宅建業法の勉強法:20問でどこまで取るか、問題の型と比べて覚える表

宅建業法は、令和3年度(10月)の問題で当サイトが確かめた並びでは、問26〜問45の20問でした。公式の内訳ではなく、年度で変わりうる数です。当サイトの得点戦略の中心の型では、宅建業法で落としてよいのは2問、つまり20問中18問が目標です。

18問を取るには、捨てる単元を作れません。勉強のしかたは3つに絞ります。①取引の流れの順に単元を回す。②選択肢を「数字・誰が・いつ・書面の種類」の4つの型で読み、○✕の理由を条文の言葉で言えるようにする。③35条書面と37条書面のような似た制度を、表で比べて混ぜて解く。

この記事では、出題の型とひっかけの型をオリジナルの○✕7問で示し、1週間の回し方まで具体的に書きます。条文は e-Gov 法令検索の2026年4月1日時点の条文で確かめています。

宅建業法は、20問のうち何問取ればよいか

宅建試験の分野ごとの問題数は、機構(一般財団法人 不動産適正取引推進機構)から公式に発表されていません。そこで当サイトは、機構が公開している令和3年度(10月)の問題冊子で、各問がどの法律の問題かを確かめました。分け方は宅建試験の得点戦略と同じく、宅地建物取引業法施行規則8条の号です。七号(宅建業法と関係法令)にあたるのは問26〜問45の20問で、問44が報酬、最後の問45は、新築住宅を売る業者などにお金の備え(資力の確保)を義務づける住宅瑕疵担保履行法の問題でした。公式の内訳ではなく、年度で変わりうる並びなので、目安として使ってください。

得点戦略の型ごとに、宅建業法の目標を並べると次のとおりです(合計の目標は50問中38点、5問免除の人は45問中33点)。

得点戦略の型業法で落としてよい問数業法の目標
宅建業法で稼ぐ型2問18問
権利関係も取る型3問17問
権利関係を基本にとどめる型2問18問
5問免除の人の型2問18問

宅建業法で多く取る計画にするのは、宅建業法16条2項が「試験は、宅地建物取引業に関して、必要な知識について行う。」と定める試験の中心の分野で、しかも一つの法律に決まりが具体的にまとまっているからです。「何日以内」「誰が」「書面で」といった条文の言葉が、そのまま選択肢の正誤の決め手になります。

18問は9割です。2問しか落とせないので、「この単元は捨てる」と決める余地はありません。どの単元から何問出るかも公式には決まっていません。落とす2問は自分では選べず、本番で迷った問題がそれになる、と考えておきます。ほかの分野で何を深追いしないかは宅建試験で捨ててもいい所・捨てないほうがいい所で整理しています。

宅建業法の問題は、どんな型で問われるか

宅建業法の選択肢を読むときは、正誤が次の4つのどこで分かれるかを見ます。

型見る所例
数字期間・金額・割合8日、2週間、10分の2
誰が業者か宅建士か、売主か買主か重要事項を説明するのは宅建士
いつ契約の前か後か、何日以内か37条書面は契約成立後、遅滞なく
書面の種類どの書面を、誰に渡すか35条書面・37条書面・媒介契約の書面

選択肢を読むときは、その文がこの4つのどれを問うているかに印を付けてから、条文の言葉と比べます。こうしておくと、まちがえたときに「数字を取り違えた」「誰がをすり替えられた」と、原因を型で記録できます。記録は1行で足ります(書き方は間違いノートは作りすぎない)。何回か解いて、同じ型でばかり落としているなら、そこがその人の弱点です。

もう一つ、どの型にも重なる見方があります。「相手が宅建業者かどうか」で結論が変わる規定があることです。これはひっかけの型の見出しで扱います。

どの順番で単元を回せばよいか

宅建業法の単元は、取引の流れの順に回します。前の単元に出てきた人や書面が、次の単元の主語になるからです。たとえば重要事項の説明は「宅建士」がする決まりなので、宅建士の登録と宅建士証を先に読んでおくと、主語をすり替えた選択肢に気づけます。

流れ単元(このサイトの記事)よく分かれ目になる型
業者になる免許、欠格事由、事務所と案内所誰の免許か、期間
宅建士登録と宅建士証誰が(業者か宅建士か)
お金を預ける営業保証金と保証協会数字、いつまでに
仕事を受ける広告のルール、媒介契約いつ、書面
説明と契約重要事項説明、37条書面誰が、いつ、書面
業者が売主クーリング・オフ、8種制限、手付金等の保全措置、住宅瑕疵担保履行法数字、相手が業者か
お金と違反報酬の上限、禁止される行為、監督処分と罰則数字、誰が

1日に新しく入れるのは1単元までにします。読んだら本を閉じて「誰が・いつ・どの書面・何日」を書き出し、その単元の過去問を解きます。読み返すより、本を閉じて思い出すほうが、時間がたっても残りやすいからです。

