宅建試験の合格点と合格率:毎年変わる合格基準点と直近5年の数字

宅建試験の合格点(合格基準点)は毎年変わります。試験の前に「何点で合格」と決まっているわけではなく、合格発表の日に「合否判定基準」(何点以上を合格にしたかの線)として公表されます。直近5年では、50問中33点(令和7年度)から37点(令和6年度)の間でした。

合格率は、同じ5年で15.6%〜18.7%です(令和3年度12月の試験をふくみます)。令和8年度の合格基準点は、11月25日(水)午前9時30分の合格発表で分かります。この記事では、不動産適正取引推進機構(以下「機構」)が公表している数字だけを使って、合格点と合格率の見方を整理します。

合格点はどのように発表されるか

宅建試験は、50問の4択の問題に、マークシートで答える試験です。合格基準点は「50問中33点」のように、50問中の点数で示されます。

合格基準は、合格発表の日に、合格者の受験番号や正解番号といっしょに機構のサイトに載ります。当サイトが確かめた機構の案内(試験概要・よくある質問)には、「何点以上で合格」と前もって決めた記述は見当たりませんでした。そのため、「35点が合格ライン」のような決まった点数があるわけではありません。

ここが行政書士試験との大きな違いです。行政書士試験は、合格基準の点数が前もって示されています(補正されることはあります)。くわしくは行政書士試験の合格点と足切りで扱っています。

直近5年の合格点と合格率はどうだったか

機構の「試験実施概況(令和7年度以前10年間)」から、直近5年の数字を並べます。令和3年度は、10月と12月の2回に分けて試験が行われたので、2行あります。「修了者」は、5問免除を受ける登録講習修了者のことです(あとで説明します)。

年度一般の基準点修了者の基準点合格率
令和7年度50問中33点45問中28点18.7%
令和6年度50問中37点45問中32点18.6%
令和5年度50問中36点45問中31点17.2%
令和4年度50問中36点45問中31点17.0%
令和3年度(10月)50問中34点45問中29点17.9%
令和3年度(12月)50問中34点表では「-」15.6%

受験した人と合格した人の数は、次のとおりです。合格率は「合格者数÷受験者数」で計算されています。

年度申込者数受験者数合格者数
令和7年度306,099人245,462人45,821人
令和6年度301,336人241,436人44,992人
令和5年度289,096人233,276人40,025人
令和4年度283,856人226,048人38,525人
令和3年度(10月)256,704人209,749人37,579人
令和3年度(12月)39,814人24,965人3,892人

参考までに、令和2年度も10月と12月の2回でした。10月の試験は合格基準点38点・合格率17.6%、12月の試験は36点・13.1%です。2回に分けた理由について、機構の公式の説明は当サイトでは確かめられていません。

合格点が毎年変わるのはなぜか

じつは、合格基準点をどうやって決めているかの詳しい基準は、機構の案内には書かれていません。当サイトで確かめられたのは、「合格基準は合格発表の日に公表される」ことと、「前もって決まった点数は示されていない」ことです。

数字から言えることもあります。直近5年で、合格基準点は33点から37点まで、4点の幅で動いています。一方、合格率は15.6%から18.7%で、およそ3ポイントの幅です。ただし、機構が合格率を目安にして合格点を決めている、とは公表されていません。「毎年だいたい◯%が受かるように決まる」と言い切るのは、根拠のない話になります。

前の年からどれだけ動いたかを、上の表から当サイトで計算すると次のとおりです(令和3年度は10月の試験と比べています)。

年度合格基準点前の年との差
令和4年度36点2点上がった
令和5年度36点変わらない
令和6年度37点1点上がった
令和7年度33点4点下がった

受験する人にとって大事なのは、「去年は33点だったから、今年も33点で受かる」とは考えられない、という点です。令和6年度は37点、令和7年度は33点で、1年で4点動いた例もあります。

登録講習修了者の合格点はどう扱われるか

登録講習修了者とは、宅建の仕事をしている人が受けられる「登録講習」を終え、その修了試験に合格した人です。この人たちは、50問のうち5問(問46〜50)が免除され、45問で受験します。

