宅建の開発許可の問題:面積と例外、許可のあとの建築の制限を解く○✕20問

この記事は、宅建試験の開発許可(都市計画法29条以下)を○✕20問で確かめる一問一答です。問題はすべてこのサイトのオリジナルで、正誤は令和8年4月1日に施行されている都市計画法・同施行令・同施行規則の条文で確かめています。

当サイトが、不動産適正取引推進機構が公開している過去の試験(昭和63年度〜令和7年度の40回、2,000問)を1問ずつ読んで数えたところ、開発許可が主な論点の問題は56問で、40回すべてに出ていました。直近10回(令和7年度〜平成30年度。令和2・3年度は10月・12月の2回ずつ)では10問です(分け方は当サイトの判断で、公式の分類ではありません)。

開発許可の肢は、面積の数字を覚えたうえで、「そもそも開発行為に当たるか」「例外に当たるか」「どの区域の話か」を入れ替えて作られます。20問は、①許可がいるか、②許可の基準と不服申立て、③許可の後の手続、④建築の制限、の4つに分けました。

この20問の解き方

  1. 許可の要否の問題は、「開発行為に当たるか(目的)」→「規模の基準を超えるか(区域と面積)」→「例外に当たるか(農林漁業用・公益上必要な建築物など)」の順に確かめる。
  2. 手続や制限の問題は、時点(工事完了の公告の前か後か)と、区域(市街化調整区域か、用途地域があるか)に印をつける。
  3. ✕と決めたら、正しい言葉か数字を一言で言ってから答えを見る。

許可がいるか:開発行為と面積と例外(問1〜5)

区域ごとの面積と、許可がいらない開発行為の一覧は開発許可の記事にまとめています。ここでは、その表を当てはめる前の「開発行為に当たるか」と、面積の例外を問います。

問1(このサイトのオリジナル問題)
首都圏整備法の既成市街地にある市街化区域で、Aが宅地分譲のため800平方メートルの開発行為をする(条例による規模の定めはない)。この場合、Aは開発許可を受けなければならない。

答え:○ 分かれ目は、市街化区域の面積の例外です。市街化区域で許可がいらない規模は原則1,000平方メートル未満ですが(施行令19条1項)、首都圏整備法の既成市街地・近郊整備地帯、近畿圏整備法の既成都市区域・近郊整備区域、中部圏開発整備法の都市整備区域にかかる市町村などでは、500平方メートルに読み替えます(同条2項)。800平方メートルは1,000未満なので不要、と原則だけで考えると✕にしてしまいます。

問2(このサイトのオリジナル問題)
市街化区域で、Aは、月極駐車場にするため、2,000平方メートルの土地を造成する。建築物を建てない造成なので、Aは、面積にかかわらず開発許可を受ける必要はない。

答え:○ 分かれ目は、開発行為に当たるかです。開発行為とは「主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更」です(4条12項)。建築物を建てない駐車場の造成はこの目的に当たらず、面積にかかわらず開発許可はいりません。市街化区域の1,000平方メートル以上なので必要、と面積だけで判断すると✕にしてしまいます。

問3(このサイトのオリジナル問題)
区域区分が定められていない都市計画区域で、Aがコンクリートプラントを設けるため、4,000平方メートルの土地の区画形質の変更をする(建築物は建てない)。この場合、Aは開発許可を受けなければならない。

答え:○ 分かれ目は、建築物を建てない造成でも開発行為に当たる場合です。開発行為には「特定工作物の建設」のための区画形質の変更も入り(4条12項)、コンクリートプラントは4条11項が名指しする第一種特定工作物です。この区域で許可がいらないのは3,000平方メートル未満なので(施行令19条1項)、4,000平方メートルなら許可が要ります。問2の駐車場と同じく建築物を建てないから不要、と考えると✕にしてしまいます。第一種特定工作物には、野球場や墓園(第二種特定工作物)のような1ヘクタール以上という規模の要件もありません。

問4(このサイトのオリジナル問題)
市街化区域で、Aは、9,000平方メートルのゴルフコースを造るため、土地の区画形質の変更をする。1ヘクタール未満なので第二種特定工作物に当たらず、Aは開発許可を受ける必要はない。

