宅建の法令上の制限の一問一答:数字と例外を見分ける○✕20問

宅建の法令上の制限を、このサイトのオリジナル問題20問で確かめます。○が10問、✕が10問です。過去問の文は使っていません。

法令上の制限の選択肢は、ほとんどが「数字」「区域」「だれの許可か」「例外がどこまでか」の入れ替えで作られます。そこで各問の答えに、見分けどころ(どの数字・どの例外で正誤が決まるか)を付けました。まちがえた問題の見分けどころを集めると、自分が次に覚え直す表が分かります。

条文は、令和8年4月1日時点の版で確かめています。宅建試験は、試験の年の4月1日現在で施行されている法令で出題されます。

この20問の使い方

  1. 答えの段落を隠し、問題文だけを読んで○か✕かを決める。
  2. 答える前に、「この問題は何で決まるか」を一言で言う(例:「市街化区域の面積」「許可する人」)。
  3. 答えを見て、○✕が合っていても、一言が見分けどころと違えば△にする。
  4. ✕と△の問題だけ、数日後にもう一度解く。

前提として、特に断りがない限り、国土利用計画法の規制区域・注視区域・監視区域ではなく、開発許可の面積を条例で変えた区域や大都市圏の特例の区域でもないものとします。区域ごとの数字の整理は宅建の法令上の制限の勉強法と覚え方で表にしています。

都市計画法(開発許可・地区計画)の4問

問1(このサイトのオリジナル問題)
市街化区域内で、Aが自分の住宅を建てるために800平方メートルの土地の区画形質の変更をする。この場合、Aは開発許可を受ける必要はない。

答え:○ [見分けどころ:数字・市街化区域の1,000㎡未満]○です。市街化区域では、1,000平方メートル未満の開発行為は許可がいりません(都市計画法29条1項1号、施行令19条1項)。住宅を建てる目的でも、面積で外れます。なお、三大都市圏の一部では500平方メートル、条例では300平方メートルまで引き下げられることがあり、その区域なら結論が変わります。

問2(このサイトのオリジナル問題)
市街化区域内で、農業を営むAが、農作物を保管する倉庫を建てるために1,500平方メートルの開発行為をする。農林漁業用の建築物のための開発行為なので、Aは開発許可を受ける必要はない。

答え:✕ [見分けどころ:例外がかかる区域]✕です。農林漁業用の建築物と農林漁業者の住宅の例外は、市街化調整区域・区域区分のない都市計画区域・準都市計画区域でだけ使えます(29条1項2号)。正しくは、市街化区域では面積の基準(1,000平方メートル)だけで決まるので、許可がいります。市街化調整区域で使える例外を、市街化区域に広げた取り違えです。

問3(このサイトのオリジナル問題)
市街化調整区域内で、鉄道会社Bが、鉄道事業の駅舎を建てるために3,000平方メートルの開発行為をする。この場合、Bは開発許可を受ける必要はない。

答え:○ [見分けどころ:公益上必要な建築物の例外]○です。駅舎その他の鉄道の施設、図書館、公民館などの政令で定める建築物のための開発行為は、許可がいりません(29条1項3号、施行令21条4号)。この例外には区域や面積の限定がありません。市街化調整区域は「原則どんな広さでも許可がいる」区域なので、✕と迷わせる形です。

問4(このサイトのオリジナル問題)
地区整備計画が定められている地区計画の区域内で、Cが建物を新築する。Cは、工事に着手した日から30日以内に、市町村長に届け出ればよい。

答え:✕ [見分けどころ:届出の時期の向き]✕です。正しくは、行為に着手する日の30日前までに市町村長に届け出ます(58条の2第1項)。届出の内容が地区計画に合わないときは、市町村長は設計の変更などを勧告できます(同条3項)。「30日」の数字は合っていて、前か後かだけを入れ替えた肢です。国土利用計画法の事後届出(契約の後)と混ぜると、ここで落とします。

国土利用計画法と農地法の6問

問5(このサイトのオリジナル問題)
区域区分が定められていない都市計画区域内で、Dが4,500平方メートルの土地を売買で取得した。Dは、国土利用計画法の事後届出をする必要はない。

