この記事は、令和3年度(12月試験)の宅建試験について、50問それぞれが何の論点を、どんな形で聞いていたかをまとめた「論点の地図」です。問題文・選択肢・正解の番号は載せていません。
問題と正解は、不動産適正取引推進機構の公式サイトで公開されています(不動産適正取引推進機構のトップから「宅建試験」→「宅建試験の問題及び正解番号表」。令和3年度(12月試験)のPDFはこちら)。過去問を解いたあとに、どの論点の記事で復習すればよいかを探す、という使い方を想定しています。
令和3年度は、試験が10月と12月の2回に分けて行われ、問題も別でした(機構の過去問のページでも、10月試験と12月試験のPDFが分かれています)。機構の試験実施概況によると、受験者数は10月試験が209,749人、12月試験が24,965人で、12月試験は受験者の少ない回でした。合格基準点はどちらも34点です。この記事は12月試験の一覧で、後半に10月試験との違いを表にしました。
この回の特徴(数えた事実)
- 分野ごとの問数は、権利関係14問・法令上の制限8問・税・その他8問・宅建業法20問でした(当サイトの数え方。公式の内訳ではありません)。
- 問いの形は、正しいものを選ぶ形が25問、誤っているものを選ぶ形が18問、個数問題が5問、組合せが1問、その他の形が1問でした。
- 個数問題の5問は、すべて宅建業法でした。
- 同じ論点が2問以上出たのは、37条書面(3問)、建築基準法(総合)(2問)、免許(2問)、35条書面(2問)、宅建士(登録・宅建士証)(2問)です。
- 合格基準点は50問中34点でした(機構の試験実施概況。合格点の推移は宅建試験の合格点と合格率)。
表の※は、直近10回(令和7年度〜平成30年度)の中で、主な論点としてこの回だけに出た論点です。直近10回は、令和7年度から平成30年度までの10回です(令和2年度と令和3年度は10月と12月の2回ずつ試験があったので、それぞれ2回と数えています)。
この回の50問を、直近10回の出方で分けると
この回の50問を、その論点が直近10回(この回を含む)で何回、主な論点として出たかで分けました。
| 直近10回で出た回 | この回の問数 |
|---|---|
| 10回(指定席) | 23問 |
| 4〜9回 | 23問 |
| 1〜3回 | 4問 |
指定席の論点だけで23問、4回以上まで広げると46問でした。1〜3回の論点の4問は、問1、問2、問7、問8で、4問のうち3問(問1・問7・問8)は、直近10回でこの回だけに主な論点として出たものでした。
この一覧は、どうやって作ったか
不動産適正取引推進機構が公開している宅建試験の問題(昭和63年度〜令和7年度の40回、2,000問)を、当サイトが1問ずつ読み、主な論点と副の論点に分けて数えました。分け方は当サイトの判断で、公式の分類ではありません。4回分200問を別の担当が読み直し、主な論点の一致は97.5%でした(食い違った問は直してから数えています)。
「主な論点」は、その問が全体として何を聞いているかで1つだけ決めたものです。「副の論点」は、1問の中に別の論点の肢が混ざっているときに、最大2つまで記録したものです。数えたのは問ごとの論点で、1問の中の4つの肢を1つずつ数えてはいません。表の「中に」の後ろは、副の論点です。問いの形は、問題の最後の聞き方で分けました。「違反しないもの」は正しいもの、「最も不適当なもの」は誤っているもの、「〜はいくつあるか」は個数、「〜の組合せ」「全て掲げたもの」は組合せに入れ、4つのどれにも当たらない聞き方は「その他」にしています。論点の名前は当サイトの記事の分け方で、リンク先はその論点を扱う記事です。
権利関係(問1〜問14)
問1は所有権などの物権の問で、判決文を読ませる形でした(この分け方の主な論点は、全40回で2問だけです)。問7の遺言と問8の契約総論(同時履行・危険負担など)は、どちらも主な論点としては平成27年度以来でした(遺言の記事、同時履行の抗弁権の記事)。問3(制限行為能力者)は、4つの形のどれにも当たらない聞き方の問で、「その他」に入れています。
法令上の制限(問15〜問22)
| 問 | 主な論点 | 問いの形 |
|---|---|---|
| 問15 | 都市計画法(地域地区・都市計画の内容) | 正しいもの |
| 問16 | 開発許可 | 誤っているもの |
| 問17 | 建築基準法(総合)(中に単体規定) | 誤っているもの |
| 問18 | 建築基準法(総合)(中に道路・高さ制限) | 正しいもの |
| 問19 | 宅地造成等規制法(当時の名称) | 誤っているもの |
| 問20 | 土地区画整理法 | 誤っているもの |
| 問21 | 農地法 | 正しいもの |
| 問22 | 国土利用計画法 | 正しいもの |
8問とも、直近10回の並びどおりでした。建築基準法の2問(問17・問18)には、単体規定、道路、高さ制限が混ざっていました。問19は当時の名前の宅地造成等規制法です。
税・その他(問23〜問25・問46〜問50)
問23は登録免許税、問24は固定資産税、問25は地価公示法でした。同じ年度の10月試験とは、3問とも論点が違います(下の比べの表)。問46〜問50は、いつもの5分野でした。