答え:✕ 分かれ目は、1ヘクタールの要件がかかる施設の範囲です。4条11項は「ゴルフコース」を名指しで第二種特定工作物とし、1ヘクタール以上という規模の要件は、施行令1条2項が定める野球場や墓園などにかかります。正しくは、ゴルフコースは規模にかかわらず第二種特定工作物で、市街化区域の1,000平方メートル以上なので許可が要ります。野球場や墓園の1ヘクタールの要件(施行令1条2項)を、ゴルフコースに当てはめた取り違えです。

問5(このサイトのオリジナル問題)
市街化調整区域で、医療法人Aが病院を建てるため、2,000平方メートルの開発行為をする。この場合、Aは開発許可を受ける必要はない。

答え:✕ 分かれ目は、許可がいらない「公益上必要な建築物」の範囲です。29条1項3号は、駅舎などの鉄道施設・図書館・公民館・変電所など、政令で定める建築物に限っていて、施行令21条の一覧に病院は入っていません。正しくは、病院のための開発行為には許可が要ります。学校や社会福祉施設も同じく一覧の外です。名前が挙がる図書館・公民館と同じ扱いだと考えた取り違えです。

許可の基準と不服申立て(問6〜9)

問6(このサイトのオリジナル問題)
Aは、開発区域内の土地の所有者10人のうち8人から開発行為への同意を得て、開発許可を申請した。全員の同意がない以上、知事は開発許可をすることができない。

答え:✕ 分かれ目は、同意の数です。許可の基準の一つは、開発行為の妨げとなる権利を持つ人の「相当数の同意を得ていること」です(33条1項14号)。正しくは、全員の同意がなくても許可されることがあります。同意しなかった人は、工事完了の公告の前でも、権利の行使として建築できます(37条2号)。建築基準法の建築協定のように「全員の合意」が要る制度と取り違えた形です。

問7(このサイトのオリジナル問題)
市街化区域で、Aが2,000平方メートルの宅地分譲の開発許可を申請した。33条の基準を満たしていても、34条各号のいずれかに当たらなければ、知事は許可をすることができない。

答え:✕ 分かれ目は、34条がかかる区域です。知事は、申請が33条の基準に適合し、手続が法令に違反していないと認めるときは、開発許可を「しなければならない」とされています(33条1項)。34条の基準が加わるのは「市街化調整区域に係る開発行為」です(34条)。正しくは、市街化区域では34条の基準は求められません。市街化調整区域の上乗せの基準を、市街化区域に広げた取り違えです。

問8(このサイトのオリジナル問題)
市街化調整区域で、Aがゴルフコースを造るための開発許可を申請した。この開発行為では、34条各号のいずれかに当たることは求められず、33条の基準を満たすかどうかで判断される。

答え:○ 分かれ目は、34条のかっこ書きです。34条は、市街化調整区域に係る開発行為のうち「主として第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為を除く」としています。ゴルフコースは第二種特定工作物なので(4条11項)、34条の上乗せはかかりません。市街化調整区域ならどの開発行為にも34条がかかる、と考えると✕にしてしまいます。

問9(このサイトのオリジナル問題)
Aは開発許可を申請したが、知事から許可しない処分を受けた。この処分に不服があるとき、Aは、開発審査会に審査請求をすることができる。

答え:○ 分かれ目は、審査請求の行き先です。29条1項・2項にもとづく処分(開発許可・不許可)などについての審査請求は、開発審査会に対してします(50条1項)。処分をした知事に申し立てる、と考えると✕に見えます。変更の許可(35条の2第1項)や、市街化調整区域の建築の許可(43条1項)の処分も、同じく開発審査会が行き先です。

許可の後の手続:変更・廃止・承継・完了(問10〜13)

許可の後の手続は、「許可がいる」「届出でよい」「承認がいる」を言い分けられるかが分かれ目です。申請から工事完了の公告までの流れは開発許可の手続の記事で確かめられます。

問10(このサイトのオリジナル問題)
開発許可を受けたAは、工事が予定より遅れるため、工事の完了予定年月日を変更する。Aは、この変更について、あらかじめ知事の許可を受けなければならない。