似た制度は、どう比べて覚えるか

宅建業法には、名前も中身も似ていて、入れ替えて出されやすい組があります。次の3つの組は、表の形で覚えます。

重要事項説明(35条)と37条書面

比べる所重要事項説明(35条)37条書面
いつ契約が成立するまで契約が成立したら遅滞なく
誰に買う人・借りる人など契約の当事者
説明宅建士が説明(宅建士証を示す)説明の定めはない
宅建士の記名いるいる
相手が宅建業者説明はいらない。交付はいる交付はいる

宅建業法35条1項は、契約が成立するまでの間に、宅建士に書面を交付して説明をさせることを求め、4項で宅建士証の提示、5項で宅建士の記名を定めています。相手方が宅建業者の場合は、6項の読み替えで「交付して説明をさせなければ」が「交付しなければ」になり、説明がいらなくなります。それでも書面の交付と、宅建士の記名(7項)は残ります。37条は、契約が成立したとき「遅滞なく」書面を交付させる決まりで、3項で宅建士に記名させます。条文に説明の定めはありません。

営業保証金と保証協会

比べる所営業保証金保証協会(分担金)
業者が出す額主たる事務所1,000万円、ほかの事務所ごとに500万円主たる事務所60万円、ほかの事務所ごとに30万円
出す先主たる事務所のもよりの供託所に供託保証協会に納付(協会が1週間以内に供託)
いつまでに供託して届け出てから事業を始める加入しようとする日まで
還付で足りなくなったら通知書の送付を受けた日から2週間以内に供託通知を受けた日から2週間以内に還付充当金を納付

根拠は、営業保証金が宅建業法25条1項・2項・4項・5項、宅建業法施行令2条の4、28条1項と宅地建物取引業者営業保証金規則5条、保証協会が宅建業法64条の7・64条の9・64条の10と施行令7条です。「1週間」は協会が供託する期間、「2週間」は業者が不足を埋める期間です。この2つの入れ替えは、あとのひっかけの型で扱います。

一般・専任・専属専任の媒介契約

比べる所一般専任専属専任
有効期間法律の上限なし3か月まで3か月まで
処理状況の報告定めなし2週間に1回以上1週間に1回以上
指定流通機構への登録義務なし7日以内5日以内

宅建業法34条の2の3項(有効期間)、5項と施行規則15条の10(登録の期間。休業日は数えません)、9項(報告)によります。なお、売買や交換の申込みがあったときに遅滞なく依頼者へ報告する決まり(8項)は、一般媒介を含むすべての媒介契約にかかります。

表は作って終わりにせず、列を一つ隠して、隠したマスを言えるかで確かめます。言えなかったマスだけ条文に戻ります。表の両側を交互に問う問題を続けて解くと、どちらの決まりかを見分ける練習になります(混ぜて解く)。

間違えやすいひっかけの型は何か

ここからは、ひっかけの型ごとのオリジナル問題です。どれも「(このサイトのオリジナル問題)」で、過去問を下敷きにしていません。答えを見る前に、○か✕かと、その理由を一言で言ってみてください。

主語のすり替え:宅建士か、業者か

問1(このサイトのオリジナル問題):「宅建業者は、重要事項の説明を、事務所に置かれた専任の宅建士にさせなければならない。」

答えは✕です。35条1項は「宅地建物取引士をして」説明をさせるとしているだけで、専任であることは求めていません。専任の宅建士は、事務所などごとに置かなければならない人数の決まり(31条の3)で、説明する人の条件とは別の話です。

時期のすり替え:契約の前か、後か

問2(このサイトのオリジナル問題):「37条書面は、売買契約が成立するまでに、買主に交付しなければならない。」

答えは✕です。37条1項は、契約が成立したときに「遅滞なく」交付するとしています。契約の前に交付して説明するのは35条の重要事項説明書です。

相手が宅建業者のときだけ変わる規定

問3(このサイトのオリジナル問題):「買主が宅建業者であれば、売主側の宅建業者は、重要事項説明書の交付もしなくてよい。」

答えは✕です。35条6項の読み替えで、説明はいらなくなりますが、書面の交付はいります。

問4(このサイトのオリジナル問題):「売主も買主も宅建業者である宅地の売買で、売主の業者が代金の10分の2を超える手付を受け取ることは、宅建業法上できる。」

答えは○です。手付の額の制限(39条)は8種制限の一つで、78条2項により宅建業者どうしの取引には適用されません。問3と問4は、同じ「相手が業者」の問題でも、35条(説明だけがいらなくなる)と8種制限(決まりそのものがかからない)で結論が分かれる組です。続けて解くと違いが残ります。

数字の起算点と、似た数字の入れ替え

問5(このサイトのオリジナル問題):「業者が売主の宅地の売買で、喫茶店で買受けの申込みをした買主(宅建業者ではない)は、契約を結んだ日から8日を過ぎると、クーリング・オフができなくなる。」

