この記事は、平成29年度の宅建試験について、50問それぞれが何の論点を、どんな形で聞いていたかをまとめた「論点の地図」です。問題文・選択肢・正解の番号は載せていません。
問題と正解は、不動産適正取引推進機構の公式サイトで公開されています(不動産適正取引推進機構のトップから「宅建試験」→「宅建試験の問題及び正解番号表」。平成29年度のPDFはこちら)。過去問を解いたあとに、どの論点の記事で復習すればよいかを探す、という使い方を想定しています。
平成29年度は、直近10回(令和7年度〜平成30年度)のひとつ前の回です。法令上の制限の8問は、問15が農地法、問22が許可権者を聞く問(その他の法令)で、今の並び(問15が都市計画法、問22が国土利用計画法)と違います。問題番号と分野の並びの全体は、宅建の問題番号と分野にまとめています。
この回の問題は、試験を行う年度の4月1日に施行されていた法令で作られています。民法は、令和2年4月1日に施行された債権関係の改正の前の条文で、宅地造成等規制法も今の名前(宅地造成及び特定盛土等規制法)になる前です。今の法令で解くと答えが変わる問があるので、古い年度の問を使うときは、宅建の過去問の使い方の改正の表と見比べてください。
この回の特徴(数えた事実)
- 分野ごとの問数は、権利関係14問・法令上の制限8問・税・その他8問・宅建業法20問でした(当サイトの数え方。公式の内訳ではありません)。
- 問いの形は、正しいものを選ぶ形が26問、誤っているものを選ぶ形が16問、個数問題が6問、組合せが1問、その他の形が1問でした。
- 個数問題の6問は、すべて宅建業法でした(問27・問28・問31・問39・問42・問43)。
- 宅建業法では、6つの論点が2問ずつ出ました(業務上の規制、宅建士(登録・宅建士証)、営業保証金、35条書面、免許、37条書面)。ほかに2問出たのは、相続と建築基準法(総合)です。
- 問10の質権は、全40回で主な論点になったのが3回(平成10年度・平成14年度・平成29年度)で、令和7年度までの回では、この回のあと主な論点になっていません。
- 問15が農地法だったのは、平成21年度以降の19回でこの回だけです。
- 合格基準点は50問中35点でした(機構の試験実施概況)。
表の※は、直近10回(令和7年度〜平成30年度)で、主な論点として一度も出ていない論点です。直近10回は、令和7年度から平成30年度までの10回です(令和2年度と令和3年度は10月と12月の2回ずつ試験があったので、それぞれ2回と数えています)。平成30年度以降の一覧の※(直近10回でその回だけに出た論点)とは意味が違います。
この回の50問を、直近10回の出方で分けると
この回の50問を、その論点が直近10回(令和7年度〜平成30年度)で何回、主な論点として出たかで分けました。この回は直近10回より前の回なので、いまも出ている論点かどうかを見る表になります。
| 直近10回で出た回 | この回の問数 |
|---|---|
| 10回(指定席) | 22問 |
| 4〜9回 | 19問 |
| 1〜3回 | 6問 |
| 0回 | 3問 |
直近10回で毎回主な論点になっている論点が22問、4回以上まで広げると41問でした。0回の3問は、問10(質権)、問16(都市計画法のうち都市計画制限・事業)、問22(その他の法令(許可権者))です。1〜3回の6問は、問3(共有)、問4(民法(総合))、問5(委任)、問7(請負)、問8(連帯債務)、問23(譲渡所得)で、6問のうち5問が権利関係でした。
この一覧は、どうやって作ったか
不動産適正取引推進機構が公開している宅建試験の問題(昭和63年度〜令和7年度の40回、2,000問)を、当サイトが1問ずつ読み、主な論点と副の論点に分けて数えました。分け方は当サイトの判断で、公式の分類ではありません。4回分200問を別の担当が読み直し、主な論点の一致は97.5%でした(食い違った問は直してから数えています)。
「主な論点」は、その問が全体として何を聞いているかで1つだけ決めたものです。「副の論点」は、1問の中に別の論点の肢が混ざっているときに、最大2つまで記録したものです。数えたのは問ごとの論点で、1問の中の4つの肢を1つずつ数えてはいません。表の「中に」の後ろは、副の論点です。建築基準法や宅建業法の「総合」は、1問の中にいくつもの規定の肢が混ざる問で、中に混ざった論点は副の論点として見ます。問いの形は、問題の最後の聞き方で分けました。「違反しないもの」は正しいもの、「最も不適当なもの」は誤っているもの、「〜はいくつあるか」は個数、「〜の組合せ」「全て掲げたもの」は組合せに入れ、4つのどれにも当たらない聞き方は「その他」にしています。論点の名前は当サイトの記事の分け方で、リンク先はその論点を扱う記事です。法律の名前と制度は、今の記事の名前で書き、当時と違うものは表の中に書き添えました。
権利関係(問1〜問14)
権利関係の14問は、正しいものを選ぶ形が7問、誤っているものを選ぶ形が6問、その他の形が1問でした。相続が2問(問6・問9)ありました。問3の共有は、判決文を読ませる形でした。問5の委任は平成18年度以来、問10の質権は平成14年度以来の主な論点です(問10には抵当権の肢が混ざっていました)。問11〜問14は借地・借家・区分所有法・不動産登記法の並びで、直近10回と同じです。
