宅建の権利関係は、直近10回の試験で毎回14問、合わせて140問出ています。当サイトが論点ごとに数えると、問11は借地借家法(借地)、問12は借地借家法(借家)、問13は区分所有法、問14は不動産登記法で、10回とも同じでした。この4問は「指定席」です。
残りの問1〜10(直近10回で100問)は民法が中心で、36の論点に散らばっていました。多いのは相続と賃貸借の各8問、売買・契約不適合責任の7問、時効の6問です。それでも10回中8回までで、毎回出た民法の論点はありません。この記事では、指定席の4問と、問1〜10の民法を分けて数を示します。
この数字は、どうやって数えたのか
不動産適正取引推進機構が公開している宅建試験の問題(昭和63年度〜令和7年度の40回、2,000問)を、当サイトが1問ずつ読み、主な論点と副の論点に分けて数えました。分け方は当サイトの判断で、公式の分類ではありません。4回分200問を別の担当が読み直し、主な論点の一致は97.5%でした(食い違った問は直してから数えています)。
「主な論点」は、その問が全体として何を聞いているかで1つだけ決めたものです。「副の論点」は、1問の中に別の論点の肢が混ざっているときに、最大2つまで記録したものです。数えたのは問ごとの論点で、1問の中の4つの肢を1つずつ数えてはいません。直近10回は、令和7年度から平成30年度までの10回です(令和2年度と令和3年度は10月と12月の2回ずつ試験があったので、それぞれ2回と数えています)。
当サイトの集計では、権利関係は平成21年度以降の19回で毎回14問(問1〜問14)、平成20年度以前は15〜16問でした。分野ごとの問数は公式に公表された内訳ではなく、当サイトが数えたものです。
問11〜14の4問は、毎回同じ論点か
問番号ごとに、主な論点が何回その位置にあったかを数えました。
直近10回は4問とも同じ位置でした。平成21年度以降の19回まで広げると、区分所有法と不動産登記法は19回とも問13・問14です。借地と借家は、平成25年度に問11と問12が入れ替わり、平成27年度は借家が2問(借地は0問)でした。平成21年度の問12は使用貸借が主な論点でした。
全40回で見ても、不動産登記法は40回すべてに出ています。区分所有法は37回(出なかったのは平成16年度・平成15年度・平成14年度)、借地は37回、借家は38回でした。
不動産登記法や区分所有法は、捨ててよいか
検索の候補にも「宅建 不動産登記法 捨てる」が出てきます。数から言えるのは、問14は直近10回とも、平成21年度以降の19回とも不動産登記法だった、ということです。直近10回に当てはめると、捨てた場合は、毎回そこにあった1問を最初から手放していたことになります。区分所有法の問13も同じです。
一方で、どこまで深く勉強するかは別の問題です。不動産登記法は、手続きの細かい定めが多い法律です。当サイトの権利関係の勉強法では、登記法は「基本だけ」、区分所有法の決議の数字は「固める」と分けています。捨てる・捨てないの考え方は、捨てていい所・捨てないほうがいい所でも説明しています。
問1〜10の民法は、どの論点に何問あったか
直近10回の問1〜10(100問)を、出た回の多さで3段に分けました。
10回中5回以上(よく出る段)
| 論点 | 直近10回の主 | 出た回 | 全40回の主 |
|---|---|---|---|
| 相続 | 8問 | 8回 | 27問 |
| 賃貸借 | 8問 | 8回 | 26問 |
| 売買・契約不適合責任 | 7問 | 7回 | 22問 |
| 時効 | 6問 | 6回 | 17問 |
| 抵当権 | 5問 | 5回 | 29問 |
10回中3〜4回(ときどき出る段)
10回中1〜2回(まれな段)
残りの22論点は、直近10回で1〜2回でした。保証、連帯債務、債権譲渡、請負、委任、相殺、地上権、債権総論(その他)、不在者・失踪宣告、配偶者居住権、契約総論(成立・同時履行・危険負担)、担保物権(総合)、遺言、弁済、使用貸借、条件・期限、所有権・物権(その他)、地役権、法律行為・無効・取消(総則)、期間の計算、婚姻・夫婦、事務管理です。
この3段から分かるのは、問1〜10では「毎回出る」と言える民法の論点がないことです。いちばん多い相続と賃貸借でも、10回中2回は出ていません。また、全40回では多かった代理(28問)や抵当権(29問)が、直近10回では4問・5問でした。昔の回の数だけで順番を決めると、いまの出方とずれます。
よく出る段を固めると、1回に何問分になるか
3つの段の論点が、直近10回の各回の問1〜10に何問ずつあったかを数えました。
| 回 | よく出る段 | ときどき出る段 | まれな段 |
|---|---|---|---|
| 令和7 | 3問 | 4問 | 3問 |
| 令和6 | 2問 | 4問 | 4問 |
| 令和5 | 4問 | 2問 | 4問 |
| 令和4 | 3問 | 3問 | 4問 |