答え:○ [見分けどころ:数字・市街化区域以外の都市計画区域は5,000㎡]○です。事後届出がいる面積は、市街化区域が2,000平方メートル以上、それ以外の都市計画区域が5,000平方メートル以上、都市計画区域の外が10,000平方メートル以上です(国土利用計画法23条2項1号)。区域区分のない都市計画区域は5,000平方メートルの側です。開発許可の3,000平方メートルと混ぜると✕を選びます。

問6(このサイトのオリジナル問題)
Eは、市街化区域内に3,000平方メートルの一団の土地を持っている。Eがこれを1,500平方メートルずつに分け、FとGに別々に売った。この場合、FもGも事後届出をする必要はない。

答え:○ [見分けどころ:面積は買う側で数える]○です。事後届出の面積は、権利取得者(買う人など)が取得する一団の土地で判断します(23条2項1号)。FとGはそれぞれ1,500平方メートルで、2,000平方メートルに届きません。売るEの土地が合計3,000平方メートルあることは関係ありません。逆に、1人が隣り合う土地を何回かに分けて買い集め、合計が面積に届けば、届出がいります。

問7(このサイトのオリジナル問題)
市街化区域内の2,500平方メートルの土地の売買契約を、売主Hと買主Iが結んだ。事後届出は、HとIが共同して、契約を結んだ日から2週間以内に行わなければならない。

答え:✕ [見分けどころ:届け出る人]✕です。正しくは、権利取得者である買主Iだけが、契約を結んだ日から起算して2週間以内に、市町村長を経由して都道府県知事に届け出ます(23条1項)。売主Hには届出の義務がありません。「2週間」は正しく、届け出る人だけを入れ替えています。不動産の登記が売主と買主の共同申請であることと混ぜた形です。

問8(このサイトのオリジナル問題)
市街化区域内の農地を所有するJが、その農地を農地のまま、耕作を続ける農家Kに売る。あらかじめ農業委員会に届け出れば、農地法3条の許可を受ける必要はない。

答え:✕ [見分けどころ:届出の特例がある条文]✕です。市街化区域内の農地について「あらかじめ農業委員会に届け出れば許可がいらない」特例は、転用する4条と、転用のために売る5条にだけあります(農地法4条1項7号、5条1項6号)。正しくは、農地のまま売る3条には市街化区域の特例がなく、農業委員会の許可がいります(3条1項)。4条・5条の特例を3条に広げた取り違えです。

問9(このサイトのオリジナル問題)
農地を持っていた父が亡くなり、子Lがその農地を相続した。Lは、農地法3条の許可を受ける必要はないが、遅滞なく、その農地のある市町村の農業委員会に届け出なければならない。

答え:○ [見分けどころ:許可の例外と届出]○です。3条の許可は、売買などで当事者が権利を移すときに受けるものです(3条1項は「当事者が」許可を受けると定めています)。相続は人の死亡で権利が移るので、許可はいりません。そのかわり、許可を受けずに権利を取得した人として、遅滞なく農業委員会に届け出ます(3条の3)。「許可がいらないなら手続きも何もいらない」と考えると✕を選びます。

問10(このサイトのオリジナル問題)
市街化調整区域内の農地を所有するMが、その農地を自分で月極駐車場にする。この場合、Mは農業委員会の許可を受けなければならない。

答え:✕ [見分けどころ:許可する人]✕です。自分の農地を農地以外にする転用は4条で、正しくは都道府県知事(農林水産大臣が指定した市町村の区域では、その市町村長)の許可です(4条1項)。農業委員会の許可は、農地を農地のまま売る3条の場合です。市街化調整区域なので、届出の特例もありません。3条と4条の許可する人を入れ替えた肢です。

国土利用計画法の面積と期限は国土利用計画法の届出をわかりやすく、農地法の3条・4条・5条は農地法をわかりやすくで整理しています。

建築基準法の8問

問11(このサイトのオリジナル問題)
特定行政庁が、道路の幅員を6メートル以上とする区域として指定した区域内にある2項道路では、原則として、道の中心線から水平距離3メートルの線が道路の境界線とみなされる。

答え:○ [見分けどころ:数字・6メートル区域の後退距離]○です。2項道路は、ふつうは中心線から2メートルの線が道路の境界線とみなされます(建築基準法42条2項)。ただし、6メートルの区域として指定された区域内では3メートルです(特定行政庁が避難・通行の安全上支障がないと認めれば2メートル)。「2項道路は2メートル」とだけ覚えていると✕を選びます。

