宅建の税・その他の勉強法:捨てていいか、税2問・価格1問・免除科目5問の取り方

宅建の「税・その他」は、令和3年度(10月)の問題で当サイトが確かめた並びでは、税2問・価格の評定1問(問23〜問25)と、免除科目5問(問46〜問50)の計8問でした。免除科目が問46〜問50の5問であることは機構の案内から分かりますが、税と価格の問数は公式の内訳ではなく、年度で変わりうる数です。

捨てていいかの答えは、丸ごとは捨てないです。目標を50問中38点にすると、落としてよいのは12問です。8問を全部落とすと、残りの42問で落とせるのは4問だけになります。そのかわり、深くもやりません。1問ごとに「これが出たら取る」という最低限の中身を決め、時間の上限を先に決めて回します。登録講習を終えて5問免除を使う人は、問46〜問50は解かなくてよく、税と価格の3問だけが残ります。

税・その他は何問で、何が出るのか

範囲は、宅地建物取引業法施行規則8条の4号(税)・6号(価格の評定)と、免除の対象になる1号(土地・建物の性質)・5号(需給に関する法令と実務)です。宅建試験の得点戦略の記事では、4号・6号を「税・価格」、1号・5号を「免除科目」と分けて呼んでいます。この記事の「税・その他」は、その2つを合わせたものです。分野ごとの問題数は公式に発表されていないので、機構(不動産適正取引推進機構)の公開している令和3年度(10月)の問題冊子で、各問の中身を当サイトが確かめました。

問分野令和3年度(10月)の中身
問23国税所得税(譲渡所得)
問24地方税不動産取得税
問25価格の評定不動産鑑定評価基準
問46免除科目住宅金融支援機構
問47免除科目不動産の表示(景品表示法と表示規約)
問48〜問50免除科目当サイトでは未確認

問48〜問50は、当サイトでは問題冊子で中身を確かめていません。1号と5号の言葉からは、土地・建物の性質と、需給(統計など)にあたる問題になります。下の「免除科目の5問」の見出しでは、この号の言葉にそって、統計と土地・建物の最低限のセットを示します。

勉強のしかたは2つに分かれます。国税には印紙税・登録免許税・所得税(不動産を売ったときの税)などがあり、どの税目が出るかは公式に決まっていません。令和3年度(10月)は所得税でしたが、次の年も同じとは言えません。ですから国税は、税目ごとに浅く広く。一方、地方税(不動産取得税・固定資産税)、価格の評定(地価公示・不動産鑑定評価)、免除科目は、それぞれ扱う中身の幅が限られます。こちらは範囲を絞って深めに。この分け方が、この記事の勉強のしかたの土台です。

捨てていいかは、どう決めるか

どの分野の1問も、合計点の中では同じ1点です。捨てるかどうかは「時間あたりで点にしやすいか」で決まります。どこを深追いせず、どこを残すかの全体の整理は宅建試験で捨ててもいい所・捨てないほうがいい所にまとめています。この記事では、残すと決めた8問を、どう少ない読書量で点にするかに絞ります。

計算で見ておきます。宅建試験の得点戦略の「宅建業法で稼ぐ型」では、税・価格で落としてよいのは1問、免除科目で1問です。8問中6問を取る計画です。これを「税・その他は全部捨てる」に変えると、宅建業法・権利関係・法令上の制限の42問で、落とせるのは4問だけになります。同じ型でも、権利関係だけで6問の失点を見込んでいます。捨てたぶんの時間を宅建業法に回しても、この差は埋まりません。

そこで、当サイトは次のように決めることをすすめます。

  • 1問ごとに「最低限のセット」を決める:これだけは言える、という中身を1問につき数行で決めます(次の見出しで示します)。
  • 時間の上限を先に決める:当サイトの目安は、1周目で税・価格の3問に休日2回分、免除科目の5問に休日1〜2回分です。教材の章の量で調整します。上限を決めておかないと、税の特例の細かい数字に時間を取られ、宅建業法の復習が空きます。
  • 最低限のセットを超えた知識は追わない:問題集で知らない細部が出てきても、それが最低限のセットに入らないなら、印だけ付けて先に進みます。

税の2問は、どう勉強するか

地方税:2つの税を同じ枠の表で覚える

地方税で押さえる中心は、不動産取得税と固定資産税です(令和3年度(10月)は不動産取得税でした)。この2つは「だれが課すか」「だれにかかるか」「いつの時点か」「税率」「免税点」「住宅の特例」という同じ項目で比べられます。白紙に次の枠を書き、教材を閉じて埋めます。答えは不動産の税金をわかりやすくで確かめます。

項目不動産取得税固定資産税
だれが課すか(埋める)(埋める)
だれにかかるか・いつか(埋める)(埋める)
標準税率(埋める)(埋める)
免税点(埋める)(埋める)
住宅・住宅用地の特例(埋める)(埋める)

2つを別々に覚えると、「1月1日の所有者」「取得したとき1回」のような特徴が入れ替わった肢を見分けられません。同じ行に並べて埋めることで、ちがいそのものを覚えます。表を自分で埋めるやり方と、その理由は法令上の制限の勉強法と覚え方で説明しています。

気をつけたいのは、教材の版です。たとえば不動産取得税の免税点は、令和8年4月1日施行の改正で上がりました。e-Gov法令検索で令和8年4月1日時点の地方税法73条の15の2第1項を見ると、土地の取得は「十六万円」、家屋の建築は一戸につき「六十六万円」、そのほかの家屋の取得は一戸につき「三十四万円」です。令和8年度の試験はこの日に施行されている法令から出るので、改正前の数字で覚えた教材のままだと、正しい肢を誤りと判断してしまいます。