法令上の制限(問15〜問22)
| 問 | 主な論点 | 問いの形 |
|---|---|---|
| 問15 | 農地法 | 正しいもの |
| 問16 | ※都市計画法(都市計画制限・事業)(中に都市計画法(地域地区・都市計画の内容)) | 組合せ |
| 問17 | 開発許可 | 正しいもの |
| 問18 | 建築基準法(総合) | 誤っているもの |
| 問19 | 建築基準法(総合)(中に建蔽率・容積率・道路・接道義務) | 正しいもの |
| 問20 | 宅地造成等規制法(当時の名称) | 誤っているもの |
| 問21 | 土地区画整理法 | 誤っているもの |
| 問22 | ※その他の法令(許可権者)(中に国土利用計画法) | 正しいもの |
問15が農地法、問22が許可権者を聞く問(中に国土利用計画法)で、問16〜問21は都市計画法・開発許可・建築基準法2問・宅地造成等規制法・土地区画整理法の並びでした。問16は、都市計画法のうち都市計画制限・事業を主に聞く問で、組合せの形でした。この論点が主な論点になったのは全40回で8回あり、令和7年度までの回では、この回が最後です。建築基準法の問19には、建蔽率・容積率と道路・接道義務の肢が混ざっていました。
税・その他(問23〜問25・問46〜問50)
問23は所得税(譲渡所得)、問24は固定資産税、問25は地価公示法でした。問46〜問50は、直近10回と同じ5分野です(問48の統計は毎年の数字が変わるため、この表ではリンクしていません)。
宅建業法(問26〜問45)
| 問 | 主な論点 | 問いの形 |
|---|---|---|
| 問26 | 報酬 | 正しいもの |
| 問27 | 8種制限(総合)(中に担保責任の特約) | 個数 |
| 問28 | 業務上の規制 | 個数 |
| 問29 | 監督処分・罰則 | 正しいもの |
| 問30 | 宅建士(登録・宅建士証) | 誤っているもの |
| 問31 | 8種制限・クーリング・オフ(中に8種制限(総合)) | 個数 |
| 問32 | 営業保証金 | 誤っているもの |
| 問33 | 35条書面(重要事項説明) | 正しいもの |
| 問34 | 業務上の規制 | 誤っているもの |
| 問35 | 帳簿・従業者名簿・従業者証明書 | 正しいもの |
| 問36 | 免許 | 正しいもの |
| 問37 | 宅建士(登録・宅建士証) | 正しいもの |
| 問38 | 37条書面 | 正しいもの |
| 問39 | 営業保証金(中に保証協会) | 個数 |
| 問40 | 37条書面 | 正しいもの |
| 問41 | 35条書面(重要事項説明) | 誤っているもの |
| 問42 | 広告 | 個数 |
| 問43 | 媒介契約 | 個数 |
| 問44 | 免許 | 正しいもの |
| 問45 | 住宅瑕疵担保履行法 | 正しいもの |
宅建業法の20問は、正しいものを選ぶ形が10問、個数問題が6問、誤っているものを選ぶ形が4問でした。6つの論点が2問ずつ出ていて、論点の数で見ると20問が14の論点に分かれていました。8種制限は、問27(総合。中に担保責任の特約)と問31(クーリング・オフ)の2問で、どちらも個数問題でした。問35は、帳簿・従業者名簿・従業者証明書を主に聞く問でした。
前の年度・次の年度と比べて、何が変わったか
| 項目 | 平成29 | 平成28 | 平成30 |
|---|---|---|---|
| 個数問題 | 6問 | 6問 | 3問 |
| うち宅建業法 | 6問 | 5問 | 3問 |
| 組合せ | 1問 | 2問 | 1問 |
| 誤っているもの | 16問 | 15問 | 18問 |
| 正しいもの | 26問 | 26問 | 27問 |
個数問題は6問で、前の平成28年度と同じ数、次の平成30年度(3問)の倍でした。平成28年度の6問のうち1問は権利関係でしたが、この回は6問とも宅建業法です。誤っているものを選ぶ形は16問で、前後の年度(15問・18問)と大きくは変わりません。1回ごとの増減が続くかは、数からは分かりません。
この一覧の使い方
過去問を1回分解いたら、間違えた問の番号をこの表で引き、論点の記事で今の条文と考え方を確かめます。この回の民法などの問は改正前の法令で作られているので、答えを今の条文に当ててから使います。年ごとの一覧は、令和7年度から平成26年度までの14回分を作っています(ひとつ前の回は平成28年度の一覧、ひとつ後の回は平成30年度の一覧)。
1回分だけの並びでは、どの論点が毎回出るのかは分かりません。全40回・直近10回で数えた結果は、宅建の出題論点ランキングにまとめています。この回の論点を○✕で続けて確かめたいときは、宅建の5分○✕ドリルが使えます。
参考にした公式の情報(2026年10月確認)
- 一般財団法人 不動産適正取引推進機構(宅建試験の実施機関)
- 同「宅建試験の問題及び正解番号表」(昭和63年度〜令和7年度の問題と正解番号表のPDF。当サイトの集計の出典)
- 同「試験概要」(50問・四肢択一式、出題の根拠は試験を行う年度の4月1日現在施行の法令)
- 同「試験実施概況(令和7年度以前10年間)」(合格基準点)
- 同「平成29年度 試験問題と正解番号表」(この一覧の元の問題)
働く人の法律試験ノート