問12(このサイトのオリジナル問題)
第一種住居地域内の敷地で、都市計画で定められた容積率は30/10、前面道路の幅員は5メートルである。前面道路の幅に6/10をかけると30/10になるので、容積率の上限は30/10である。(特定行政庁が指定する区域ではないものとする)

答え:✕ [見分けどころ:前面道路にかける数字]✕です。前面道路が12メートル未満のとき、住居系の地域(第一種住居地域を含む)では、道路の幅に4/10をかけます(52条2項2号)。正しくは5×4/10=20/10で、都市計画の30/10より小さいので、上限は20/10です。6/10は、商業系・工業系などの「その他の建築物」にかける数字(同項3号)です。

問13(このサイトのオリジナル問題)
都市計画で建ぺい率が8/10と定められた近隣商業地域で、防火地域内にある敷地に、Nが耐火建築物を建てる。この場合、建ぺい率の制限は適用されない。

答え:○ [見分けどころ:緩和の段階]○です。建ぺい率の限度が8/10の地域で、防火地域内にある耐火建築物等は、建ぺい率の制限そのものが適用されません(53条6項1号)。1/10を足す緩和(同条3項1号)は、8/10の地域の防火地域では使われない作りです。「防火地域の耐火建築物は1/10足す」とだけ覚えていると、9/10と考えて✕を選びます。

問14(このサイトのオリジナル問題)
防火地域内に、Oが地階のない2階建て・延べ面積80平方メートルの事務所を建てる。この建物は、耐火建築物等としなくても、準耐火建築物等の水準とすれば足りる。

答え:○ [見分けどころ:数字・防火地域の「3階以上か100㎡超」]○です。防火地域で耐火建築物等の水準が求められるのは、階数3以上か延べ面積100平方メートル超の建物です(61条、施行令136条の2第1号)。階数2以下で100平方メートル以下なら、準耐火建築物等の水準でよいとされています(同条2号)。防火地域の「階数」は地階も数えるので、地階が1つあれば階数は3になる点にも注意します。「防火地域ならどんな建物も耐火」と考えると✕を選びます。

問15(このサイトのオリジナル問題)
Pが建てる建物は、防火地域と準防火地域にまたがっている。敷地の過半が準防火地域にあるので、この建物には全体に準防火地域の規定が適用される(防火壁による区画はないものとする)。

答え:✕ [見分けどころ:またがったときの決め方]✕です。建物が防火地域と準防火地域にまたがるときは、正しくは建物の全部に防火地域の規定が適用されます(65条2項)。決め手は敷地の過半ではなく、建物がかかっているかどうかと、厳しいほうです。「敷地の過半」で決めるのは用途制限(91条)で、それと取り違えた肢です。

問16(このサイトのオリジナル問題)
都市計画区域・準都市計画区域・準景観地区のどれにも入っておらず、知事が指定した区域でもない土地に、Qが木造平屋建て・延べ面積150平方メートルの住宅を新築する。この場合、建築確認を受ける必要はない。

答え:○ [見分けどころ:3号の建物は区域で決まる]○です。平屋で延べ面積200平方メートル以下の住宅は6条1項3号に当たり、都市計画区域・準都市計画区域などの中で建てるときだけ確認がいります。2025年4月の改正で「2階以上か200平方メートル超」は全国で確認がいるようになりましたが、この住宅はそれに当たりません。改正で「木造も全部確認がいる」と広げて覚えると✕を選びます。

問17(このサイトのオリジナル問題)
準防火地域内にある、都市計画区域内の木造2階建ての住宅に、Rが床面積8平方メートルの増築をする。増築する部分が10平方メートル以内なので、建築確認を受ける必要はない。

答え:✕ [見分けどころ:10㎡の例外がかかる場所]✕です。増築・改築・移転の部分が10平方メートル以内なら確認がいらない例外は、防火地域・準防火地域の外に限られます(6条2項)。正しくは、準防火地域内なので、8平方メートルの増築でも確認がいります。場所の限定を落として、例外を広げた肢です。

問18(このサイトのオリジナル問題)
Sの敷地は、3分の2が第二種住居地域に、3分の1が第一種低層住居専用地域にある。第一種低層住居専用地域では建てられないが、第二種住居地域では建てられる用途の建物を、Sはこの敷地に建てることができる(特定行政庁の許可はないものとする)。

