宅建のテキスト・問題集の選び方:予算別の組み合わせと、2027年版を買う時期

宅建試験の独学は、基本書(テキスト)・分野別の過去問題集・一問一答の3冊から始められます。同じシリーズの3冊の合計は、2026年10月時点の公式価格で8,000円台です(目安)。年度別の過去問は、機構(不動産適正取引推進機構)のサイトで無料で見られます。

ただし今は、10月18日の試験の直前で、来年(令和9年度)向けの「2027年版」が出始めた時期です。今年受ける人は、新しい教材を足さないでください。来年受ける人は、2027年版を、使う順に買っていきます。全部を一度にそろえる必要はありません。

この記事では、まず今年受ける人と来年受ける人のそれぞれにやることを示し、そのあとで教材の役割と、予算を4つに分けた組み合わせ(商品名つき)を並べます。宅建業で働く人が5問免除を使うときの、登録講習の費用にも触れます。価格はすべて税込で、出版社・講座の公式ページで2026年10月10日に確かめた目安です。変わることがあるので、買う前に公式ページで確かめてください。

10月18日の試験を受ける人は、教材をどうするか

試験まで残り1週間ほどです。この時期は、新しい教材を1冊も足さないのが当サイトの考えです。新しい本は、最初の1周に時間がかかり、できない問題が一度に増えます。それより、今の問題集で✕(まちがえた)と△(迷った)をつけた問題を解き直すほうが、本番で取れる問題が増えます。理由と日割りの例は、直前1か月の復習の配分にまとめています。

  • やること:今の問題集の✕と△の解き直し。まだなら、本番と同じ13時から2時間で、1年分を通して解く(機構の宅建試験の問題及び正解番号表に、令和7年度までの問題が無料で載っています)。
  • やらないこと:書店に並び始めた2027年版を買うこと。来年の勉強は、試験が終わってから考えても間に合います。

試験のあとのことも、少しだけ書いておきます。合格発表は11月25日(水)9時30分で、その日に機構のサイトで正解番号も公表される予定です。一方、来年向けの講座には、合格発表の前後に締め切られる早期割引があります(例:TACの総合本科生SPlusのキャンペーンは10月31日まで、LECのパーフェクト合格フルコースの早期申込は11月末まで)。講座を考えている人は、割引の締切と自分の手応えを見比べて決めてください。割引に間に合わせるためだけに、急いで申し込む必要はありません。

来年(令和9年度)受ける人は、いつ・どの版を買うか

宅建試験は、試験の年度の4月1日に施行されている法令から出題されます(機構の試験概要)。令和9年度の試験なら、令和9年(2027年)4月1日の時点の法令です。そのため教材は、受ける年度向けの版を使います。出版社によって呼び方が違い、TAC出版は「2027年度版」、LEC・翔泳社・ユーキャンは「2027年版」と書きますが、どちらも令和9年度の試験向けです。

2027年向けの版は、種類によって出る時期がちがいます。2026年10月10日時点で公式ページから分かることを、使う順に並べました。

教材2027年向けの版買う時期の目安
基本書10月〜11月に各社が発売・発売予定勉強を始めるとき
分野別過去問・一問一答10月〜11月に発売・発売予定基本書と同時
年度別過去問集告知なし(2026年度版は1月発売)全範囲を一周したころ
予想問題集告知なし(2026年度版は4〜6月発売)試験の1〜2か月前
公開模試告知なし(2026年は夏〜秋に実施)各社の案内が出てから

考え方は「使う教材から、使う月に買う」です。秋から始める人は、主な2027年版の発売予定が11月末までに並んでいるので、出ている3冊をそろえれば始められます。春から始める人は、いま買っておく必要はありません。年度別の過去問集と予想問題集は、勉強の後半で使うものなので、発売を待ってから買えば足ります。

