家事・子育てをしながら宅建を独学で受ける:細切れの時間で回す1週間の組み方

家事や子育てで、まとまった勉強時間が取りにくい人が宅建を独学で受けるなら、勉強を2つに分けます。15分ほどで区切れる勉強と、30分以上続けないと進まない勉強です。

  • 15分で区切れる:宅建業法の数字を隠して言う、前の日にまちがえた肢を解き直す、○✕を10問解く、法令上の制限の表を穴埋めする。
  • まとまった時間がいる:新しい単元を読んでその場で解く、権利関係(民法など)の事例を図にして解く、2時間で50問を通して解く。

15分の勉強は家事の合間に、まとまった勉強は家族の予定から先に確保した週3〜4回の時間に置きます。ただし、細切れの時間は「少ない時間で受かる方法」ではありません。宅建は範囲を一通り学び、問題を何度も解き直すための、合計でまとまった時間が要る試験です。この記事では、勉強の分け方、1週間の例、始める時期の見積もり方、試験当日の準備までを順に示します。教材の選び方と勉強する分野の順番は、宅建を独学で受けるにはにまとめています。

細切れの時間でできること・できないこと

15分で区切れるかどうかは、「途中で止めても、次に再開するときに前の続きを思い出す手間がかからないか」で決まります。○✕1問や数字1行は、どこで止めても次に困りません。権利関係の事例問題は、登場人物の関係を図にしている途中で止めると、次に図を描き直すことになります。

勉強の中身15分で区切れるか置く場所
宅建業法の数字を隠して言う区切れる家事の合間
前の日の✕と△の肢を解き直す区切れる家事の合間
○✕を10問解く区切れる家事の合間
法令上の制限の表を穴埋めする区切れる家事の合間
新しい単元を読んで、その場で解く区切りにくいまとまった時間
権利関係の事例を図にして解く区切りにくいまとまった時間
2時間で50問を通して解く区切れない休日の2時間

(区切れるかどうかは当サイトの判断で、研究で決まった線ではありません。)

細切れの時間を復習に使うことには、研究の裏づけがあります。大人1,350人あまりに事実を覚えてもらった実験(Cepedaら、2008年)では、同じ内容を間をあけて学び直すほうが、あとまで残りました。よい間隔はテストまでの期間で変わり、1週間後のテストならその20〜40%、1年後のテストなら5〜10%ほどでした。家事の合間の15分で、2〜3日前や1週間前の内容を思い出すのは、この「間をあけた復習」をそのまま生活に組みこむことになります。

細切れの15分では、何をどう解くか

15分を始めてから何をやるか迷うと、それだけで時間がなくなります。前の晩に、次の日の15分で使う物を決めておきます。

  1. 問題集の✕と△の肢に付箋を貼り、ページを開いた状態で置いておく。
  2. 宅建業法の数字の表を1枚、スマホで撮っておく(数字の列を隠せるように)。
  3. このサイトの宅建の5分○✕ドリルのように、1回10問で終わる練習をスマホのホーム画面に置く。

15分の中身は、たとえば「数字の表を3分隠して言う→前の日の✕の肢を5分解き直す→○✕を7分」です。どれも答えを見る前に自分で思い出し、まちがえた所に印を付けます。通勤や昼休みの15分の組み方は通勤・昼休みの15分でやることで書いていますが、家事の合間でも、やることは同じです。

15分を始めるきっかけを、家事の区切りに結びつけておくと続けやすくなります。「洗濯機を回したら、○✕を10問」「夕食の片づけが終わったら、数字の表を3分」のように、「〜したら、〜する」の形で前もって決めておく方法です。この形の計画(実行意図)について、94の検証をまとめた分析(Gollwitzer & Sheeran、2006年)は、目標の達成に中くらいから大きい効果(d=0.65)があったと報告しています。ただし、試験勉強だけを対象にした研究ではないので、「始めるきっかけを決めておく工夫の一つ」として使います。

まとまった時間は、どこに何を置くか

まとまった時間は、週の初めに家族の予定を見て、先に場所を決めます。子どもが寝たあと、家族が出かけている時間、休日に家族の協力を頼める時間など、毎週ほぼ同じ時間に取れる所を選びます。家族への頼み方は仕事・家族と両立しながら勉強する人の気持ちの整え方で扱っています。

まとまった時間に置くのは、次の3つです。

  • 新しい単元を読んで、その場で解く(60分ほど):基本書で1単元を読み、すぐにその単元の分野別の過去問を解きます。まちがえた肢には印を付け、その印が、次の日からの15分の材料になります。
  • 権利関係の事例(60〜120分):売主・買主・第三者のような登場人物を図にして、どのルールを当てはめるかを考えます。途中で止めにくいので、細切れには置きません。
  • 2時間の通し練習(勉強の後半):本番と同じ2時間で50問を解きます。試験は13時からなので、休日の午後に取れると本番に近くなります。

