宅建の勉強スケジュール:残り12か月・9か月・6か月・3か月の月ごとの組み方

宅建の勉強スケジュールは、試験日(毎年10月の第3日曜日)から逆にさかのぼって、先に3つの杭を打つと組めます。①7月の申込。②全範囲の1周目を終える月。③本番と同じ2時間で解く通し練習を始める月(当サイトは試験の2か月前ごろ)。残った月に、宅建業法→権利関係→法令上の制限→税・価格の順で分野を置きます。

「何か月前から始めるか」に、公式の目安はありません。必要な勉強の量を、1週間に机に向かえる時間で割って決めます。当サイトの見積もりの例では、平日に30分ほどしか取れない人は、前の年の秋ごろ(試験の約1年前)から始める計算になります。少ない時間で足りるとは考えないでください。

この記事は「どの月に何をするか」を決める記事です。必要な量の見積もり方は宅建の勉強時間の考え方に、期間・週の時間・予算から自分に合う進め方を選ぶのは宅建試験:自分に合う進め方を選ぶに任せます。表はどれも当サイトの目安で、公式に決まったものではありません。

何か月前から始めればよいか

勉強時間の記事では、計算のしかたを見せるために仮の数字を置きました。基本書の単元の数と1単元の時間から出すと、1周目と解き直し、通し練習まで含めて約220時間。止まる週を見込んで2割足すと約260時間です(合格に足りる時間の目安ではありません)。これを週の時間で割ると、次のようになります。

机に向かえる週の時間約220時間に要る期間2割足すと始める目安
週6.5時間(平日30分・休日2時間)約34週約40週12か月前(前の年の秋)
週11時間(平日1時間・休日3時間)約20週約24週6〜9か月前
週15.5時間(平日1.5時間・休日4時間)約14週約17週6か月前

仮の数字に入れた通し練習は6回分だけで、模試の結果を見て弱点を直す時間や、分野を混ぜて解く時間の余裕は入っていません。だから「始める目安」は、要る期間より前に置いています。週15.5時間とれる人でも、これから始めて残り3か月(約13週)では、仮の数字の約220時間に届きません。

仮の数字は人によって大きく変わります。最初の2週間で、宅建業法と権利関係の1単元に「読む+解く+根拠を確かめる」までの時間を実際に測り、自分の数字で計算し直してください。そのうえで、下の4つの表のうち、残りの期間に合うものを使います。

どの期間でも、先に書き込む日付

時期できごとスケジュールでの意味
4月1日出題の基準日この日に施行されている法令から出る。教材を受ける年度向けにそろえる
6月の第1金曜日(原則)試験の公告(官報と機構のサイト)正式な試験日を確かめる
7月申込(令和8年度はネットが7月1日〜31日、郵送が7月1日〜15日)締め切ると、その年は受けられない
10月上旬受験票の発送(令和8年度は10月2日)会場と時刻を確かめる
10月の第3日曜日試験(13時〜15時)この日から逆にさかのぼって表を組む
11月下旬ごろ合格発表(令和8年度は11月25日)試験日から土日祝日を除いて26日後の日

試験地は、原則として申込のときに住んでいる都道府県です。会場は自分では選べません。宅建業で働いていて、登録講習を受けて5問免除を使う人は、もう一つ杭が要ります。講習は受講の申込から修了まで2か月以上かかり、修了試験に合格してから宅建試験を申し込みます。7月の申込に間に合うよう、春までに講習の日程を決めておきます。

残り12か月:前の年の11月に始める

10月の試験が終わった11月に始めて、翌年の試験を目指す人の表です。試験を受け終えて次の年に向けて準備を始める人や、受けると決めたのが秋の人は、この表を使います。

時期中心にやること並行してやること月末の区切り
11〜12月宅建業法の1周目(読む+分野別の四択)1週間の時間の型を固める業法を1周
1〜3月権利関係の1周目(民法の基本→借地借家法など)業法の✕と△を週1回権利を1周
4〜5月法令上の制限の1周目教材を受ける年度向けに替え、改正点を確かめる法令を1周
6月税・価格(一般の人は免除科目も)業法の2周目(✕と△だけ)全範囲の1周目が終わる
7月申込。権利・法令の2周目(✕と△だけ)週末に分野を混ぜた四択申込を済ませる
8月2周目の続き。月末に1回目の模試か公式の過去問で2時間統計の数字(その年度の分)分野ごとの失点を知る
9月2時間の通し練習を週1回。中ごろに模試✕と△の3周目時間配分を決める
10月(試験まで)✕と△の総まとめ。新しい教材は増やさない数字・期間の最終確認―