注意が2つあります。1つ目は、ここで並べた本はどれも2027年4月1日より前に出ることです。発売のあとに決まった法改正をどう扱うか(追補や正誤の案内など)は、出版社の公式ページで確かめてください。2つ目は、まだ2027年版の告知がないシリーズがあることです。LECの「出る順宅建士」シリーズと、ユーキャンの宅建士シリーズは、2026年10月10日時点で公式ページに2027年版が載っていません(参考:ユーキャンの2026年版の基本書は2025年10月17日の発刊でした)。これらを使いたい人は、告知を待ってから買います。

宅建の教材には何があり、それぞれ何に使うか

教材は「たくさん持つ」より「役割の違うものを1つずつ」そろえます。役割が重なる本を2冊持つと、どちらも途中で終わりやすくなります。

教材役割使う時期
基本書範囲全体の地図。まちがえた所に戻って確かめるはじめから最後まで
分野別過去問読んだ単元をすぐ解いて、思い出す練習をする基本書と並行
一問一答すき間時間に、肢を1つずつ○✕で確かめる基本書と並行〜直前
年度別過去問50問・2時間の形と時間配分に慣れる後半
予想問題・模試初めて見る問題で、実力と弱点を測る試験の1〜2か月前
条文(e-Gov)答えの根拠を確かめる。無料迷ったとき

中心になるのは、基本書よりも問題集です。大学生が短い文章を学んだ実験(Roediger & Karpicke、2006年)では、1週間後のテストで、くり返し読んだ組より、思い出して書き出す練習をした組のほうが多くを覚えていました(ただし、直後のテストでは読んだ組のほうが上でした)。この結果を選択肢の問題にどう使うか、テキストと問題集の使い分けは読むより「思い出す」ほうが覚えるで説明しています。

行政書士試験とちがい、宅建では市販の六法を買わなくても困りません。宅建業法や施行規則は、国の法令データベースe-Gov法令検索(宅地建物取引業法)で無料で読めます。基本書に条番号が書いてあれば、その場で開いて確かめられます。

問題集とアプリについて、種類ごとにどれが誰に合うかは、宅建の問題集の選び方と宅建のアプリの選び方で並べています。

予算別に、何をそろえればよいか

予算を4つの段階に分けました。商品名は「この組み合わせなら役割がそろう」という例で、ほかの本より優れているという意味ではありません。どのシリーズが合うかは、書店や出版社のページで数ページ読み、説明が頭に入るもので選んでください。

先に1つだけ書いておきます。どの段階を選んでも、お金で勉強の時間を減らすことはできません。講座は「何をどの順でやるか」を決めてくれますが、基本書の範囲を一通り学び、問題集を何度も解き直す時間は、自分でまとまってとる必要があります。1日30分ほどでは宅建の範囲を回しきれない、と当サイトは考えています。教材より先に、週に何時間とれるかを決めてください(自分に合う進め方を選ぶで、期間と時間から見通しを確かめられます)。

①独学の最小:1万円前後

基本書・分野別過去問・一問一答の3冊です。合計は定価(税込)です。同じシリーズでそろえると、問題集でまちがえたときに、基本書の同じ単元へ戻りやすくなります(章の分け方は各社の目次で確かめてください)。どれも2027年向けの版です。

発売前の本の価格は、公式ページに出ている予定の価格です。TAC出版にはほかに、スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト(2027年度版・3,190円・11月27日発売予定)もあります。翔泳社の組み合わせは2冊なので、一問一答を足さない場合は、分野別過去問の選択肢を1つずつ○✕で解いて、同じ練習にあてます。

合う人:自分で計画を立てて進められる人。はじめに使える予算が少ない人。民法などを勉強したことがある人。合わない人:分からない所を人に聞けないと止まってしまう人。何から始めるかを決めるのに時間がかかる人(進め方は宅建試験:自分に合う進め方を選ぶで決められます)。

