行政書士試験研究センターが正解を公表するのは、合格発表日(令和8年度は令和9年1月27日)以降です。それまでの自己採点は、民間の解答速報を使った「見込み」です。記述式は、採点基準が公式に示されていません。だから点を一つに決めず、「0点〜◯点」の幅で見積もります。いちばん低く見ても基準を超えるか。いちばん高く見ても届かないか。これで発表までの過ごし方を決めるのが現実的です。
このページでは、次の順に説明します。正解はいつ出るのか、採点の手順、記述式の幅の置き方、結果ごとの過ごし方です。
正解はいつ、どこで公表されるのか
令和8年度の試験案内によると、試験問題は令和8年11月16日(月)以降に公表されます(著作権に関係するものはのぞく)。正解などは、令和9年1月27日(水)の合格発表日以降です。どちらもセンターのホームページに出ます。FAQ(よくある質問)では、試験問題についての問い合わせには応じないとされています。試験結果や得点についての問い合わせも同じです。
| 時期 | 出るもの |
|---|---|
| 令和8年11月8日(日) | 試験。問題用紙は終了後に試験室で受け取る |
| 令和8年11月16日(月)以降 | 試験問題の公表(著作権に関係するものはのぞく) |
| 令和9年1月27日(水) | 合格発表。正解などもこの日以降に公表 |
| 合格発表日 | 合否通知書を送る(欠席した人などをのぞく受験者全員) |
| 令和9年2月12日(金)予定 | 合格した人へ合格証を簡易書留で送る |
FAQによると、合否通知書には合否・配点・合格基準点・得点が書かれています。つまり、自分の正式な点数が分かるのは合格発表のときです。
記述式は、センターの「過去の試験問題と正解」で正解のページを見ても、採点基準は書かれていません(2026年10月確認)。採点基準とは、どの言葉に何点を配るか、という決まりです。部分点の付け方も示されていません。自己採点で記述式の点を言い切れないのは、このためです。
自己採点の前に手元にそろえるもの
- 問題用紙:答案用紙は持ち帰れません。選んだ番号を書き写した問題用紙が、採点の材料になります。試験が終わったら、試験室で受け取ります(午後4時15分を過ぎると受け取れないことがあります)。
- 記述式に書いた文:問題用紙に書き写していなければ、覚えているうちに書き出します。できるだけ、書いたとおりにします。時間がたつほど、自分に都合のよい文に変わりがちです。
- 解答速報(できれば複数):使い方は次の項で書きます。
当日の持ち物や、問題用紙に答えを書き写す段取りは試験当日の記事にまとめています。
解答速報はどう使えばよいか
試験のあと、受験指導をしている民間の会社などが、解答速報(すぐに出す答えの予想)を出すことがあります。センターの正解ではないので、次のことを頭に置いて使います。
- 公式ではない:公式の正解が出るのは合格発表日以降です。速報は、それまでの見込みです。
- 速報どうしで答えが分かれることがある:いくつか見比べて、分かれている問題に印をつけます。
- あとで直されることがある:一度採点したら終わり、にしません。数日後にもう一度見直します。
答えが分かれた問題で、自分の答えがどちらかの速報と同じだったとします。その場合は、正解だったときと不正解だったときの両方で計算しておきます。5肢択一式(5つの中から1つ選ぶ問題)なら、1問ごとに4点の幅ができます。この幅を消そうと、掲示板やSNSを見続けても意味はありません。公式の正解が出るまで、答えは決まらないからです。
択一・多肢選択・基礎知識はどう数えるか
令和8年度の配点は、合格発表のときに公表されます。そこで、ここでは令和7年度の合否判定基準の配点を使います。
- 法令等の5肢択一式:正解した数×4点です(令和7年度は40問・160点満点)。法令等とは、憲法・行政法・民法などの法律の科目のことです。
- 多肢選択式(文の空欄に合う語句を選ぶ問題):合っている空欄の数×2点です(1問8点、3問で24点満点)。1問の中で一部だけ合っていても、その空欄の分は数えます。
- 基礎知識:正解した数×4点です(14問・56点満点)。ここは法令等と分けて数えます。
- 3つの基準を別々に確かめる:令和7年度の基準では、次の3つをすべて満たす必要がありました。法令等122点以上、基礎知識24点以上、全体180点以上です。
速報で答えが分かれた問題が、足切り(科目の点が足りないと、合計に関係なく不合格になるしくみ)の線にかかることもあります。たとえば基礎知識で、分かれていない問題の正解が5問、分かれた問題が2問だったとします。基礎知識は20点〜28点の幅になります。24点(6問)を超えるかどうかは、分かれた問題しだいです。この場合は、全体の点より先に「基礎知識で6問取れたか」で判断します。法令等の122点も同じです。分かれた問題を入れない点と、入れた点の両方で確かめます。
基準点は、問題の難しさによって調整されることがあります(補正的措置(ほせいてきそち))。自己採点で180点に少し届かなくても、それだけで不合格とは決まりません。少し超えていても、同じく決まりません。基準のしくみは合格点と足切りの記事でくわしく扱っています。
記述式を「0点〜◯点」の幅で見積もる方法
記述式は1問20点、3問で60点です(令和7年度の配点)。採点基準が示されていないので、当サイトでは次のように幅で置くことをすすめます。これは見積もりのための当サイトの目安です。公式の採点基準ではありません。
手順1:自分の答えを3つに分ける
解答速報の解答例と見比べます。問題ごとに、次のどれに近いかを決めます。
