登録実務講習」は別の講習。違いは5問免除の記事の表にあります。
  • 法定講習が要らないのは、合格した日から1年以内に宅建士証の「交付を受けようとする」人。条文は申請の日ではなく交付で書かれているので、日数には余裕をみて、扱いは登録先の都道府県で確かめる。
  • 「5年」は宅建士証の有効期間で、合格の期限ではない(22条の2第3項)。

次に読むなら、登録実務講習の記事です。実務経験が2年に足りない人が、講習で何を学び、修了試験で何が求められるかを、規則と国土交通省の告示で確かめられます。

参考にした公式の情報(2026年10月確認)

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