  • 合格基準点:一般の受験者とは別に「45問中◯点」で示されます。上の表のとおり、数字がある年は、一般の受験者より毎年5点低くなっています。
  • 免除される範囲:宅建業法施行規則8条の1号(土地・建物の形質など)と5号(需給に関する法令と実務)です(施行規則10条の14)。
  • 解く問題と時間:問46〜50を解かず、問1〜問45だけを解きます。試験は13時10分からの1時間50分で、一般の受験者より10分短くなります。
  • 使える期間:登録講習の修了試験に合格した日から3年以内に行われる試験です。
  • 受けられる人:宅建業で働いている人(従業者証明書を持つ人)だけです。一般の人は受けられません。

注意したいのは、上の表の合格者数と合格率が、一般の受験者と登録講習修了者を合わせた数字だという点です。登録講習修了者だけの受験者数や合格率は、この表には載っていません。講習の中身や申込の注意は5問免除(登録講習)の記事で扱っています。

合格率の数字はどう読めばよいか

合格率は「受験した人」のうち何人が合格したかです。申し込んだ人の数ではありません。令和7年度は、申し込んだ人が306,099人、実際に受けた人が245,462人でした。計算すると、申し込んだ人のおよそ8割が受験したことになります(当サイトの計算で、機構が公表した数字ではありません)。

合格率が2割に届かない、という数字だけを見ると難しく感じるかもしれません。ただ、受験する人の準備の度合いはさまざまで、合格率だけで「自分が受かるかどうか」は分かりません。行政書士試験の合格率と比べたいときは、行政書士試験の合格率の推移も参考になります。試験の仕組みが違うので、数字をそのまま比べるときは注意してください。

目標の点数はどう考えればよいか

合格点が試験の前に決まっていない以上、「◯点取れば合格」と言い切れる点数はありません。目標を立てるときの材料として使えるのは、過去の数字です。

  • 直近5年の合格基準点は、33点〜37点でした。
  • 5年より前を見ると、令和2年度10月の試験は38点でした(機構の10年分の表より)。
  • 過去の基準点より高い点を取れても、その年の基準点がもっと高ければ合格にはなりません。

過去の幅の上のほうを目安にする考え方もあれば、分野ごとに取りたい点を積み上げる考え方もあります。なお、「権利関係◯問・宅建業法◯問」といった分野ごとの問題数は、機構が公式に内訳を出したものではありません。分野の考え方は宅建試験の科目と出題範囲で扱っています。

過去問を解いたときの点数の見方

機構のサイトには、昭和63年度から令和7年度までの問題と正解番号表が載っています。過去の問題を時間を計って解いたときは、自分の点数を「その年度の合格基準点」と比べると、どのくらい足りないか(あるいは届いているか)が分かります。年度ごとに基準点が違うので、どの年度も同じ点数と比べるより、実際の合格の線に近い比べ方になります。

ただし、機構は過去問のページで「法改正により、現在の法律と一致しない場合があります」と注意しています。古い年度の問題ほど、正解が今の法律と合わないことがあります。点数を比べるのは目安にとどめ、答えの理由は今の条文で確かめてください。

令和8年度の合格点はいつ分かるか

令和8年度の試験は10月18日(日)です。合格発表は11月25日(水)午前9時30分で、機構のサイトに次のものが載る予定です。

  • 合格者の受験番号
  • 合否判定基準(令和8年度の合格基準点)
  • 試験問題の正解番号

インターネットで申し込んだ人は、合格発表日以降に、マイページで自分の得点などを見られる予定です(日時は未定)。不合格の人には結果の通知は送られないので、発表のページかマイページで確かめます。試験問題そのものも、合格発表の日から機構のサイトに載ります。

機構が正解番号を出すのは合格発表の日です。それより前に自己採点をするときは、使っている答えが公式のものではないことを前提にしてください。また、自己採点の点数が過去の合格基準点の幅に入っていても、その年の基準点が分かるまでは合否は分かりません。

このサイトで次に読むなら、宅建試験の日程(令和8年度)がおすすめです。試験当日の時刻の決まりと、受験票が届かないときの対処をまとめています。合格したあとの手続きが気になる人は、宅建士の登録と宅建士証の記事へどうぞ。

参考にした公式の情報(2026年10月確認)