答え:✕ 分かれ目は、軽微な変更かどうかです。30条1項各号の事項を変更するときは知事の許可が要りますが、国土交通省令で定める軽微な変更は除かれ(35条の2第1項ただし書)、変更をしたときに遅滞なく届け出ます(同条3項)。工事の着手予定年月日・完了予定年月日の変更は、この軽微な変更です(施行規則28条の4第3号)。正しくは、許可はいらず、変更後に届け出ます。軽微な変更に当たらない変更(許可)と取り違えた形です。

問11(このサイトのオリジナル問題)
開発許可を受けたAが、資金の都合で開発行為に関する工事を廃止した。Aは、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならないが、廃止について知事の許可を受ける必要はない。

答え:○ 分かれ目は、廃止の手続が届出かどうかです。開発許可を受けた者は、工事を廃止したときは、遅滞なく知事に届け出ます(38条)。始めるのに許可が要ったのだから、やめるのにも許可が要る、と考えると✕に見えます。変更(35条の2)には原則として許可が要るのと、言い分けて覚えます。

問12(このサイトのオリジナル問題)
開発許可を受けたAから、開発区域内の土地の所有権を買い受けたBは、知事の承認を受けて、Aが持っていた開発許可にもとづく地位を承継することができる。

答え:○ 分かれ目は、買った人(特定承継人)の承継の方法です。開発区域内の土地の所有権など、工事を施行する権原を取得した者は、知事の承認を受けて地位を承継できます(45条)。開発許可はAに与えられたものなので、Bは改めて許可を受けるしかない、と考えると✕に見えます。相続人などの一般承継人は、承認なしで地位を承継します(44条)。

問13(このサイトのオリジナル問題)
開発許可を受けたAは、開発行為に関する工事を完了した。Aは、その旨を建築主事に届け出て、建築主事の検査を受けなければならない。

答え:✕ 分かれ目は、届出と検査の相手です。工事を完了したら知事に届け出て(36条1項)、知事が検査し、適合していれば検査済証を交付して(同条2項)、工事完了の公告をします(同条3項)。正しくは、届出先も検査も知事です。建築物の確認をする建築主事(建築基準法6条1項)と、開発行為の手続を取り違えた形です。

建築の制限:公告の前後と市街化調整区域(問14〜20)

建築の制限は、「開発区域の中で、公告の前か後か」と「市街化調整区域の、開発区域の外か」で条文が分かれます(37条・42条・43条)。市街化調整区域で建てられるものの全体は市街化調整区域の記事で確かめられます。

問14(このサイトのオリジナル問題)
開発許可を受けたAは、工事を完了して知事の検査を受け、検査済証の交付を受けたが、工事完了の公告はまだされていない。この段階でも、Aは、開発区域内で予定建築物を建築できる(工事用の仮設建築物などの例外には当たらない)。

答え:✕ 分かれ目は、建築の制限が解ける時点です。開発区域内では「第三十六条第三項の公告があるまでの間」は建築物を建築できず(37条本文)、検査済証の交付(36条2項)の段階では、まだ制限が続きます。正しくは、Aは公告の後でなければ建築できません。工事の完了の手続は、届出→検査→検査済証の交付→公告(36条1項〜3項)の順に進み、制限が解けるのは最後の公告です。例外は、工事用の仮設建築物や知事が支障がないと認めたとき(37条1号)と、開発行為に同意していない土地の権利者が権利の行使として建てるとき(同条2号)です。

問15(このサイトのオリジナル問題)
開発許可を受けた宅建業者Aは、工事完了の公告の前に、開発区域内の宅地を分譲する売買契約を結んだ。この契約は、都市計画法の公告前の建築の制限には反しない。

答え:○ 分かれ目は、37条が制限する行為の種類です。37条が公告まで禁じるのは「建築物を建築し、又は特定工作物を建設」することで、土地の売買は入っていません。公告の前は何もできない、と考えると✕に見えます。宅建業法でも、工事の完了前の売買契約は開発許可などの処分の後でなければできませんが(宅建業法36条)、この場面ではすでに許可を受けています。

問16(このサイトのオリジナル問題)
市街化調整区域で開発許可を受けた開発区域(用途地域の定めはない)で、工事完了の公告の後に、国の機関が予定建築物以外の建築物を新築する。この場合、国の機関と知事の協議が成立すれば、知事の許可があったものとみなされる。

