宅建の出題論点ランキング:全40回2,000問と直近10回500問を数えてわかった「毎回出る論点」

宅建試験の過去の問題40回分、2,000問を、当サイトが1問ずつ読んで論点ごとに数えました。全40回のすべてで主な論点として出たのは、35条書面(重要事項説明)・不動産登記法・開発許可・土地区画整理法・農地法の5つです。直近10回(500問)に絞ると、10回すべてで出た論点は21あります。

主な論点としての問数がいちばん多いのは35条書面(重要事項説明)で、全40回で81問、直近10回では29問でした。この記事では、全40回と直近10回の2つの数を並べ、論点を「毎回出る(指定席)」「数回に1回」「数十年に1回」の3段に分けます。数字は過去の事実で、次の試験で何が出るかの予想ではありません。

この数字は、どうやって数えたのか

不動産適正取引推進機構が公開している宅建試験の問題(昭和63年度〜令和7年度の40回、2,000問)を、当サイトが1問ずつ読み、主な論点と副の論点に分けて数えました。分け方は当サイトの判断で、公式の分類ではありません。4回分200問を別の担当が読み直し、主な論点の一致は97.5%でした(食い違った問は直してから数えています)。

「主な論点」は、その問が全体として何を聞いているかで1つだけ決めたものです。「副の論点」は、1問の中に別の論点の肢が混ざっているときに、最大2つまで記録したものです。数えたのは問ごとの論点で、1問の中の4つの肢を1つずつ数えてはいません。たとえば建築基準法の問は、1問の中に用途制限・道路・高さなどの肢が混ざることが多いので、主な論点を「建築基準法(総合)」とし、混ざった論点を副として記録しました。宅建業法にも同じ「総合」の問があります。こうした問の中身は、副の論点の数で見ます(後の節で扱います)。

直近10回は、令和7年度から平成30年度までの10回です(令和2年度と令和3年度は10月と12月の2回ずつ試験があったので、それぞれ2回と数えています)。論点の名前は、当サイトの記事の分け方にそろえています。名前の付け方が違えば数も変わるので、順位の細かい差より、大きな傾向を見るための数字として使ってください。

分けた論点は、主な論点で120種類、直近10回に限ると85種類でした。

全40回のすべてで出た論点は、どれか

40回すべてで、主な論点として1問以上出たのは次の5つです。

論点分野全40回の主直近10回の主
35条書面(重要事項説明)宅建業法81問29問
開発許可法令上の制限56問10問
不動産登記法権利関係53問10問
土地区画整理法法令上の制限40問10問
農地法法令上の制限40問10問

35条書面は、昭和63年度から令和7年度まで毎回出ています。平成12年度以前の13回は1回あたり1〜2問でしたが、直近10回では1回あたり2〜4問でした。不動産登記法は、平成12年度以前の13回では1回に2問出ていたので、全40回の問数が多くなっています。

直近10回のすべてで出た21論点(指定席)

直近10回に限ると、10回すべてで主な論点として出たのは21論点です。問番号までほぼ同じ位置に置かれているものが多く、当サイトでは「指定席」と呼んでいます。

論点分野直近10回の主全40回で出た回
35条書面(重要事項説明)業法29問40回
媒介契約業法12問36回
報酬業法11問33回
8種制限・クーリング・オフ業法10問32回
広告業法10問27回
住宅瑕疵担保履行法業法10問18回
不動産登記法権利10問40回
借地借家法(借家)権利10問38回
借地借家法(借地)権利10問37回
区分所有法権利10問37回
建築基準法(総合)法令20問30回
開発許可法令10問40回
土地区画整理法法令10問40回
農地法法令10問40回
国土利用計画法法令10問37回
盛土規制法(宅地造成)法令10問35回
住宅金融支援機構税他10問39回
景品表示法・表示規約税他10問39回
統計税他10問38回
土地(地形・災害)税他10問38回
建物(構造・材料)税他10問34回

分野別に見ると、宅建業法6・権利関係4・法令上の制限6・税・その他5です。法令上の制限は、直近10回とも、都市計画法(開発許可以外)1問・開発許可1問・建築基準法2問・盛土規制法1問・土地区画整理法1問・農地法1問・国土利用計画法1問の8問という組み合わせでした。都市計画法(開発許可以外)の1問は、9回が地域地区・都市計画の内容、1回が地区計画だったので、論点としては上の表に入っていません。税・その他の問46〜50(住宅金融支援機構・景品表示法・統計・土地・建物)も10回とも同じ顔ぶれです。

