行政書士試験の勉強スケジュール:残り1年・6か月・3か月・1か月の組み方

行政書士試験の勉強スケジュールは、残りの期間に合わせて、先に2つのことを決めると組めます。①どこまで範囲を広げるか。②通し練習(本番と同じ3時間で全問を解く練習)をいつ始めるか。科目は、点の大きい行政法と民法から入れます。次に憲法と基礎知識、最後に商法・会社法と基礎法学へ広げます。残りが短いほど、点の小さい科目は浅くします。そして最後の数週を通し練習に回します。

この記事を書いた2026年10月10日の時点で、令和8年度試験(11月8日)までは約1か月です。令和9年度試験は、「毎年11月の第2日曜日」という決まりどおりなら令和9年11月14日です。こちらは2026年10月10日から約13か月あります。

この記事では、残り1年・6か月・3か月・1か月の4つに分けて、科目の順番と1週間の組み方を示します。1日の時間の取り方は勉強時間の記事、教材の選び方は独学の記事で書いています。ここでは「いつ、どの科目を、どこまで」に絞ります。

スケジュールは何から逆算するのか

逆算(ゴールから順にさかのぼって考えること)のもとになるのは、合格基準と配点です。令和7年度の合否判定基準では、満点は300点でした。そのうち法令等が244点、基礎知識が56点です。合格には、次の3つを全部満たす必要がありました。法令等122点以上、基礎知識24点以上、全体180点以上です。

この基準は、問題の難しさによって補正(調整)されることがあります。令和8年度の配点は、合格発表のときに公表されます。

科目ごとの問題数は、公式には公表されていません。そこで当サイトは、令和3年度の問題を数えました(公式の内訳ではありません)。これに令和7年度の配点を当てはめると、行政法が約112点、民法が約76点です。この2科目で、300点のうち約190点をしめます。あとは基礎知識56点、憲法約28点、商法・会社法約20点、基礎法学約8点と続きます(問題数の内訳は勉強時間の記事の表)。

スケジュールは、この点の大きさをもとに組みます。行政法と民法は、最初から並行して進めます。次に憲法と基礎知識を入れます。最後に商法・会社法と基礎法学を入れます。

ただし基礎知識は、後回しにしすぎないようにします。24点に届かないと、ほかの点が何点でも不合格になるからです。これを「足切り」といいます。とくに文章理解(国語の読み取り問題)は、どの期間でも最初から、週に少しずつ入れておきます。

残り期間によって何が変わるのか

4つの期間の違いを、先に並べます。区切りの長さは当サイトの例で、決まりではありません。

残り範囲通し練習中心の決めごと
1年全科目最後の約3か月行政法・民法を2周以上
6か月全科目(配点の小さい科目は浅く)最後の約2か月前半で行政法・民法の1周目
3か月行政法・民法・基礎知識が中心最後の約1か月配点で範囲を絞る
1か月新しい範囲は入れない毎週末足りない条件を埋める

どの期間でも、まず通し練習の時期を、後ろ(試験日の側)から置きます。そのうえで、残った週に科目を配ります。時間配分と解く順番は、本番で初めて試すわけにいかないからです。

残り1年:2科目を並行させ、3か月前までに全科目へ手を付ける

1年を4つの時期に分ける表は、独学の記事に載せています(12〜9か月前/9〜6か月前/6〜3か月前/3か月前〜当日)。各時期の終わりにどこまで進んでいればよいかの目安も、そちらにあります。ここでは、時期ごとに1週間へどう科目を入れるかを、当サイトの例として示します。

時期平日週末
12〜9か月前行政法と民法の1周目(曜日で分ける)その週の範囲の分野別過去問
9〜6か月前行政法・民法の2周目、週1日は憲法分野別過去問の2周目
6〜3か月前週1日ずつ基礎知識・商法・会社法を足す記述式を週1〜2問
3か月前〜通し練習でまちがえた所3時間の通し練習

どの時期も、文章理解はすきま時間に週2〜3問ずつ入れます。

1周目では、行政法と民法を曜日で分けます。たとえば、月・水は行政法、火・木は民法です。こうするのは、どちらかを長く放っておかないためです。もし行政法を1周し終えてから民法、という順にするとどうなるか。範囲の広い民法の2周目が後ろにずれて、時間が取りにくくなります。

行政法は、行政手続法から入るのがおすすめです。これは、役所が仕事を進めるときの基本の手順を決めた法律です。ここから入ると、あとで学ぶ行政不服審査法・行政事件訴訟法とのつながりがつかみやすくなります。

