宅建業法は、直近10回の試験で毎回20問、合わせて200問出ています。当サイトが論点ごとに数えると、いちばん多いのは35条書面(重要事項説明)の29問、次が37条書面の18問、宅建士(登録・宅建士証)の15問でした。35条書面・37条書面・媒介契約の3つを合わせると59問で、宅建業法の約3割です。
10回すべてで出たのは、35条書面・媒介契約・報酬・クーリング・オフ・広告・住宅瑕疵担保履行法の6論点です。また、「正しいものはいくつあるか」と聞く個数問題は、全40回の111問のうち100問が宅建業法でした。この記事では、これらの数を表にして、どこに時間をかけるかを考えます。
この数字は、どうやって数えたのか
不動産適正取引推進機構が公開している宅建試験の問題(昭和63年度〜令和7年度の40回、2,000問)を、当サイトが1問ずつ読み、主な論点と副の論点に分けて数えました。分け方は当サイトの判断で、公式の分類ではありません。4回分200問を別の担当が読み直し、主な論点の一致は97.5%でした(食い違った問は直してから数えています)。
「主な論点」は、その問が全体として何を聞いているかで1つだけ決めたものです。「副の論点」は、1問の中に別の論点の肢が混ざっているときに、最大2つまで記録したものです。数えたのは問ごとの論点で、1問の中の4つの肢を1つずつ数えてはいません。宅建業法には、1問の中に35条書面・37条書面・帳簿などの肢が混ざる問があり、主な論点を「宅建業法(総合)」としました。直近10回は、令和7年度から平成30年度までの10回です(令和2年度と令和3年度は10月と12月の2回ずつ試験があったので、それぞれ2回と数えています)。
当サイトの集計では、宅建業法は平成21年度以降の19回で毎回20問(問26〜問45)、平成20年度以前は16問でした。分野ごとの問数は公式に公表された内訳ではなく、当サイトが数えたものです。
分野の問数が同じ平成21〜29年度の9回と直近10回を比べた変化は、宅建の出題はこの10年でどう変わったかにあります。
直近10回200問は、どの論点に何問あったか
主な論点として出た問数の多い順です。「出た回」は、10回のうち何回出たかです。
| 論点 | 直近10回の主 | 出た回 | 全40回の主 |
|---|---|---|---|
| 35条書面(重要事項説明) | 29問 | 10回 | 81問 |
| 37条書面 | 18問 | 9回 | 38問 |
| 宅建士(登録・宅建士証) | 15問 | 9回 | 63問 |
| 宅建業法(総合) | 12問 | 7回 | 45問 |
| 媒介契約 | 12問 | 10回 | 42問 |
| 報酬 | 11問 | 10回 | 34問 |
| 業務上の規制 | 11問 | 7回 | 37問 |
| 営業保証金 | 10問 | 9回 | 41問 |
| 広告 | 10問 | 10回 | 29問 |
| 8種制限・クーリング・オフ | 10問 | 10回 | 32問 |
| 住宅瑕疵担保履行法 | 10問 | 10回 | 18問 |
| 保証協会 | 8問 | 8回 | 35問 |
| 8種制限(総合) | 7問 | 6回 | 35問 |
| 欠格事由 | 6問 | 6回 | 21問 |
| 免許 | 6問 | 5回 | 22問 |
| 宅建業の定義(免許の要否) | 6問 | 6回 | 23問 |
| 監督処分・罰則 | 5問 | 5回 | 28問 |
| 8種制限・手付金等の保全措置 | 4問 | 4回 | 21問 |
| 帳簿・従業者名簿・従業者証明書 | 4問 | 4回 | 14問 |
| 事務所・案内所等 | 2問 | 2回 | 21問 |
| 犯罪収益移転防止法 | 1問 | 1回 | 1問 |
| 建物状況調査 | 1問 | 1回 | 1問 |