②独学に過去問・予想問題・模試を足す:1万7千円〜3万円前後

①の3冊に、勉強の後半で使う教材を足します。どれも、今出ているのは2026年度(今年の試験)向けです。来年受ける人は、2027年向けの版や案内が出てから買います。価格は今年の例として見てください。

足すもの今年の例価格の目安
年度別過去問集TAC出版のみんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集、ユーキャンの宅建士 過去12年問題集(どちらも今年の試験向け)2,970円/2,860円
予想問題集TAC出版のみんなが欲しかった!宅建士の直前予想模試、LECの出る順宅建士 当たる!直前予想模試(どちらも今年の試験向け)1,760円
公開模試TACの宅建士 全国公開模試、LECのファイナル模試(自宅・Web解説)、LECの全日本宅建公開模試(5回一括・自宅・Web解説)4,000円/3,300円/16,500円

①の3冊(8,000円台)に、年度別過去問集(2,970円)・予想問題集(1,760円)・公開模試1回(4,000円)を足すと約1万7千円、公開模試を5回のセットにすると約3万円です。年度別の過去問は、機構の無料のPDFで代えることもできます。その場合は解説がないので、まちがえた問題は基本書と条文で根拠を確かめます(公式のPDFで見られる年度と、古い年度を使うときの注意は宅建の過去問の記事にまとめています)。LECには無料のゼロ円模試もあります。

合う人:①の3冊を回し終え、初めて見る問題で力を試したい人。家で2時間通して解く時間を作りにくく、会場で受けたい人(会場受験がある模試の場合)。合わない人:まだ①の3冊が一周していない人。模試を受けても、解き直しをする時間がない人。模試は受けたあとの見直しのほうに時間がかかります。

③通信講座:1万5千円前後〜20万円前後

動画の講義と、決まった順番のカリキュラムがつきます。価格の幅が大きいので、何がついているか(紙のテキスト、質問の回数)で見比べます。下はどれも2027年の試験を目標にしたコースです。

講座価格の目安質問
スタディング 宅建士合格コース(2026+2027年度合格目標)14,960円〜24,800円(冊子付は24,800円〜29,800円)コンプリートにQ&Aチケット10枚
ユーキャン 宅地建物取引士講座64,000円(一括)1日3問まで
フォーサイト バリューセット264,800円(送料別)回数の制限なし
アガルート 入門カリキュラムライト54,780円/フル107,800円ライト10回/フル30回
LEC パーフェクト合格フルコース〈通信〉148,500円(11月末までの早期申込は111,380円)「教えてチューター」
TAC 総合本科生SPlus(Web通信など)200,000円(10月31日までのキャンペーンは160,000円)+入会金10,000円質問メール

スタディングは動画とWEBテキストが中心で、冊子付の2027年度版の冊子は2027年2月下旬の発送予定です。ユーキャンは2027年度の試験向けに教材を改訂中で、10月下旬の発送予定とされています。入会金や送料の有無もコースによって違うので、申し込む前に公式ページで合計を確かめてください。

合う人:何をどの順でやるかを決めてもらいたい人。読むより聞くほうが頭に入る人。分からない所を質問したい人。合わない人:講義を見る時間がとれない人。スマホで見られる講座でも、すき間時間だけで終わるわけではありません。講義を見ると勉強した気になりやすいので、そのあと問題を解く時間まで作れるかを考えておきます。法律の勉強の経験があり、市販の本で進められる人は、①②で足りることもあります。

④通学講座:12万円前後〜20万円前後

教室で講義を受けます。TACの総合本科生SPlusは、教室講座・ビデオブース講座も通信と同じ200,000円(10月31日までのキャンペーンで160,000円、別に入会金10,000円)で、2026年11月〜2027年4月の開講です。LECのパーフェクト合格フルコース〈通学〉は159,500円(早期申込119,630円)、提携校の通学は170,500円(早期127,880円)で、2026年12月から学校ごとに開講します。ただし2026年10月10日時点で、LECのこのページの通学と提携校通学の申込リンクの下には「販売は終了いたしました」と表示されていました(通信には表示なし)。通学で申し込めるかは、LECの公式ページか各校で確かめてください。

