宅建の法令上の制限の出題傾向:8問の指定席と、建築基準法2問の中身

宅建の法令上の制限は、直近10回の試験で毎回8問出ています。当サイトが数えると、法律ごとの問数は10回とも同じで、都市計画法(開発許可以外)1問・開発許可1問・建築基準法2問・盛土規制法1問・土地区画整理法1問・農地法1問・国土利用計画法1問でした。令和元年度以降の9回は、問15から問22までの並びも同じです。

建築基準法の2問は、1問の中に用途制限・道路・高さ・建蔽率などの肢が混ざる「総合」の形が中心でした。この記事では、8問の並びを表にし、建築基準法2問の中身を副の論点の数で示して、勉強の順番につなげます。

この数字は、どうやって数えたのか

不動産適正取引推進機構が公開している宅建試験の問題(昭和63年度〜令和7年度の40回、2,000問)を、当サイトが1問ずつ読み、主な論点と副の論点に分けて数えました。分け方は当サイトの判断で、公式の分類ではありません。4回分200問を別の担当が読み直し、主な論点の一致は97.5%でした(食い違った問は直してから数えています)。

「主な論点」は、その問が全体として何を聞いているかで1つだけ決めたものです。「副の論点」は、1問の中に別の論点の肢が混ざっているときに、最大2つまで記録したものです。数えたのは問ごとの論点で、1問の中の4つの肢を1つずつ数えてはいません。建築基準法の問は、主な論点を「建築基準法(総合)」とし、混ざっている論点を副として記録しました。副は1問につき最大2つまでなので、1問の中に3つ以上の論点が混ざっていても、数えているのは2つまでです。直近10回は、令和7年度から平成30年度までの10回です(令和2年度と令和3年度は10月と12月の2回ずつ試験があったので、それぞれ2回と数えています)。

当サイトの集計では、法令上の制限は平成21年度以降の19回で毎回8問(問15〜問22)、平成20年度以前は9〜12問でした。分野ごとの問数は公式に公表された内訳ではなく、当サイトが数えたものです。

問番号の並びと分野の問数が時期ごとにどう変わってきたかは、宅建の問題番号と分野で表にしています。

問15〜22は、どの法律の指定席か

令和元年度以降の9回の並びと、その位置に同じ論点があった回数です。

問法律(主な論点)直近10回平成21年度以降の19回
問15都市計画法8回9回
問16開発許可9回11回
問17建築基準法9回12回
問18建築基準法10回18回
問19盛土規制法9回12回
問20土地区画整理法9回12回
問21農地法9回11回
問22国土利用計画法9回9回

直近10回で10回に届かない所は、平成30年度だけ並びが1つずれていた(問15が国土利用計画法で、そのほかが1つずつ後ろ)ためです。問15は、令和3年度の10月試験で地区計画が主な論点だったので、さらに1回少ない8回です。法律ごとの問数で見ると、直近10回は10回とも上の組み合わせでした。

平成21年度以降の19回まで広げると、並びはもっと動きます。問15が国土利用計画法だった回が6回あり、平成29年度・平成26年度・平成25年度は国土利用計画法の代わりに、ほかの法令(許可を出す人を問う問)が出ていました。この「その他の法令」は、平成29年度を最後に主な論点としては出ていません。平成21〜29年度の9回と直近10回で、法令上の制限の中で増えた論点・減った論点は宅建の出題はこの10年でどう変わったかで比べています。

法律ごとに、全40回ではどうだったか

法律(主な論点)直近10回の主全40回の主全40回で出た回
開発許可10問56問40回
農地法10問40問40回
土地区画整理法10問40問40回
国土利用計画法10問38問37回
盛土規制法10問35問35回
建築基準法(総合)20問50問30回
都市計画法(地域地区)9問24問24回

開発許可・農地法・土地区画整理法の3つは、昭和63年度から令和7年度までの40回すべてに出ています。盛土規制法は、令和5年度までは宅地造成等規制法の名前で出題されていました(令和5年度の問題冊子で確かめた名前です)。法律の改正で名前と中身が変わっているので、古い過去問は答えの理由を今の条文で確かめます。

建築基準法(総合)が全40回で30回なのは、昔は用途制限や建蔽率などが、それぞれ単独の1問として出ていたからです。次の節で見ます。

建築基準法の2問には、何が混ざっているか

直近10回の建築基準法(総合)20問に、副の論点として混ざっていたものを数えました。

混ざっていた論点直近10回の副全40回の副単独の主で最後に出た回
用途制限(用途地域)6問10問平成23年度
単体規定4問8問平成12年度
道路・接道義務4問9問平成8年度
高さ制限・斜線・日影3問7問平成7年度
建蔽率・容積率3問10問平成20年度
建築確認2問6問平成21年度
防火地域・準防火地域2問6問平成13年度
建築協定1問1問平成5年度

