この記事は、令和3年度(10月試験)の宅建試験について、50問それぞれが何の論点を、どんな形で聞いていたかをまとめた「論点の地図」です。問題文・選択肢・正解の番号は載せていません。
問題と正解は、不動産適正取引推進機構の公式サイトで公開されています(不動産適正取引推進機構のトップから「宅建試験」→「宅建試験の問題及び正解番号表」。令和3年度(10月試験)のPDFはこちら)。過去問を解いたあとに、どの論点の記事で復習すればよいかを探す、という使い方を想定しています。
令和3年度は、試験が10月と12月の2回に分けて行われ、問題も別でした(機構の過去問のページでも、10月試験と12月試験のPDFが分かれています)。機構の試験実施概況によると、受験者数は10月試験が209,749人、12月試験が24,965人で、合格基準点はどちらも34点です。この記事は10月試験の一覧です。
この回の特徴(数えた事実)
- 分野ごとの問数は、権利関係14問・法令上の制限8問・税・その他8問・宅建業法20問でした(当サイトの数え方。公式の内訳ではありません)。
- 問いの形は、正しいものを選ぶ形が27問、誤っているものを選ぶ形が16問、個数問題が6問、その他の形が1問でした。
- 個数問題6問のうち5問が宅建業法、1問が権利関係でした。
- 同じ論点が2問以上出たのは、35条書面(4問)、建築基準法(総合)(2問)、宅建士(登録・宅建士証)(2問)、宅建業法(総合)(2問)です。
- 当サイトの分け方で、全40回の中でこの回に初めて主な論点になったのは、配偶者居住権です。
- 35条書面(重要事項説明)は、主な論点として4問(問26・問33・問36・問37)出ました。直近10回で4問は、令和4年度と並んで最も多い数です。
- 合格基準点は50問中34点でした(機構の試験実施概況。合格点の推移は宅建試験の合格点と合格率)。
表の※は、直近10回(令和7年度〜平成30年度)の中で、主な論点としてこの回だけに出た論点です。直近10回は、令和7年度から平成30年度までの10回です(令和2年度と令和3年度は10月と12月の2回ずつ試験があったので、それぞれ2回と数えています)。
この回の50問を、直近10回の出方で分けると
この回の50問を、その論点が直近10回(この回を含む)で何回、主な論点として出たかで分けました。
| 直近10回で出た回 | この回の問数 |
|---|---|
| 10回(指定席) | 25問 |
| 4〜9回 | 17問 |
| 1〜3回 | 8問 |
指定席の論点だけで25問、4回以上まで広げると42問でした。1〜3回の論点の8問は、問2、問3、問4、問6、問8、問10、問15、問23で、このうち6問が問2〜問10の民法など、残りが問15(地区計画)と問23(譲渡所得)でした。
この一覧は、どうやって作ったか
不動産適正取引推進機構が公開している宅建試験の問題(昭和63年度〜令和7年度の40回、2,000問)を、当サイトが1問ずつ読み、主な論点と副の論点に分けて数えました。分け方は当サイトの判断で、公式の分類ではありません。4回分200問を別の担当が読み直し、主な論点の一致は97.5%でした(食い違った問は直してから数えています)。
「主な論点」は、その問が全体として何を聞いているかで1つだけ決めたものです。「副の論点」は、1問の中に別の論点の肢が混ざっているときに、最大2つまで記録したものです。数えたのは問ごとの論点で、1問の中の4つの肢を1つずつ数えてはいません。表の「中に」の後ろは、副の論点です。問いの形は、問題の最後の聞き方で分けました。「違反しないもの」は正しいもの、「最も不適当なもの」は誤っているもの、「〜はいくつあるか」は個数、「〜の組合せ」「全て掲げたもの」は組合せに入れ、4つのどれにも当たらない聞き方は「その他」にしています。論点の名前は当サイトの記事の分け方で、リンク先はその論点を扱う記事です。
権利関係(問1〜問14)
問4の配偶者居住権は、当サイトの集計で全40回の中でこの回に初めて主な論点になりました。配偶者居住権は、令和2年4月1日に施行された民法の改正で新しくできた権利で、施行のあと2つ目の年度で主な論点になったことになります。令和5年度にも主な論点として出ています(配偶者居住権の記事)。問1は賃貸借で、判決文を読ませる形でした。主な論点として久しぶりだったのは、問2の連帯債務と問3の民法の横断(どちらも平成29年度以来)、問10の債権総論のその他の論点(平成23年度以来)です。問3は個数問題でした。
法令上の制限(問15〜問22)