住宅瑕疵担保履行法は全40回では18問ですが、初めて出たのが平成22年度で、それ以降の18回は毎回出ています。全40回の数だけで見ると小さく見える論点の例です。

全40回と直近10回で、上位はどう違うか

主な論点の問数で並べると、次のとおりです(同じ問数の論点は1つの行にまとめています)。

順位全40回(主の問数)直近10回(主の問数)
135条書面(重要事項説明)(81)35条書面(重要事項説明)(29)
2宅建士(登録・宅建士証)(63)建築基準法(総合)(20)
3開発許可(56)37条書面(18)
4不動産登記法(53)宅建士(登録・宅建士証)(15)
5建築基準法(総合)(50)宅建業法(総合)(12)
6宅建業法(総合)(45)媒介契約(12)
7媒介契約(42)報酬(11)
8営業保証金(41)業務上の規制(11)
9借地借家法(借家)・土地区画整理法・農地法(各40)借地借家法(借地)・区分所有法・不動産登記法など18論点(各10)

直近10回の8位までは、建築基準法(総合)を除いてすべて宅建業法です。理由の一つは、分野の問数が変わったことです。当サイトの集計では、平成21年度以降の19回は毎回「権利関係14問・法令上の制限8問・税・その他8問・宅建業法20問」でしたが、平成20年度以前は宅建業法が16問でした(分野ごとの問数は公式の内訳ではなく、当サイトが数えたものです)。昔の回を含めた全40回の数は、いまの宅建業法の重みを少なめに見せます。

もう一つの違いは37条書面です。全40回では38問(25回)ですが、直近10回だけで18問(9回)あり、35条書面に次ぐ数になっています。反対に宅建士(登録・宅建士証)は、全40回で63問と2位ですが、直近10回では15問です。それでも10回中9回出ています。

数回に1回の論点は、どれか

直近10回のうち2〜9回で主な論点として出たのは46論点です。このうち4回以上出たものを並べます。

論点分野直近10回で出た回全40回の主
宅建士(登録・宅建士証)業法9回63問
営業保証金業法9回41問
37条書面業法9回38問
都市計画法(地域地区・都市計画の内容)法令9回24問
保証協会業法8回35問
相続権利8回27問
賃貸借権利8回26問
宅建業法(総合)業法7回45問
業務上の規制業法7回37問
売買・契約不適合責任権利7回22問
8種制限(総合)業法6回35問
宅建業の定義(免許の要否)業法6回23問
欠格事由業法6回21問
時効権利6回17問
不動産鑑定評価税他6回20問
監督処分・罰則業法5回28問
免許業法5回22問
抵当権権利5回29問
不動産取得税税他5回21問
固定資産税税他5回18問
8種制限・手付金等の保全措置業法4回21問
帳簿・従業者名簿・従業者証明書業法4回14問
代理権利4回28問
物権変動・対抗要件権利4回21問
意思表示権利4回20問
制限行為能力者権利4回14問
地価公示法税他4回21問
登録免許税税他4回13問

権利関係の問1〜10(民法など)と、税の問23〜25は、この段に集まっています。毎回どれかが出るけれど、どれが出るかは回によって違う、という出方です。たとえば問24は直近10回で固定資産税と不動産取得税が5回ずつ、問25は不動産鑑定評価が6回・地価公示法が4回でした。

直近10回で2〜3回だった論点には、共有、債務不履行・解除、民法(総合)、相隣関係、印紙税、不法行為、保証、連帯債務、委任、地上権などがあります。

数十年に1回の論点と、「主では0回」の見方

全40回で主な論点として3問以下だった論点は37あります。民法の買戻し・組合・信義則、宅建業法の犯罪収益移転防止法などです。直近10回より前の30回で一度も主にならず、直近10回で初めて主になった論点もあります(不在者・失踪宣告、配偶者居住権、建物状況調査、犯罪収益移転防止法など)。配偶者居住権や建物状況調査のように、制度ができたり法改正で説明事項に加わったりしたあとに出始めたものもあります。改正や新しい制度が何回目の試験で出たかは、宅建の法改正はいつの試験から出るかで数えています。

注意したいのは、「直近10回で主は0回」でも、問の中に出ていないとは限らないことです。全40回で主が4問以上あるのに直近10回で主が0だった論点を、副の数と並べます。