答えは✕です。37条の2第1項1号の8日は、クーリング・オフができることとその方法を「告げられた日から起算して」数えます。告げるときは書面を交付することが求められています(施行規則16条の6)。契約を結んだ日からではありません。告げられていなければ、引渡しを受けて代金を全部払うまで(2号)はできます。

問6(このサイトのオリジナル問題):「保証協会から還付充当金を納めるよう通知を受けた社員は、通知を受けた日から1週間以内に納めなければならない。」

答えは✕です。64条の10第2項で、2週間以内です。1週間は、協会が分担金を受け取ってから弁済業務保証金を供託するまでの期間(64条の7第1項)です。

「無効」と「その期間に直す」の入れ替え

問7(このサイトのオリジナル問題):「専任媒介契約で有効期間を6か月と定めた場合、その専任媒介契約は無効となる。」

答えは✕です。34条の2第3項は、3か月より長い期間を定めたときは「その期間は、三月とする」としています。契約が無効になるのではなく、期間が3か月に直されます。

まちがえた問題は、型の名前(主語・時期・業者間・起算点・効果)と一緒に1行で記録しておくと、次に同じ形が出たときに気づけます。

1週間でどう回すか

宅建業法を始めた時期の、働く人の1週間の例です。机の時間で新しく入れ、すき間で思い出し、休日に混ぜて解き直します。間をあけて解き直すことと、似た問題を混ぜて解くことは、学習の研究で効果が確かめられてきたやり方です(くわしくは間をあけて繰り返す復習)。

曜日時間やること
月・水・金平日の机の時間新しい単元を1つ読み、書き出してから、その単元の過去問を解く
火・木通勤・昼休み前の日の単元を○✕で思い出す。比べる表の列を隠して言う
土休日その週の単元を混ぜて解く。✕と△の肢の根拠を条文で確かめる
日休日前の週までの単元から解き直す。翌週の単元と解き直しの日を決める

宅建業法の単元を一通り終えたら、年度別の過去問から宅建業法の問題だけを取り出し(令和3年度(10月)なら問26〜問45)、時間を計って解く練習を足します。本番の割合(50問で2時間)に直すと、20問で48分ほどです。法改正で今の条文と合わなくなった問題もあるので、古い年度を使うときの注意は宅建の過去問を見てください。

権利関係などの次の分野に入ったあとも、宅建業法は週1回の解き直しの枠として残します。すき間の○✕を週に2回、休日に1年分の宅建業法の問題を1回、が一つの形です。すき間の○✕に使う問題が手元にないときは、このサイトの宅建の5分○✕ドリル(オリジナルの肢で1回10問)も使えます。結果を得点戦略の「落としてよい問数」(2問か3問)と比べ、はみ出したら翌週はその型の単元に時間を回します。

今日からやること

  • 得点戦略の型から、宅建業法の目標(20問中18問か17問)を決めて書く。
  • 使っている問題集の宅建業法の章を、取引の流れの順に並べ、1日1単元の予定を立てる。
  • 次に解く問題から、選択肢ごとに4つの型(数字・誰が・いつ・書面)のどれかを書き込む。
  • 35条書面と37条書面、営業保証金と保証協会の表を、列を隠して言えるか試す。言えなかったマスだけ条文で確かめる。
  • 10月18日の試験まで1週間ほどの人は、新しい問題集を増やさず、比べる表と、これまでの✕と△の肢に絞る。

このサイトで次に読むなら、宅建で覚える数字の一覧がおすすめです。この記事の表に入れなかった宅建業法の期間・金額を、隠して言える形で並べています。宅建業法のあとに進む分野の順番とやり方は、宅建の勉強法で全体を見渡せます。

参考にした公式の情報・研究(2026年10月確認)

  • e-Gov法令検索(2026年4月1日時点の条文):宅地建物取引業法 16条、25条、28条、31条の3、34条の2、35条、37条、37条の2、39条、64条の7、64条の9、64条の10、78条
  • e-Gov法令検索:宅地建物取引業法施行令 2条の4・7条、宅地建物取引業法施行規則 8条・15条の10・16条の6、宅地建物取引業者営業保証金規則 5条
  • 不動産適正取引推進機構「宅建試験の問題及び正解番号表」(並びを確かめた令和3年度10月試験の問題。分野の分け方は当サイトによるもので、公式の内訳ではない)、「試験概要」(50問・2時間、出題の範囲)
  • Cepeda, N. J., Pashler, H., Vul, E., Wixted, J. T., & Rohrer, D. (2006). Distributed practice in verbal recall tasks: A review and quantitative synthesis. Psychological Bulletin, 132(3), 354–380.(DOI)
  • Rohrer, D., & Taylor, K. (2007). The shuffling of mathematics problems improves learning. Instructional Science, 35(6), 481–498.(DOI)