| 変更の登録・登録の移転・変更の届出 | 1問 | 1回 | 11問 |
| 業者間取引 | 1問 | 1回 | 7問 |
上の表の論点は24種類です。10回すべてで出たのが6論点、10回中9回が3論点(37条書面・営業保証金・宅建士)で、ここまでの9論点は、ほぼ毎回の指定席です。保証協会も10回中8回出ています。
全40回の宅建業法716問と比べると、重みの置かれ方が少し違います。宅建業法の問のうち35条書面が占める割合は、全40回で11.3%、直近10回で14.5%でした。37条書面は5.3%から9.0%へ、反対に宅建士(登録・宅建士証)は8.8%から7.5%、営業保証金は5.7%から5.0%です。古い回まで含めた数と、直近の出方は同じではありません。
3つの書面は、1回に何問出ているか
35条書面・37条書面・媒介契約が、回ごとに主な論点として何問出たかです。
| 回 | 35条書面 | 37条書面 | 媒介契約 |
|---|---|---|---|
| 令和7 | 3問 | 2問 | 1問 |
| 令和6 | 3問 | 3問 | 1問 |
| 令和5 | 2問 | 2問 | 1問 |
| 令和4 | 4問 | 2問 | 2問 |
| 令和3(12月) | 2問 | 3問 | 1問 |
| 令和3(10月) | 4問 | 0問 | 1問 |
| 令和2(12月) | 2問 | 1問 | 1問 |
| 令和2(10月) | 3問 | 2問 | 2問 |
| 令和元 | 3問 | 2問 | 1問 |
| 平成30 | 3問 | 1問 | 1問 |
35条書面は毎回2〜4問、37条書面は0〜3問、媒介契約は1〜2問でした。37条書面が0問だった令和3年度(10月)も、35条書面は4問出ています。3つを合わせると、どの回も4〜8問になります。1回の宅建業法20問のうち、少ない回でも4問はこの3つから出ていた、ということです。
まとまりで見ると、どこに問が集まっているか
論点を、勉強するときのまとまりに分けて足すと、次のようになります(分け方は当サイトによるもの)。
| まとまり | 含む論点 | 直近10回の主 |
|---|---|---|
| 書面と媒介 | 35条書面(重要事項説明)、37条書面、媒介契約 | 59問 |
| 業務のルール | 業務上の規制、広告、帳簿・従業者名簿・従業者証明書、事務所・案内所等 | 27問 |
| 業者が売主のときの制限(8種制限) | 8種制限・クーリング・オフ、8種制限(総合)、8種制限・手付金等の保全措置 | 21問 |
| 免許 | 免許、欠格事由、宅建業の定義(免許の要否) | 18問 |
| お金の預け先 | 営業保証金、保証協会 | 18問 |
| 宅建士 | 宅建士(登録・宅建士証)、変更の登録・登録の移転・変更の届出 | 16問 |
| 報酬 | 報酬 | 11問 |
| 住宅瑕疵担保履行法 | 住宅瑕疵担保履行法 | 10問 |
| 監督処分・罰則 | 監督処分・罰則 | 5問 |
| 宅建業法(総合) | 宅建業法(総合) | 12問 |
| その他 | 犯罪収益移転防止法、建物状況調査、業者間取引 | 3問 |
「書面と媒介」の59問がいちばん大きく、次が「業務のルール」27問、「8種制限」21問です。宅建業法(総合)の12問の中にも、副の論点として37条書面が3問、35条書面が2問、帳簿・従業者名簿と事務所・案内所等が3問ずつ混ざっていました。
副の論点まで含めて数えると、35条書面が主か副で出た問は直近10回で32問、37条書面は22問です。8種制限のうち手付の額の制限・自己の所有に属しない物件・割賦販売・担保責任の特約・損害賠償額の予定は、直近10回では主になっておらず、8種制限(総合)などの問の中の肢として出ています。
個数問題は、なぜ宅建業法で気をつけるのか