12か月の強みは、解き直しの間を長くあけられることです。間をあけて繰り返す効果を調べた大きな実験(Cepedaら、2008年)では、1,350人あまりが事実の知識を覚え、最長で約3か月半あけて復習し、さらに最長1年後にテストを受けました。その結果、テストが先になるほど、よく効く復習の間隔も長くなりました。宅建業法を11〜12月に学び、6月に2周目、9月に3周目と、月単位で間をあけて戻すのはこの考え方です(間隔の決め方は間をあけて繰り返す復習の記事)。

11月の時点では、受ける年度向けの基本書がまだ出ていないことがあります。その場合は、手元の版で宅建業法の骨組みを学び始め、4月に受ける年度向けの版へ替えて、改正された所だけを確かめ直します。

残り9か月:1月に始める

12か月の表から、1周目の各分野を少しずつ縮めた表です。6月末までに全範囲の1周目を終え、7月の申込と同時に2周目へ入る骨組みは同じです。

時期中心にやること並行してやること月末の区切り
1月〜2月中旬宅建業法の1周目―業法を1周
2月中旬〜4月権利関係の1周目(土地・建物の場面の基本を先に)業法の✕と△を週1回。4月に教材を受ける年度向けに権利を1周
5月法令上の制限の1周目―法令を1周
6月税・価格(一般の人は免除科目も)業法の2周目(✕と△だけ)全範囲の1周目が終わる
7月申込。権利・法令の2周目(✕と△だけ)週末に分野を混ぜた四択申込を済ませる
8月2周目の続き。月末に1回目の模試統計の数字分野ごとの失点を知る
9月〜試験通し練習を週1回。9月中ごろに模試。10月は総まとめ✕と△の3周目―

12か月との違いは、権利関係の1周目が約2か月半になることです。民法の細かい論点まで1周目で追うと、5月以降が押し出されます。1周目は売り買い・貸し借り・相続など土地と建物の場面の基本までにし、細かい所は2周目の✕と△で拾います。

残り6か月:4月に始める

4月は出題の基準日(4月1日)を過ぎた月なので、教材を最初から受ける年度向けでそろえられます。骨組みは宅建の独学の記事にある半年の計画の例と同じです。そこでは月ごとの「次へ進む目安」を示しているので、ここでは12か月・9か月の表から何を削ったかを書きます。

時期中心にやること12か月の表から削ったこと
4月宅建業法の1周目業法にかける月が2か月→1か月
5月業法の✕と△を解き直し、権利関係を始める業法の2周目を前倒しで1回だけ
6〜7月権利関係(基本を先に)。7月に申込権利の1周目が3か月→約2か月
8月法令上の制限と税・価格の1周目法令・税の2周目は✕と△だけ
9月2時間の通し練習・模試。✕と△模試は1〜2回まで
10月(試験まで)総まとめ―

6か月の表は、全範囲の1周目が8月末までかかり、2周目は✕と△だけになります。権利関係は、宅建試験の得点戦略の「宅建業法で稼ぐ型」のように、失点の枠を多めにとる前提で組んでいます。週の時間が仮の数字で週11時間ほどあれば入る量ですが、週6.5時間ほどでは入りません。その場合は、この年度を「本番の形を知る回」と考えるか、週の時間を増やすかを先に決めます。

残り3か月:7月に始める

これから勉強を始めて残り3か月なのは、ちょうど申込の月に始める人です。8月に入ると、その年の申込はもう締め切られています。まず申込を済ませます。

正直に書くと、3か月(約13週)は、仮の数字では週15.5時間でも約220時間に届かない長さです。全範囲を同じ深さでは回せません。宅建業法の次に法令上の制限へ進み、権利関係は売り買い・貸し借り・相続の基本の場面だけにします(宅建の勉強法で書いた、期間が短い人の順番と同じです)。法令上の制限は、条文の数字と要件で正誤が決まる問題が多く、覚えた分が点に結びつきやすいからです。