国税:税目ごとに「何にかかるか」と特例の要件の違いだけ

国税は、どの税目が出るか決まっていないので、1つの税目を深くやるほど外れたときの損が大きくなります。税目ごとに、最低限のセットを3行で決めます。

  • 印紙税:どの文書にかかり、どの文書にかからないか。記載金額の決まり方(交換・贈与など)。だれが納めるか。
  • 登録免許税:何を基準に計算するか。住宅用家屋の税率の軽減を受けるための条件。
  • 所得税(不動産を売ったとき):長期と短期の分かれ目。自宅を売ったときの特例どうしで、所有期間の条件があるか、いっしょに使えるか。

所得税の特例は、似た名前の特例が並び、要件の数字が少しずつちがいます。ここも「特例×(所有期間・居住・いっしょに使えるか)」の枠を白紙に書いて埋めると、入れ替えに強くなります。中身は不動産を売ったときの税金をわかりやすくと印紙税と登録免許税をわかりやすくで確かめてください。税の特例には適用期限があり、期限が延びたり数字が変わったりします。期限まで一緒に言えるかを、白紙の枠で試します。

価格の評定の1問は、どう勉強するか

価格の評定(6号)で押さえるのは、地価公示と不動産鑑定評価です。令和3年度(10月)は不動産鑑定評価基準の問題でしたが、どちらが出ても対応できるように、2つとも「流れ」と「区別」で覚えます。

  • 地価公示は流れを書けるか:地価公示法2条1項は、土地鑑定委員会が、標準地について「毎年一回」「二人以上の不動産鑑定士の鑑定評価」を求め、審査・調整して「正常な価格」を判定し、公示する、という流れです。だれが(土地鑑定委員会)、何人で(2人以上)、何を(正常な価格)を、白紙に矢印で書けるかで確かめます。
  • 鑑定評価は3つの手法と、求める価格の名前の組み合わせ:どの手法で、何という名前の価格を求めるかを、表の枠で埋めます。

答えは地価公示と不動産鑑定評価をわかりやすくで確かめます。鑑定評価は言葉の定義が長いので、定義の文を丸ごと覚えようとせず、「何と何を比べるか」「何から逆算するか」と一言で言える形にします。

免除科目の5問は、どう勉強するか

5問はそれぞれ中身がちがうので、1問ずつ「1章を読む→問題で確かめる→理由が言えなかった肢だけ戻る」を1回ずつ回します。最低限のセットは次のとおりです。

問最低限のセット確かめる記事
住宅金融支援機構直接お金を貸す業務と、民間の住宅ローンを支える業務の線引き住宅金融支援機構
不動産の表示徒歩の分数・「新築」の意味・おとり広告の型景品表示法と表示のルール
統計その年度に公表された値を、別に確かめる国土交通省などの公表資料
土地・建物地形と災害の関係、建物の構造の基本土地と建物の基礎知識

不動産の表示は、宅建業法の広告のルール(誇大広告の禁止など)と同じ「広告」の場面です。2つを混ぜて覚えないよう、どちらの決まりかを肢ごとに言えるようにします。

土地・建物は、「なぜそうなるか」で覚えます。たとえば、まわりより低い土地は水がたまりやすい、という理由で覚えておけば、初めて見る言い回しの肢でも判断できます。言葉だけを覚えると、少し言い換えられただけで分からなくなります。

登録講習を終えて5問免除を使う人は、この見出しの5問は勉強しなくてかまいません。免除の条件と期限は5問免除(登録講習)の記事で確かめてください。免除を使わない人は、問46〜問50を最後の週まで残さず、早めに1回通しておきます。

いつやるか:時期と、古い過去問の扱い

税・その他は、宅建業法・権利関係・法令上の制限を一通り終えたあとに、まとめて1周するのが当サイトのすすめる順です。ただし、試験の直前にはじめて読むのは避けます。1周目は、本番と同じ2時間の通し練習を始める前(当サイトの勉強スケジュールでは試験の2か月前ごろ)までに終え、直前の1か月は白紙の枠を埋め直すだけにします。一度で覚えきろうとせず、間をあけて2回、3回と埋め直すほうが残ります(復習の間隔の決め方)。

過去問は、「何が聞かれるか」をつかむために使います。税の特例の数字や期限は、年度によって変わります。機構も過去問のページで「法改正により、現在の法律と一致しない場合があります」と注意しています。古い過去問の正解をそのまま覚えず、答えの理由は令和8年4月1日時点の条文で確かめます。

試験まで1週間ほどしかない人は

新しい教材は増やさず、次の2つにしぼります(直前期の配分の考え方は直前1か月の復習の配分へ)。

  1. 不動産取得税と固定資産税の枠を、白紙で1枚埋める。
  2. 免除科目のうち、住宅金融支援機構・不動産の表示・土地・建物の問題を、手元の問題集で肢ごとに理由を言いながら解く(統計は、その年度の数字を確かめるだけにする)。

今日からやること

  • 税・価格の3問と免除科目の5問に、1周目の時間の上限(休日何回分か)を書き込む。
  • 白紙に「不動産取得税×固定資産税」の枠を書き、教材を閉じて埋める。
  • 教材の版を見て、不動産取得税の免税点が令和8年4月1日施行の改正後の数字になっているかを確かめる。
  • 国税は、印紙税・登録免許税・所得税の最低限のセットを3行ずつ書き出し、それ以上は追わないと決める。

このサイトで次に読むなら、不動産の税金をわかりやすくがおすすめです。地方税の枠の答え合わせにそのまま使え、不動産取得税と固定資産税の違いを固められます。免除科目を使えるかどうか迷っている人は、5問免除(登録講習)の記事で条件を確かめてください。

参考にした公式の情報(2026年10月確認)