個数問題は、4つの肢のうち正しいもの(または誤っているもの)がいくつあるかを答える形です。消去法が使えず、4つの肢をすべて判定しないと点になりません。当サイトの集計では、次のとおり宅建業法に集まっていました。
| 範囲 | 個数問題の数 | うち宅建業法 |
|---|---|---|
| 全40回(2,000問) | 111問 | 100問 |
| 直近10回(500問) | 58問 | 53問 |
直近10回の宅建業法200問の問いの形は、正しいものを選ぶ形が110問、個数問題が53問、誤っているものを選ぶ形が30問、組合せが5問、その他が2問でした。個数問題は約4分の1です。令和7年度は、宅建業法20問のうち10問が個数問題です。個数問題で出た論点は、35条書面8問、業務上の規制7問、37条書面・広告・媒介契約が5問ずつなど、問数の多い論点と重なっています。解き方は宅建の個数問題の解き方で、肢ごとに○△✕を付ける手順として説明しています。
どの順番で時間をかけるか
勉強の順番には、2つの考え方があります。1つは、理解のための順番です。宅建業法は、免許→宅建士→営業保証金→媒介→35条→37条→8種制限と、取引の流れの順に読むと、前の単元の人や書面が次の単元の主語になって筋が通ります。この順番は宅建業法の勉強法で表にしています。
もう1つは、時間を配る順番です。ここで数が使えます。
- 35条書面・37条書面・媒介契約(直近10回で59問)。1回あたり平均6問近くがこの3つで、個数問題にもなりやすい所です。2周目以降は、ここに多めの時間を配ります。重要事項説明と37条書面は、書く事項・説明する事項を比べる表で覚えると、両方の問に使えます。
- 毎回1問ずつ出る単独の論点。報酬・クーリング・オフ・広告・住宅瑕疵担保履行法は10回すべて、営業保証金と宅建士は10回中9回、保証協会は8回でした。範囲が決まっていて、1問分の点に結びつきやすい所です。
- まとまりで数回に1回出る論点。免許・欠格事由・宅建業の定義は合わせて18問、8種制限(総合)・手付金等の保全措置は合わせて11問、監督処分・罰則は5問でした。どれか1つが毎回出るとは限らないので、間をあけて繰り返し、忘れない状態を保つ扱いが合います。
- 出た回が少ない論点。犯罪収益移転防止法・建物状況調査・業者間取引は、直近10回で主は1問ずつです。ただし建物状況調査は副で6問、業者間取引は副で3問に混ざっているので、35条書面や8種制限の肢として押さえます。
これは「来年はこの論点が出る」という予想ではありません。直近10回で問数が多かった所に時間を多く配る、という過去の数にもとづく考え方です。
この数字の使い方
表の数は、問題集のどの章から2周目を始めるかを決めるときに使えます。数の多い論点は、1回解いて終わりにせず、間をあけて同じ論点にもう一度当たるようにします(復習の間隔の決め方)。
宅建業法の○✕は、宅建の5分○✕ドリルで論点を混ぜて続けて解けます。ほかの分野の数は、宅建の出題論点ランキングにまとめています。
今日からやること
- 自分の問題集で、35条書面・37条書面・媒介契約の章に付箋を貼り、2周目はここから始める。
- 直近10回すべてで出ていた報酬・クーリング・オフ・広告・住宅瑕疵担保履行法を、1週間に1回は解く予定に入れる。
- 個数問題の練習では、4つの肢すべてに○△✕を付けてから数を答える。
- 直近10回で主が1問の論点は、35条書面・8種制限の肢として出る所だけ押さえる。
参考にした公式の情報(2026年10月確認)
- 一般財団法人 不動産適正取引推進機構(宅建試験の実施機関)
- 同「宅建試験の問題及び正解番号表」(昭和63年度〜令和7年度の問題と正解番号表のPDF。当サイトの集計の出典)
- 同「試験概要」(50問・四肢択一式、出題の根拠は試験を行う年度の4月1日現在施行の法令)
働く人の法律試験ノート