答え:○ 分かれ目は、国が行う場合の扱いです。公告の後は、予定建築物以外の建築物の新築などに知事の許可が要りますが(42条1項ただし書)、国または都道府県等が行う行為は、知事との協議の成立をもって許可があったものとみなします(42条2項)。国も一般の人と同じく許可を申請する、と考えると✕に見えます。開発区域に用途地域等が定められていれば、42条1項の制限そのものがかかりません(同項ただし書)。

問17(このサイトのオリジナル問題)
A県知事は、第一種住居地域内でのBの開発行為を許可するにあたり、必要があると認めたので、開発区域内の建築物の建蔽率と高さの制限を定めた。この定めは、都市計画法にもとづくものとして認められる。

答え:✕ 分かれ目は、制限を定められる区域です。知事が開発許可の際に建蔽率・高さ・壁面の位置などの制限を定められるのは、「用途地域の定められていない土地の区域」での開発行為です(41条1項)。正しくは、第一種住居地域のように用途地域がある区域では、この制限は定められません。用途地域のない区域の規定を、用途地域のある区域に広げた取り違えです。

問18(このサイトのオリジナル問題)
市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域で、Aが仮設建築物を新築する。この場合、Aは知事の許可を受ける必要はない。

答え:○ 分かれ目は、43条1項の例外です。市街化調整区域の開発区域以外では、建築物の新築などに知事の許可が要りますが、仮設建築物の新築は例外に挙がっています(43条1項3号)。市街化調整区域では建てるものすべてに許可が要る、と考えると✕に見えます。ほかに、都市計画事業の施行として行うもの(1号)や、非常災害の応急措置として行うもの(2号)も例外です。

問19(このサイトのオリジナル問題)
市街化調整区域のうち開発区域以外の区域にあるAの自宅(農林漁業を営む人の住宅ではない)を、工事をせずに、延べ面積120平方メートルの事務所として使うよう用途を変更する。この用途の変更について、Aは知事の許可を受ける必要はない。

答え:✕ 分かれ目は、用途の変更も制限に入るかです。43条1項は、建築物の新築だけでなく、建築物を改築し、またはその用途を変更して29条1項2号・3号の建築物以外の建築物とすることも、知事の許可なしにはしてはならないとしています。許可がいらない軽易な行為は、改築や用途の変更に係る床面積の合計が10平方メートル以内のものなどです(施行令35条2号)。正しくは、Aの用途の変更には許可が要ります。土地の区画形質の変更を対象にする開発許可(29条)と違い、43条は建物の新築・改築・用途の変更そのものを対象にしています。

問20(このサイトのオリジナル問題)
開発許可を受けた開発行為で道路と公園が設けられた(他の法律による管理者はなく、協議による別段の定めもない)。これらの公共施設は、工事完了の公告の日の翌日に、開発許可を受けた者の管理に属する。

答え:✕ 分かれ目は、公共施設を管理する者です。開発行為で設置された公共施設は、工事完了の公告の日の翌日に「その公共施設の存する市町村の管理に属する」とされています(39条)。正しくは、市町村が管理します。他の法律の管理者がいるときや、32条2項の協議で管理者について別段の定めをしたときは、その者の管理になります(39条ただし書)。この例外を原則と取り違えた形です。

まちがえた問題から、直す所を決める

分かれ目の種類問題直し方
開発行為に当たるか問2・3・4目的(建築物・特定工作物)を先に確かめる
面積と例外の範囲問1・5・18・19原則の数字と、例外の一覧を別々に書く
かかる区域問7・8・16・1734条・41条・42条の「区域」の言葉に線を引く
許可・届出・承認問10・11・12手続ごとに必要なものを一語で言う
だれが・だれに問6・9・13・20同意・審査請求・届出・管理の相手を確かめる
制限される行為と時点問14・15建築と売買、検査済証と公告を分ける

開発許可は、面積の数字を覚えた後に、「開発行為に当たらないもの」「例外に当たるもの」「区域で変わるもの」を一つずつ外していく問題が中心です。問2〜4のように、面積を見る前に目的で答えが決まる問題を落とした場合は、判定の順番を直すと減らせます。

この20問のあとは、宅建の5分○✕ドリルの法令上の制限で、開発許可を含む都市計画法の問題を続けて解けます。1回10問で、✕と△を付けた問題が間をあけて戻ってきます。

参考にした公式の情報(2026年10月確認)