宅建業法(問26〜問45)
| 問 | 主な論点 | 問いの形 |
|---|---|---|
| 問26 | 37条書面 | 正しいもの |
| 問27 | 8種制限(総合)(中に損害賠償額の予定等) | 正しいもの |
| 問28 | 監督処分・罰則 | 個数 |
| 問29 | 免許(中に変更の届出等) | 誤っているもの |
| 問30 | 広告 | 正しいもの |
| 問31 | 報酬 | 個数 |
| 問32 | 営業保証金(中に保証協会) | 正しいもの |
| 問33 | 媒介契約 | 個数 |
| 問34 | 宅建業の定義(免許の要否) | 正しいもの |
| 問35 | 35条書面(重要事項説明) | 正しいもの |
| 問36 | 免許 | 正しいもの |
| 問37 | 宅建士(登録・宅建士証) | 正しいもの |
| 問38 | 宅建業法(総合)(中に未完成物件・自己の所有に属しない物件) | 組合せ |
| 問39 | 保証協会 | 誤っているもの |
| 問40 | 37条書面 | 正しいもの |
| 問41 | 宅建士(登録・宅建士証)(中に事務所・案内所等) | 誤っているもの |
| 問42 | 37条書面 | 個数 |
| 問43 | 8種制限・クーリング・オフ | 誤っているもの |
| 問44 | 35条書面(重要事項説明) | 個数 |
| 問45 | 住宅瑕疵担保履行法 | 正しいもの |
37条書面が主な論点で3問(問26・問40・問42)、免許が2問(問29・問36)ありました。個数問題は5問(問28・問31・問33・問42・問44)で、問38は組合せの形でした。問28の監督処分・罰則は、主な論点としては令和元年度以来です。
同じ年度の10月試験と比べて、何が違ったか
| 項目 | 令和3(12月) | 令和3(10月) |
|---|---|---|
| 個数問題 | 5問 | 6問 |
| うち宅建業法 | 5問 | 5問 |
| 組合せ | 1問 | 0問 |
| 誤っているもの | 18問 | 16問 |
| 正しいもの | 25問 | 27問 |
問いの形は、誤っているものを選ぶ形が12月試験で18問、10月試験で16問、個数問題が5問と6問で、大きな差はありませんでした。
論点の違いを分野ごとに並べると、次のとおりです(片方の回にだけ主な論点として出たもの)。
| 分野 | 12月試験だけ | 10月試験だけ |
|---|---|---|
| 権利関係 | 所有権・物権(その他)、相隣関係、代理、物権変動・対抗要件、遺言、契約総論(同時履行など)、抵当権 | 連帯債務、民法(総合)、配偶者居住権、債権譲渡、不法行為、相続、債権総論(その他) |
| 法令上の制限 | 都市計画法(地域地区) | 地区計画 |
| 税・その他 | 登録免許税、固定資産税、地価公示法 | 譲渡所得、不動産取得税、不動産鑑定評価 |
| 宅建業法 | 37条書面(3問)、監督処分・罰則、免許(2問) | 欠格事由、帳簿・従業者名簿、業務上の規制 |
同じ問番号に同じ主な論点が来たのは、50問中18問でした(問11〜問14、問16〜問22、問30、問45〜問50)。問1〜問10の民法などは、10問とも番号ごとの論点が違いました。税の3問(問23〜問25)も、12月試験が登録免許税・固定資産税・地価公示法、10月試験が所得税(譲渡所得)・不動産取得税・不動産鑑定評価で、1つも重なっていません。宅建業法は、37条書面が12月試験で3問、10月試験で0問(主な論点として)でした。35条書面と宅建業法(総合)は両方の回に出ていて、問数は35条書面が12月試験2問・10月試験4問、宅建業法(総合)が1問・2問でした。同じ年度でも、受けた回によって民法と税の中身はかなり違った、ということです。10月試験の一覧は令和3年度(10月試験)の論点一覧にあります。
この一覧の使い方
過去問を1回分解いたら、間違えた問の番号をこの表で引き、論点の記事で条文と考え方を確かめます。同じ論点で間違いが続くなら、その論点はほかの年の問でも当たっておきます。年ごとの一覧は、令和7年度から平成30年度までの10回分を作っています(ひとつ前の回は令和3年度10月の一覧、ひとつ後の回は令和4年度の一覧)。
1回分だけの並びでは、どの論点が毎回出るのかは分かりません。全40回・直近10回で数えた結果は、宅建の出題論点ランキングにまとめています。判決文を読ませる問(問1)の解き方は、宅建の判決文問題の解き方で書いています。この回の論点を○✕で続けて確かめたいときは、宅建の5分○✕ドリルが使えます。
参考にした公式の情報(2026年10月確認)
- 一般財団法人 不動産適正取引推進機構(宅建試験の実施機関)
- 同「宅建試験の問題及び正解番号表」(昭和63年度〜令和7年度の問題と正解番号表のPDF。当サイトの集計の出典)
- 同「試験概要」(50問・四肢択一式、出題の根拠は試験を行う年度の4月1日現在施行の法令)
- 同「試験実施概況(令和7年度以前10年間)」(受験者数・合格基準点)
- 同「令和3年度 12月試験 試験問題と正解番号表」(この一覧の元の問題)
働く人の法律試験ノート