| 令和3(12月) | 3問 | 4問 | 3問 |
| 令和3(10月) | 3問 | 3問 | 4問 |
| 令和2(12月) | 4問 | 4問 | 2問 |
| 令和2(10月) | 4問 | 3問 | 3問 |
| 令和元 | 4問 | 4問 | 2問 |
| 平成30 | 4問 | 2問 | 4問 |
よく出る段の5論点からは、1回あたり2〜4問(10回の合計で34問)が出ていました。ときどき出る段まで合わせると、1回あたり6〜8問です。まれな段の22論点からも、毎回2〜4問が出ています。よく出る段だけでは1回の問1〜10の3割前後で、ときどき出る段まで広げると6〜8割、残りの2〜4問はまれな段から出る、という形でした。
全40回と直近10回で、民法の上位はどう違うか
問11〜14の4つの法律を除いた権利関係(民法など)を、全40回と直近10回で並べました。全40回は418問、直近10回は100問です(直近10回の7位は、4問の論点が4つ並ぶので1つの行にまとめています)。
| 順位 | 全40回(主の問数) | 直近10回(主の問数) |
|---|---|---|
| 1 | 抵当権(29) | 相続(8) |
| 2 | 代理(28) | 賃貸借(8) |
| 3 | 相続(27) | 売買・契約不適合責任(7) |
| 4 | 賃貸借(26) | 時効(6) |
| 5 | 売買・契約不適合責任(22) | 物権変動・対抗要件(5) |
| 6 | 物権変動・対抗要件(21) | 抵当権(5) |
| 7 | 意思表示(20) | 意思表示・代理・債務不履行・解除・制限行為能力者(各4) |
| 8 | 債務不履行・解除(19) | ― |
全40回で1位・2位の抵当権と代理は、直近10回ではそれぞれ5問・4問です。反対に、相続・賃貸借・売買(契約不適合責任)・時効は、直近10回の上位に並びます。全40回の数には、権利関係が15〜16問だった平成20年度以前の回も入っています。昔の回まで含めた数と、直近の出方は同じではありません。
直近10回で初めて出た民法の論点
問1〜10の論点のうち6つは、直近10回より前の30回では主な論点になっていませんでした。法律行為・無効・取消(総則)、不在者・失踪宣告、配偶者居住権、期間の計算、婚姻・夫婦、事務管理です。配偶者居住権のように新しくできた制度もあれば、不在者・失踪宣告のように古くからある制度もあります。6つのうち4つは、直近10回でも1問だけでした。教材で基本を押さえる程度にとどめます。
問の中に混ざる論点と、問いの形
問1〜10の副の論点で多かったのは、判決文を読ませる問(7問)と、第三者との関係(5問)、賃貸借(4問)でした。判決文の問は、問題の中に判決文の一部が載っていて、それを読んだうえで肢を判定する形です。知らない判例でも、読んで解ける部分があります(判決文問題の解き方)。
権利関係140問の問いの形は、正しいものを選ぶ形が67問、誤っているものを選ぶ形が60問、個数問題が5問、組合せが5問、その他が3問でした。個数問題が多い宅建業法と比べると、ふつうの4択がほとんどです。
この数字の使い方
数字から言えることは2つです。問11〜14の4問は、毎回同じ法律から1問ずつ出ていました。問1〜10は、毎回どれかの論点から10問が出るけれど、どれが出るかは回によって違いました。
指定席の4問を足すと、直近10回では1回あたり10〜12問が、指定席・よく出る段・ときどき出る段の論点から出ていました(権利関係14問のうち)。この出方に合わせると、勉強の配分は次のようになります。
- 問11〜14の4問:範囲が決まっているので、条文の数字と要件を固めておくと、毎回の点につながります。
- 問1〜10のよく出る段:相続・賃貸借・売買・時効・抵当権は、基本の条文と典型の事例を繰り返します。
- ときどき出る段とまれな段:全部を深くやる時間はとれません。教材で一通り読み、問題で確かめたら、間をあけて思い出す練習で保ちます(復習の間隔の決め方)。
権利関係の○✕は、宅建の5分○✕ドリルで続けて解けます。ほかの分野の数は、宅建の出題論点ランキングにまとめています。
今日からやること
- 問11〜14の4つの法律について、自分の教材の章を確かめ、まだ読んでいない章があれば先に読む。
- 不動産登記法は「捨てる」ではなく、教材の基本の範囲と過去問で確かめる所までやる、と決める。
- 問1〜10のよく出る段(相続・賃貸借・売買・時効・抵当権)を、1週間に1回は問題で当たる予定に入れる。
- まれな段の論点は、教材を一度読んで先へ進む。
参考にした公式の情報(2026年10月確認)
- 一般財団法人 不動産適正取引推進機構(宅建試験の実施機関)
- 同「宅建試験の問題及び正解番号表」(昭和63年度〜令和7年度の問題と正解番号表のPDF。当サイトの集計の出典)
- 同「試験概要」(50問・四肢択一式、出題の根拠は試験を行う年度の4月1日現在施行の法令)
働く人の法律試験ノート