6〜3か月前には、記述式の練習と、商法・会社法の最低限の範囲が入ります。申込の期間もこの時期に重なります。令和8年度は、インターネットが7月21日(火)午前9時から8月24日(月)午後5時まででした。郵送は8月17日(月)の消印(郵便局が押す日付)まで有効でした。次の年度の日程は、その年の試験案内で確かめて予定表に書き込みます。最後の3か月の組み方は、下の「残り3か月」の「続けてきた人」と同じです。

残り6か月:前半の約3か月で行政法と民法の1周目を終える

6か月は、およそ26週です。1年の計画を、ただ半分に縮めるのではありません。点の小さい科目を浅くして、行政法と民法の2周目と、通し練習の時間を残します。当サイトの例は次のとおりです。

週平日週末
1〜12週行政法と民法の1周目(曜日で分ける)分野別過去問、文章理解
13〜18週行政法・民法の2周目、憲法、基礎知識記述式、商法・会社法の最低限
19〜26週通し練習でまちがえた所3時間の通し練習

行政法の1周目は、行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法を先にします。範囲の広い地方自治法は後ろに回します。民法は、総則と物権・債権の基本から入ります。範囲の絞り方は民法の勉強法に従います。基礎法学は、19週目に入る前に、基本書のその部分を1回読む程度にとどめます。

11月の試験から6か月前は、5月ごろです。出題の基準日は、その年度の4月1日です。この日に施行されている(効き目のある)法律から出題されます。5月にはこの日をもう過ぎているので、教材はその年度の試験に合わせた版を使います。令和8年度の日程に当てはめると、申込の期間は11〜16週目あたりに重なります。

残り3か月:ここまでの進み具合で組み方を分ける

続けてきた人:通し練習を軸にする

全科目に一度は手が付いているなら、最後の3か月は新しい範囲を増やしません。週末の1回を、本番と同じ午後1時から4時の通し練習にします。平日は、その通し練習でまちがえた問題の根拠条文(答えのよりどころになる法律の条)を確かめる時間にします。通し練習には、センターのサイトにある過去の試験問題(PDF)や、模試が使えます(模試の使い方)。

これから始める人:配点で範囲を絞る

3か月は、およそ13週です。全科目を同じ深さで回すことはしません。点の大きい所に寄せます。当サイトの例は次のとおりです。

  1. 1〜7週:行政法(手続法・不服審査法・事件訴訟法・国家賠償法)と民法の1周目。平日を曜日で分けて並行させます。週末は分野別過去問。文章理解はすきま時間に。
  2. 8〜9週:基礎知識と、憲法の条文。基礎知識は、行政書士法などの業務に関係する法令と、個人情報保護です。基礎知識で6問を取る分野の決め方は基礎知識の記事。
  3. 10〜13週:週末ごとに3時間の通し練習。平日はまちがえた所と、記述式を週1〜2問。

この例では、地方自治法、商法・会社法、基礎法学は基本書を読む程度になります。その分の点を取り返す場所が要ります。だから、記述式をゼロにする計画は避けます。令和7年度の配点で計算すると、次のようになるからです。

記述式の見込みほかの240点から要る点組み合わせの例
0点180点(75%)択一32問・多肢の空欄8個・基礎知識9問
20点160点(約67%)択一28問・多肢の空欄8個・基礎知識8問

「ほかの240点」は、法令等の5肢択一式160点、多肢選択式24点、基礎知識56点の合計です。記述式を0点と見込むと、この240点の4分の3を取る必要があります。記述式が20点取れれば、要る点は160点まで下がります。

記述式は、40字程度で答えを書く形式です。令和3年度の問題を当サイトが数えると、問われたのは行政法と民法でした。択一で覚えた条文の要件(そのルールが当てはまる条件)を書く練習です。択一の勉強とは別の範囲を足すわけではありません。自分の見込みで3つの基準を満たすかは、今日から試験日までの週の数を出します。

  • 通し練習の週を後ろから置く:上の早見表の長さを目安にします。
  • 残りの週に科目を配る:まず行政法と民法を並行させます。次に憲法と基礎知識、そのあと商法・会社法と基礎法学の順に置きます。文章理解は最初から少しずつ。
  • 日程を書き込む:申込の期間と、受験票の発送予定日を予定表に入れます。
  • 1か月ごとに見直す:区切りの時点で遅れていたら、上の「削る順」で組み直します。
  • このサイトで次に読むなら、勉強時間の考え方の記事がおすすめです。ここで決めた週の割り振りを、1日の決まった時間とすきま時間に落とし込む方法を書いています。自分に必要な時間の測り方も分かります。

    参考にした公式の情報(2026年10月確認)