論点全40回の主直近10回の主直近10回の副
用途制限(用途地域)15問0問6問
その他の法令(許可権者)14問0問0問
建築確認12問0問2問
建蔽率・容積率9問0問3問
都市計画法(都市計画制限・事業)8問0問1問
根抵当権6問0問0問
8種制限・自己の所有に属しない物件6問0問2問
防火地域・準防火地域6問0問2問
贈与税5問0問0問
都市計画区域・区域区分5問0問0問
8種制限・担保責任の特約5問0問1問

用途制限や建蔽率・容積率は、昔は単独の1問として出ていましたが、いまは建築基準法の2問の中の肢として出ています。主な論点の数だけで「出ない」と決めると、こうした論点を見落とします。

副の論点で見ないと見落とすもの

直近10回で、副の論点として3問以上に混ざっていたものです(判決文問題と、論点をまたいで付けた「第三者」の印は除いています)。主の数と並べると、問の中でどれだけ顔を出しているかが分かります。

事務所・案内所等は、主では直近10回で2問ですが、副では7問に混ざっています。建物状況調査も主は1問、副は6問です。事務所・案内所等は宅建業法(総合)や宅建士の問の中で、建物状況調査は主に35条書面の問の中で、肢として出ています。このほか、権利関係では判決文を読ませる問が直近10回で7問ありました(読み方は判決文問題の解き方で扱っています)。

この数字は、勉強にどう使うか

数字から言えることは、「どこで毎回1問が出ているか」と「どこは出たり出なかったりするか」です。宅建試験は50問・四肢択一式で、合格基準点は「50問中◯点」の形で示されます(令和7年度は50問中33点)。どの問の1点も同じ1点です。指定席の21論点は、直近10回では毎回そこに1問(35条書面などは2問以上)がありました。ここを先に固めると、毎回の点の土台になります。

一方で、回数の多さは易しさとは別です。直近10回の35条書面29問のうち8問は個数問題(正しいものがいくつあるかを答える形)で、4つの肢をすべて判定できないと点になりません。

数回に1回の論点は、出ない回もあるので、覚えたことを試験の日まで保つ工夫が要ります。間をあけて繰り返す復習(復習の間隔の決め方)と、読み返すより思い出す練習(思い出すほうが覚える)を組み合わせると、覚えたことが残りやすいという研究があります。数十年に1回の論点は、基本を押さえたら深追いしない、という扱いが合います(捨てていい所・捨てないほうがいい所)。

指定席の論点の○✕は、宅建の5分○✕ドリルで続けて解けます。

分野ごと・年度ごとの詳しい傾向

分野ごとの細かい数、年度ごとの問1〜問50の論点、同じ集計を別の切り口で数えた結果は、次の記事にまとめています。

記事分かること
宅建業法の出題傾向20問の論点別の数、個数問題の多さ
権利関係の出題傾向問11〜14の指定席と、問1〜10の民法
法令上の制限の出題傾向8問の並びと、建築基準法2問の中身
税・その他の出題傾向問23〜25の出方と、問46〜50
出題はこの10年でどう変わったか分野の問数が同じ平成21〜29年度と直近10回の比べ
問題番号と分野問1〜問50の並びと、分野の問数が変わった時期
問いの形の割合「正しいもの」「誤っているもの」「いくつあるか」の分野ごとの数
前の回に出た論点は次も出るか前の回に出た論点が次の回にも出た割合
法改正はいつの試験から出るか改正や新しい制度が最初に出た回
令和7年度の論点一覧全50問の論点と問いの形
令和6年度の論点一覧同上
令和5年度の論点一覧同上
令和4年度の論点一覧同上
令和3年度(12月試験)の論点一覧同上
令和3年度(10月試験)の論点一覧同上
令和2年度(12月試験)の論点一覧同上
令和2年度(10月試験)の論点一覧同上
令和元年度の論点一覧同上
平成30年度の論点一覧同上

今日からやること

  • 指定席の21論点の表を見て、自分の教材のどの章に当たるかを確かめる。
  • 直近10回で4回以上の論点のうち、まだ手を付けていないものを書き出す。
  • 主では0回でも副で出ている論点(用途制限・道路など)は、建築基準法の問の一部として勉強の計画に入れる。
  • 数十年に1回の論点は、教材の基本の説明だけ読んで先へ進む。

参考にした公式の情報(2026年10月確認)

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