合う人:決まった曜日・時間に通える人。家では集中しにくく、通う場所があると続けやすい人。合わない人:残業や出張で、通える日が読めない人。欠席したときのWeb講義のフォローはありますが、それが続くなら通信講座と変わらなくなります。

宅建業で働く人は、登録講習の費用をどう見込むか

宅建業で働いている人(従業者証明書を持つ人)は、登録講習を受けて修了試験に合格すると、合格した日から3年以内の試験で問46〜問50の5問が免除されます。一般の人は受けられません。制度の条件は宅建試験の5問免除(登録講習)にまとめています。

受講料は、公式ページで確かめられたもので2万円前後です。TACの登録講習は2026年度で19,000円(教材費込み)、LEC(福岡本校のページ)の登録講習は2027年度の予定で20,000円です。住宅新報の登録講習は、2027年度の受付を2026年11月下旬に始める予定で、受講料は受付開始時に載せるとしています。

予算の立て方は、①の3冊(8,000円台)に登録講習の2万円前後を足して、3万円弱が一つの目安です。時期にも注意します。機構の案内では、受講の申込から修了まで2か月以上かかり、修了試験に合格してから試験に申し込みます(令和8年度の申込は7月でした)。LECの福岡本校の予定では、2027年度は2月に申込が始まり、4〜7月に実施です。来年使うなら、年明けには申込先と日程を決めておきます。5問免除のときの目標点と型は、宅建試験の得点戦略の「5問免除の人の型」を見てください。

そろえた教材は、どう使えば増やさずにすむか

教材を増やしたくなるのは、「今の本では足りない気がする」ときです。その前に、今の問題集に△と✕が残っていないかを見てください。残っているなら、足りないのは本の数ではなく、くり返しの回数です。次の使い方なら、1組の教材で最後まで進められます。

  1. 基本書は1単元ずつ読み、すぐ問題を解く:最初から通読しなくてかまいません。線を引いたり、まとめノートを作ったりする時間は、問題を解く時間に回します(時間のわりに効果が薄い勉強のしかた)。
  2. まちがえた問題は、間をあけて解き直す:その日、数日後、翌週のように間をあけると、同じ問題でも思い出す練習になります(復習の間隔の決め方)。
  3. 正解しても、自信を○・△・✕でつける:たまたま当たった問題を「できた」に数えないためです(「できたつもり」を防ぐ)。
  4. 足すのは、今の問題集が回ったあと:分野別過去問の△と✕が減り、解説を見なくても根拠が言えるようになってから、年度別過去問・予想問題に進みます。

どの分野に時間をかけるかは、教材ではなく得点の計画で決まります。宅建業法で稼ぐのか、権利関係も取るのかによって、問題集のどの章を何回回すかが変わります。

今日からやること

  • 10月18日に受ける人:新しい本は買わず、今の問題集の✕と△を解き直す。
  • 来年受ける人:自分の予算が①〜④のどれかを決め、勉強を始める月に、基本書・分野別過去問・一問一答の2027年版をそろえる。
  • シリーズを決める前に、書店か出版社のページで数ページ読み、説明が頭に入るかを確かめる。
  • 宅建業で働いている人:登録講習を使うかを決め、2027年度の申込時期と受講料を公式ページで確かめる。

このサイトで次に読むなら、宅建試験:自分に合う進め方を選ぶがおすすめです。試験までの期間・週の時間・予算を選ぶと、この記事の予算の段階と、分野ごとの時間の割り振りが組み合わせて出てきます。分野ごとに何問落としてよいかを先に決めたい人は、宅建試験の得点戦略から読んでください。

参考にした公式の情報・研究(2026年10月確認)

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