- A:問いにまっすぐ答えている。解答例にある要素(誰が・何を・どうなる、など)がほぼそろっている。
- B:結論の向きは合っている。でも、要素が一部欠けているか、言葉が違う。
- C:問いとずれている。または白紙。
手順2:下限と上限を置く
下限(いちばん低く見た点)は、全部の問題で0点にします。Aでも、採点で思わぬ減点があるかもしれないからです。上限(いちばん高く見た点)は、Aを20点、Bを10点、Cを0点として足します。Bを半分にするのは、甘く見すぎないための当サイトの置き方です。部分点が付くかどうかも分からないからです。
手順3:記述式で何点あればよいかを逆算する
先に、記述式以外の点を出します。そのうえで、180点まで何点足りないかを計算します。次は説明のための仮の数字です。受験生のあかりさんの自己採点が、こうだったとします。
- 法令等の5肢択一式:27問正解で108点
- 多肢選択式:空欄14個正解で28点
- 基礎知識:8問正解で32点(24点以上なので足切りは超える)
記述式以外の合計は168点です。全体で180点にするには、記述式で12点が必要です。法令等は、記述式なしでも108+28=136点です。122点を超えています。あかりさんの場合、考えることは「記述式で12点を取れているか」の一つにしぼられます。手順2の上限が12点に届かなければ、厳しいと読みます。下限の0点でも足りるなら、見込みは明るいと読みます。40字の答えを自分で点検するときは、記述式の書き方の記事の型と比べてください。AとBの線を引きやすくなります。
結果ごとに、発表までどう過ごすか
記述式の幅をもとに、自分が次の3つのどれに当たるかを決めます。
| 状況 | 発表までの過ごし方の例 |
|---|---|
| 記述0点でも基準を超える | 合格後の手続きを調べ始める |
| 記述しだい(下限と上限の間に基準がある) | 両方に備える。考える期限を決める |
| 記述が上限でも届かない | 次の年度に向けて、どこで落としたかを調べる |
記述0点でも基準を超えそうなとき
まだ合格が決まったわけではありません。試験案内には、答案用紙の注意も書かれています。氏名・生年月日・受験番号の記入やマークが正しくないと、採点されません。その場合は欠席とみなされます。基準点が調整されることもありえます。そのうえで、合格後の登録の流れや期間を知っておくと、発表後にあわてずに済みます。登録の申請は合格してからなので、この時期は調べるだけで十分です(合格後の登録の記事)。
記述しだいのとき
いちばん落ち着かない状況です。記述式の採点基準は公表されていないので、何度見直しても幅は幅のままです。そこで、考える期限を決めます。たとえば「11月中は考えてよい」「それより後は考えない」のようにします。合格していたときの手続きと、不合格だったときの来年の計画を、どちらも軽く用意しておきます。勉強を完全に止めるか、週に少しだけ続けるか。これは、来年も受ける見込みがどれくらいあるかで決めてください。
記述が上限でも届かないとき
落ちこむのは自然なことです。それでも、自己採点の記録は次の年度の材料になります。科目ごと・問題の形ごとに、どこで何点落としたかを書き出しておきます。基礎知識で足切りにかかっていたのか、法令等の択一が足りなかったのか。どちらかで、来年の計画は大きく変わります。
もう一つ、出題の基準日に気をつけます。試験は「試験を実施する日の属する年度の4月1日現在施行されている法令」から出されます。つまり、その年度の4月1日に効力がある法律が範囲です。たとえば行政書士法の改正(2026年5月21日施行)は、令和8年度試験では範囲外でした。この決まりに当てはめると、次の年度からは範囲に入ってきます(行政書士法の改正の記事)。教材を買い直すかどうかもふくめて、計画は独学の進め方の記事から組み直せます。
合格発表の日に確かめること
令和9年1月27日(水)午前9時に、合格した人の受験番号が発表されます。センター事務所の掲示板にはり出され、ホームページにも載ります。正解なども、この日以降に公表されます。
- 公式の正解で、択一・多肢選択・基礎知識の自己採点を確定させる。
- 合否通知書の得点と見比べる。確定した択一などの点を引けば、記述式に何点付いたかの見当がつきます。自分の見積もりのくせ(甘いか辛いか)も分かります。次に記述を書くときの物差しになります。
- 合格していたら、合格証が届くのを待ちながら、登録の準備に進む(合格証は令和9年2月12日発送予定)。合格証は作り直してもらえないので、届いたら大切にしまっておきます。
このサイトで次に読むなら、記述0点でも基準を超えそうな人は合格後の登録の記事です。次の年度も受けるつもりの人は、採点結果を手元に置いて勉強時間の考え方を読むと、次に何をするか決めやすくなります。
参考にした公式の情報(2026年10月確認)
- 行政書士試験研究センター「令和8年度 試験案内」(試験問題・正解等の公表時期、合格発表、合否通知書、合格証の発送)
- 行政書士試験研究センター「試験・申込手続きについてのFAQ」(合否通知書の記載事項、合格発表の方法、問い合わせへの対応、合格証)
- 行政書士試験研究センター「試験当日についてのFAQ」(問題用紙の受け取り)
- 行政書士試験研究センター「合否判定基準」(令和7年度)
- 行政書士試験研究センター「過去の試験問題と正解」
- 行政書士試験研究センター「試験の概要」(出題の基準日の一般的な定め)
- e-Gov法令検索「行政書士法」(改正履歴)
働く人の法律試験ノート