週中心にやること並行してやること
1〜4週(7月中旬〜8月中旬)宅建業法の1周目と、✕と△の解き直し申込を済ませる
5〜8週(8月中旬〜9月中旬)法令上の制限の1周目。続けて権利関係は売り買い・貸し借り・相続の基本だけ(2週)業法の✕と△を週1回
9〜10週(9月後半)税・価格の主な所。統計の数字法令の✕と△
11〜13週(10月の試験まで)2時間の通し練習を週1〜2回。✕と△模試は受けても1回まで

週の時間がこれより少ないなら、受けると決めていても、本命を翌年に置く考え方を持っておきます。その判断のしかたは勉強時間の記事の「残り1〜2か月なら、どう選ぶか」と同じです。

すでに1年近く続けてきて残り3か月になった人は、この表ではなく、12か月・9か月の表の7月以降の行を使います。新しい範囲は増やさず、2周目・通し練習・模試に時間を使う時期です。模試の時期と回数は宅建の模試の使い方で説明しています。

遅れたときは、どこで気づき、どう切り替えるか

計画は途中でずれるものです。ずれに早く気づけるよう、2つの区切りを置きます。

  • 申込の前(6月末):12か月・9か月の表なら、全範囲の1周目が終わっているか。6か月の表なら、宅建業法の1周目と✕と△の解き直しが終わっているか。
  • 8月末:12か月・9か月・6か月の表なら、全範囲の1周目が終わっているか(3か月の表では、宅建業法と法令上の制限の1周目が終わり、権利関係の基本に入っているか)。

遅れていたら、より短い期間の表の組み方に乗り換えます。たとえば12か月の表で始めて、6月末に法令上の制限が終わっていなければ、6か月の表と同じように、法令上の制限と税・価格の1周目を8月末までに終え、その分の2周目は✕と△だけにします。そのとき、次の2つを守ります。

  1. 通し練習を始める月(9月)は動かさない:遅れを取り戻そうと後ろへずらすと、本番の時間配分を試す回数が減ります。削るのは、その前の月の範囲のほうです。
  2. 削る順を決めておく:権利関係の細かい論点から浅くします。宅建業法と法令上の制限の解き直しは削りません。どの分野で何問まで落としてよいかは、得点戦略の記事の型に合わせます。

反対に、予定より早く進んでいるなら、範囲を広げるより、✕と△の解き直しの間隔を守ることと、分野を混ぜた四択に回します。

なお、試験まで1か月を切っている人は、この記事の表ではなく、直前1か月の復習の配分で残りの日の使い方を決めてください。試験のあとに次の年度へ切り替えるなら、11月から上の12か月の表で始められます。

今日からやること

  • 手帳かカレンダーに、7月の申込、10月の第3日曜日の試験、6月の公告を先に書き込む(5問免除を使う人は講習の日程も)。
  • 1週間に机に向かえる時間を決め、上の「何か月前から」の表で、自分の残りの期間が足りるかを見る。
  • 残りの期間に合う表を1つ選び、各月の行を自分の予定表に写す。
  • 6月末と8月末に「区切りの点検」と書いておく。
  • 最初の2週間で1単元の時間を測り、勉強時間の記事の計算で見積もりを直す。

このサイトで次に読むなら、宅建の勉強時間の考え方がおすすめです。この記事の表の月の長さが自分に足りるかを、自分で測った数字で確かめられます。

参考にした公式の情報・研究(2026年10月確認)

  • 不動産適正取引推進機構「試験概要」(毎年10月の第3日曜日、試験の時間、出題の根拠となる法令は試験の年度の4月1日現在施行のもの、原則として6月の第1金曜日に公告、試験地)
  • 同 試験日程の案内(令和8年度の申込期間・受験票の発送日・試験日・合格発表日)
  • 同「よくある質問」(合格発表は試験日の26日(土日祝日を除く)後の日、会場は選べないこと)
  • 同「登録講習」の案内(申込から修了まで2か月以上、修了試験合格後に宅建試験を申し込むこと)
  • Cepeda, N. J., Vul, E., Rohrer, D., Wixted, J. T., & Pashler, H. (2008). Spacing effects in learning: A temporal ridgeline of optimal retention. Psychological Science, 19(11), 1095–1102.(DOI/PubMed)