1週間の例

まとまった時間を週に6時間、細切れの15分を1日2〜3回取る例です。当サイトの例で、家族の予定によって曜日は入れかえてかまいません。

曜日細切れ(15分)まとまった時間中身
月3回60分新しい単元を読んで解く
火3回なし月曜の✕を細切れで
水3回60分新しい単元を読んで解く
木3回なし水曜の✕を細切れで
金3回60分新しい単元を読んで解く
土2回2時間権利関係の事例・週の✕
日2回1時間予備(崩れた分の取り戻し)

この例では、まとまった時間が週6時間、細切れが週4時間45分です。日曜の1時間は、予定どおりに進んだ週は前の週の単元の解き直しに使い、崩れた週は取り戻しに使います。予備の時間を最初から入れておくと、1回崩れただけで計画全体をやり直さずに済みます。

何か月前から始めればよいか

必要な時間の見積もりは、宅建の勉強時間は何ヶ月・何時間かの手順で、基本書の単元の数×1単元の時間×回す回数から出します。その記事の計算の例(仮の数字)では、1周目と解き直し、通し練習までで約220時間でした。合格に足りる時間の目安ではなく、計算のしかたを見せるための数字です。

見積もりに数えるのは、まとまった時間だけにします。細切れの時間は、その上乗せです。細切れで解き直しの一部を受け持てれば、まとまった時間を新しい単元に回せますが、どれだけ減るかは人によってちがうので、見積もりは少なめに見ておくほうが崩れにくくなります。

上の例の週6時間で計算すると、約220時間は約37週(9か月ほど)です。体調や家族の行事で止まる週を見込んで2割足すと約264時間、約44週(10か月ほど)になります。10月の第3日曜日の試験から逆算すると、前の年の12月ごろに始める計算です。始める時期ごとの月の組み方は、次に紹介する勉強スケジュールの記事にまとめています。

まとまった時間が週3時間しか取れないなら、同じ約220時間は約73週、1年5か月ほどになります。この場合は、翌年の試験を本命にして、まとまった時間を少しでも増やせないかを先に考えます。

予定が崩れた週は、どうするか

子どもの体調や家族の行事で、まとまった時間が取れない週は出てきます。そのときの決まりを、先に作っておきます。

  • 新しい単元を止める:まとまった時間がなくなった週は、新しい単元に進まず、細切れで✕と△の解き直しだけを続けます。前に学んだ所を忘れないことを優先します。
  • 取り戻しは1週間に1回まで:日曜の予備の1時間で取り戻せない分は、計画の終わりにずらします。翌週に倍の時間を入れる計画は、また崩れやすくなります。
  • 最低ラインを決める:細切れの15分も取れない日は、数字の表を1分見るだけでもよい、と決めておきます。勉強を完全に切らさないことが、翌日に戻りやすくします。

2週間続けて崩れたら、見積もりの週の時間を実際に取れた時間に直して、試験日までに間に合うかを計算し直します。間に合わないと分かったら、範囲を絞るか、翌年に置くかを決めます。気づくのが早いほど、選べることが多くなります。

申込と試験当日に、前もって決めておくこと

宅建試験は年1回、10月の第3日曜日です。令和8年度は10月18日(日)です。家族の予定と重ねて、次の日付を先に書き込んでおきます。

  • 申込:例年7月です。令和8年度はインターネットが7月1日〜31日、郵送が7月1日〜15日でした。試験の実施は原則として毎年6月の第1金曜日に公告されるので、翌年度の日程はそこで確かめます。
  • 受験する場所:原則として、住んでいる都道府県で受けます。会場は自分では選べず、受験票などで知らされます。
  • 試験当日:試験は13時から15時までの2時間で、12時30分までに着席します。途中で退出はできません(登録講習修了者は13時10分から)。

子どもを預ける場合は、会場までの移動を含めて、昼前から夕方まで家を空ける前提で、家族や預け先と早めに決めておきます。試験当日の時間配分と持ち物は、このサイトの「宅建試験の当日」の記事にまとめています。

今日からやること

  • 1週間の家族の予定を書き出し、毎週ほぼ同じ時間に取れる「まとまった時間」を3〜4か所決める。
  • 家事の区切りを3つ選び、「〜したら、○✕を10問」の形で書いておく。
  • 問題集の✕と△に付箋を貼り、翌日の15分で使うページを開いて置く。
  • 週のまとまった時間で約220時間(または自分で見積もった時間)を割り、始める月を出す。

このサイトで次に読むなら、宅建の勉強スケジュールがおすすめです。この記事で出した「始める月」から、試験までの月ごとの組み方を決められます。

参考にした研究・資料(2026年10月確認)