答え:○ [見分けどころ:用途は過半で決める]○です。敷地が2つの用途地域にまたがるときは、敷地の過半が属する地域の用途のルールを、敷地全体に当てはめます(91条)。過半は第二種住居地域なので、その地域で建てられる建物なら建てられます。建ぺい率・容積率のように「面積で按分」すると考えると、迷って✕を選びます。

建築基準法の8つの論点を、場所で決まるか建物で決まるかで整理した地図は、宅建の建築基準法の覚え方にあります。

土地区画整理法と盛土規制法の2問

問19(このサイトのオリジナル問題)
町の区域内で、個人施行者Tが施行する土地区画整理事業の施行地区内(認可の公告後、換地処分の公告前)で、Uが事業の施行の障害となるおそれのある建物を新築する。この場合、Uは施行者であるTの許可を受けなければならない。

答え:✕ [見分けどころ:許可する人]✕です。施行地区内で事業の障害となるおそれのある建物の新築などをするときは、正しくは都道府県知事の許可がいります(土地区画整理法76条1項)。国土交通大臣が施行する事業なら大臣、市の区域内で個人施行者・組合・区画整理会社が施行する事業なら市長です。町の区域なので、知事です。事業をしている施行者を許可する人だと思い込んだ取り違えです。

問20(このサイトのオリジナル問題)
宅地造成等工事規制区域内で、Vが宅地以外の土地を宅地にするため、300平方メートルの土地に盛土をし、高さ1.5メートルの崖ができる。面積が500平方メートル以下なので、都道府県知事の許可を受ける必要はない(政令で除かれる工事ではないものとする)。

答え:✕ [見分けどころ:基準は「どれか1つ」]✕です。盛土で高さ1メートルを超える崖ができるものは、それだけで許可の対象になる土地の形質の変更です(宅地造成及び特定盛土等規制法施行令3条1号、法12条1項)。正しくは、面積が300平方メートルでも許可がいります。500平方メートルを超えるという面積の基準(同条5号)は、崖の高さなどの基準に当たらないときに使う、別の基準です。切土の「2メートル超の崖」とも区別します。

まちがえた問題の見分けどころを一覧で見る

20問の見分けどころを、型ごとにまとめます。まちがえた問題の番号に印を付け、印が多い型の表から覚え直します。

型問覚え直すもの
数字の入れ替え1・5・11・12・14区域ごとの面積、前面道路にかける数字、防火の階数と面積
例外の範囲を広げる2・8・16・17例外がかかる区域・条文の範囲
だれが・だれの許可7・10・19届け出る人、許可する人
時期や基準の向き4・6・15・18・20前か後か、買う側か売る側か、過半か按分か
意外な例外(○)3・9・13例外があることそのもの
  • 数字の型で落とした人は、区域を行、法律を列にした表を、白紙から埋め直します。
  • 例外の型で落とした人は、例外ごとに「どの区域で・どの条文で」をセットで覚えます。
  • だれの型で落とした人は、手続きごとに「だれが・だれに」を並べます。

まとめ

  • 法令上の制限の肢は、数字・区域・だれの許可か・例外の範囲の入れ替えで作られる。答える前に「何で決まるか」を一言で言う。
  • 開発許可の面積の例外は市街化区域・区域区分のない都市計画区域・準都市計画区域だけ。農林漁業の例外は市街化区域にはない。駅舎・図書館などは区域を問わず許可不要。
  • 事後届出は買う側が、契約から2週間以内に、買う側の面積で判断する。
  • 農地法は、3条が農業委員会、4条・5条が都道府県知事等。市街化区域の届出の特例は4条・5条だけ。相続は許可不要だが届出がいる。
  • 建築基準法は、またがりの決め方(用途は過半・建ぺい率と容積率は按分・防火は建物全体に厳しいほう)と、確認の10平方メートルの例外の場所に注意する。

この分野の○✕は、このサイトの宅建の5分○✕ドリルの「法令上の制限」で続けて解けます。この記事の20問とは別のオリジナルの肢で、1回10問ずつ、✕と△が日をおいて戻ってくる作りです。

次に読むなら、宅建の都市計画法の覚え方がおすすめです。問1〜3の開発許可の面積と例外は、区域の分け方が頭に入っていると、表の行がそのまま決まります。

参考にした公式の情報(2026年10月確認)

条文は、e-Gov法令API(v2)で令和8年4月1日時点(asof=2026-04-01)の版を指定して確かめました。

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