問15の地区計画は、直近10回でこの回だけに主な論点として出たもので、主な論点としては平成10年度以来でした(地区計画の記事)。ほかの7問は、直近10回の並びどおりです。問19は当時の名前の宅地造成等規制法です。
税・その他(問23〜問25・問46〜問50)
問23は所得税(譲渡所得)、問24は不動産取得税、問25は不動産鑑定評価でした。同じ年度の12月試験とは、3問とも論点が違います。問46〜問50は、いつもの5分野でした。
宅建業法(問26〜問45)
| 問 | 主な論点 | 問いの形 |
|---|---|---|
| 問26 | 35条書面(重要事項説明) | 正しいもの |
| 問27 | 欠格事由(中に免許) | 正しいもの |
| 問28 | 宅建士(登録・宅建士証) | 正しいもの |
| 問29 | 帳簿・従業者名簿・従業者証明書(中に事務所・案内所等) | 正しいもの |
| 問30 | 広告 | 個数 |
| 問31 | 保証協会 | 誤っているもの |
| 問32 | 宅建業の定義(免許の要否) | 正しいもの |
| 問33 | 35条書面(重要事項説明) | 正しいもの |
| 問34 | 営業保証金 | 正しいもの |
| 問35 | 宅建士(登録・宅建士証) | 個数 |
| 問36 | 35条書面(重要事項説明) | その他 |
| 問37 | 35条書面(重要事項説明)(中に37条書面) | 正しいもの |
| 問38 | 媒介契約(中に業者間取引) | 個数 |
| 問39 | 8種制限・クーリング・オフ | 正しいもの |
| 問40 | 宅建業法(総合)(中に帳簿・従業者名簿・事務所・案内所等) | 正しいもの |
| 問41 | 宅建業法(総合)(中に37条書面) | 個数 |
| 問42 | 8種制限(総合)(中に割賦販売) | 正しいもの |
| 問43 | 業務上の規制 | 個数 |
| 問44 | 報酬 | 正しいもの |
| 問45 | 住宅瑕疵担保履行法 | 正しいもの |
35条書面(重要事項説明)が主な論点で4問あり、問37には37条書面の肢も混ざっていました。問36は、4つの形のどれにも当たらない聞き方の問で、「その他」に入れています。個数問題は5問(問30・問35・問38・問41・問43)です。誤っているものを選ぶ形は、宅建業法の20問の中で問31の1問だけでした(重要事項説明の記事)。
同じ年度の12月試験・前の年度の10月試験と比べて
| 項目 | 令和3(10月) | 令和3(12月) | 令和2(10月) |
|---|---|---|---|
| 個数問題 | 6問 | 5問 | 4問 |
| うち宅建業法 | 5問 | 5問 | 4問 |
| 組合せ | 0問 | 1問 | 0問 |
| 誤っているもの | 16問 | 18問 | 13問 |
| 正しいもの | 27問 | 25問 | 32問 |
同じ年度の12月試験とは、問いの形の数に大きな差はありませんでした。前の年度の10月試験と比べると、正しいものを選ぶ形が32問から27問に減り、個数問題が4問から6問に増えています。12月試験と論点を並べた表は令和3年度(12月試験)の論点一覧に載せました。
この一覧の使い方
過去問を1回分解いたら、間違えた問の番号をこの表で引き、論点の記事で条文と考え方を確かめます。同じ論点で間違いが続くなら、その論点はほかの年の問でも当たっておきます。年ごとの一覧は、令和7年度から平成30年度までの10回分を作っています(ひとつ前の回は令和2年度12月の一覧、ひとつ後の回は令和3年度12月の一覧)。
1回分だけの並びでは、どの論点が毎回出るのかは分かりません。全40回・直近10回で数えた結果は、宅建の出題論点ランキングにまとめています。法改正でできた制度が何回目の試験で出たかは、宅建の法改正はいつの試験から出るかで数えています。この回の論点を○✕で続けて確かめたいときは、宅建の5分○✕ドリルが使えます。
参考にした公式の情報(2026年10月確認)
- 一般財団法人 不動産適正取引推進機構(宅建試験の実施機関)
- 同「宅建試験の問題及び正解番号表」(昭和63年度〜令和7年度の問題と正解番号表のPDF。当サイトの集計の出典)
- 同「試験概要」(50問・四肢択一式、出題の根拠は試験を行う年度の4月1日現在施行の法令)
- 同「試験実施概況(令和7年度以前10年間)」(受験者数・合格基準点)
- 同「令和3年度 10月試験 試験問題と正解番号表」(この一覧の元の問題)
働く人の法律試験ノート