直近10回の20問のうち、副の論点を2つ記録した問が8問、1つが9問、記録しなかった問が3問でした。いちばん多く混ざっていたのは用途制限(用途地域)の6問で、単体規定と道路・接道義務が4問ずつ、高さ制限と建蔽率・容積率が3問ずつでした。

右の列のとおり、用途制限は平成23年度、建蔽率・容積率は平成20年度を最後に、単独の1問としては出ていません。それでも直近10回のうち6回は、建築基準法の問の中に肢として混ざっていました。主な論点の数だけで見ると「最近は出ていない」ように見える論点です。

「総合」の問は、4つの肢がそれぞれ別の規定を聞くので、1つの規定だけを深く覚えても1問にはなりません。用途制限・道路・高さ・建蔽率・単体規定・確認の手続を、浅くても全体に当たっておくほうが、この形に合っています。

建築基準法の1問目と2問目は、中身が分かれていた

回ごとに、建築基準法(総合)の2問に混ざっていた論点を並べると、1問目と2問目で中身が分かれていました。

回1問目に混ざっていた論点2問目に混ざっていた論点
令和7建築確認用途制限、建築協定
令和6単体規定用途制限、高さ制限
令和5記録なし建蔽率・容積率、道路
令和4記録なし用途制限、道路
令和3(12月)単体規定道路、高さ制限
令和3(10月)単体規定建蔽率・容積率
令和2(12月)防火地域建蔽率・容積率、用途制限
令和2(10月)建築確認道路、用途制限
令和元記録なし用途制限
平成30単体規定、防火地域高さ制限

1問目には単体規定・建築確認・防火地域が混ざり、副を記録しなかった回も3回ありました。2問目には、10回とも用途制限・道路・建蔽率・高さ制限のどれかが混ざっていました。2問目は、建物を建てる場所の条件(用途地域・道路・建蔽率・高さ)をまとめて聞く問だった、ということです。

都市計画法の1問は、何を聞いていたか

開発許可を除いた都市計画法の1問は、直近10回で地域地区・都市計画の内容が9回、地区計画が1回でした。都市計画の制限・事業(建築の許可など)や区域区分は、全40回ではそれぞれ8問・5問ありますが、直近10回では主になっていません。どの地域地区を、どこに定められるかを聞く問が、この位置の中心です。

どの順番で勉強するか

法令上の制限8問の問いの形は、直近10回で正しいものを選ぶ形が42問、誤っているものを選ぶ形が38問でした。個数問題は直近10回で0問、全40回でも2問だけです。

数から見た順番は次のとおりです。

  1. 開発許可と農地法。全40回すべてに出ていて、直近10回も毎回1問ずつでした。どちらの法律も、許可がいる場面・面積・許可する人を条文で確かめられ、範囲が絞れます。
  2. 国土利用計画法・土地区画整理法・盛土規制法。直近10回はそれぞれ毎回1問でした。1つの法律で1問なので、章を読み終えたら過去問で確かめる、の繰り返しで進められます。
  3. 都市計画法(地域地区)と建築基準法。合わせて3問で、問数はいちばん多いのですが、建築基準法の2問は肢がばらけます。用途地域は都市計画法で定め、建築基準法で建てられる建物が決まるので、2つの法律を続けて勉強すると、つながりで覚えられます。建築基準法の中では、直近10回の2問目に毎回混ざっていた用途制限・道路・建蔽率・高さ制限を先に1周し、そのあと単体規定・建築確認に進む順番が、数の上では合っています。

この順番の考え方と、数字を自分で表にして覚えるやり方は、法令上の制限の勉強法で詳しく書いています。都市計画法と建築基準法は、都市計画法の覚え方と建築基準法の覚え方で全体を整理しています。

この数字の使い方

数字から言えるのは、法令上の制限の8問は、法律ごとの数が10回とも同じだった、ということです。直近10回に当てはめると、どの法律を飛ばしても、毎回その分の1問(建築基準法なら2問)を最初から手放していたことになります。

数字を覚える法律が多いので、一度覚えた数字を試験の日まで保つことが課題になります。同じ表を、間をあけて何度か白紙から書き出すと、覚えたことが残りやすくなります(復習の間隔の決め方)。法令上の制限の○✕は、宅建の5分○✕ドリルで続けて解けます。ほかの分野の数は、宅建の出題論点ランキングにまとめています。

今日からやること

  • 問15〜22の表を見て、8つの位置の法律を順に言えるようにする。
  • 開発許可と農地法の章から始め、許可がいる面積と許可する人を表にする。
  • 建築基準法は、用途制限・道路・高さ・建蔽率・単体規定・建築確認を、浅く全体に1周する。
  • 古い過去問の宅地造成等規制法の問は、今の盛土規制法の条文で答えを確かめる。

参考にした公式の情報(2026年10月確認)

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