宅建の問いの形を数えた:「正しいもの」「誤っているもの」「いくつあるか」は分野ごとに何割か

宅建試験の問題は、最後の一文の聞き方で解き方が変わります。当サイトが全40回2,000問の聞き方を数えると、次のとおりでした。

問いの形全40回直近10回
正しいものはどれか1,143問(57%)261問(52%)
誤っているものはどれか673問(34%)166問(33%)
いくつあるか(個数)111問(6%)58問(12%)
組合せ・その他73問(4%)15問(3%)

形の割合は、分野によって大きく違います。直近10回の宅建業法200問は、個数問題が53問(26.5%)あり、誤っているものを選ぶ形は30問(15%)だけでした。権利関係は、正しいものと誤っているものがほぼ半々です。法令上の制限と税・その他には、直近10回で個数問題が1問もありません。

この記事では、形ごとの割合と、その割合から分かる読み方の違いをまとめます。ひっかけの型そのものは宅建のひっかけ問題のパターンで、個数問題の解き方は宅建の個数問題の解き方で書いています。

この数字は、どうやって数えたのか

不動産適正取引推進機構が公開している宅建試験の問題(昭和63年度〜令和7年度の40回、2,000問)を、当サイトが1問ずつ読み、問いの形と論点を記録しました。分け方は当サイトの判断で、公式の分類ではありません。4回分200問を別の担当が読み直し、問いの形の一致は99.5%でした(食い違った問は直してから数えています)。

問いの形は、問題の最後の聞き方で分けました。「違反しないもの」は正しいもの、「最も不適当なもの」「違反するもの」は誤っているもの、「〜はいくつあるか」は個数、「〜の組合せ」「全て掲げたもの」は組合せに入れ、どれにも当たらない聞き方は「その他」にしています。分野(権利関係・法令上の制限・税・その他・宅建業法)も当サイトの数え方で、公式の内訳ではありません。この記事は問いの形だけを数えたもので、問ごとの「主な論点」「副の論点」の区別は使っていません(1問の中にいくつもの規定が混ざる「総合」型の問も、形は1問として数えています)。直近10回は令和7年度〜平成30年度で、令和2年度と令和3年度は10月と12月の試験をそれぞれ1回と数えています。

形によって、1問を決めるのに要る判定の数が違う

4つの肢から1つを選ぶ形では、答えになる肢は1つだけです。そのため、形ごとに次のことが言えます。

問いの形4肢のうち決め手になる判定
正しいものはどれか○が1つ・✕が3つ○と確信できる肢を1つ見つける
誤っているものはどれか○が3つ・✕が1つ✕と確信できる肢を1つ見つける
いくつあるか○の数が決まっていない4つの肢をすべて判定する
組合せ選択肢の組み合わせによる1つの肢の判定で選択肢が絞れることがある

正しいもの・誤っているものを選ぶ形は、答えになる肢を1つ確信できれば、ほかの肢に迷いが残っても点になります。反対に、答え以外の3つの肢を確信して消すこともできます。個数問題には、この逃げ道がありません。1つでも判定を誤れば数がずれます。

分野ごとの形の割合(直近10回)

分野正しいもの誤っているもの個数・組合せ・その他
権利関係(140問)67問(48%)60問(43%)13問(9%)
法令上の制限(80問)42問(52.5%)38問(47.5%)0問
税・その他(80問)42問(52.5%)38問(47.5%)0問
宅建業法(200問)110問(55%)30問(15%)60問(30%)

宅建業法の「個数・組合せ・その他」60問の内訳は、個数53問・組合せ5問・その他2問です。権利関係の13問は、個数5問・組合せ5問・その他3問でした。

税・その他は、直近10回のうち8回で、正しいもの4問・誤っているもの4問の同じ数でした(残りの2回は5問と3問)。宅建業法の個数問題は、回によって3問から10問まで幅があり、令和7年度の10問が最も多い数です。宅建業法の誤っているものを選ぶ形は、回によって1問から7問でした。

読む肢のうち、誤りの文はどれくらいあるか

正しいものを選ぶ問では4肢のうち3つが誤りの文、誤っているものを選ぶ問では1つが誤りの文です。この2つの形の問の数から、読む肢のうち誤りの文がどれくらいあるかを計算できます(個数・組合せ・その他の問は、肢の正誤の数が決まらないので除きました)。

分野(直近10回)2つの形の問読む肢うち誤りの文
権利関係127問508肢261肢(51%)
法令上の制限80問320肢164肢(51%)
税・その他80問320肢164肢(51%)
宅建業法140問560肢360肢(64%)

宅建業法は、正しいものを選ぶ形が多いぶん、読む肢の3分の2近くが誤りの文です。宅建業法の勉強では、正しい知識を覚えるだけでなく、「どこを入れ替えると誤りの文になるか」に慣れておくことが、そのまま肢の判定につながります。ただし、この割合は全体の平均です。1つの肢に迷ったとき、「業法だから✕」と当て推量で決める根拠にはなりません。

時期によって、形の割合はどう変わったか

40回を、昭和63年度〜平成19年度の20回、平成20年度〜平成29年度の10回、直近10回の3つに分けて比べました。時期によって分野の問数が違うので、割合で見ます。

分野昭和63〜平成19年度(20回)平成20〜29年度(10回)直近10回
宅建業法の個数問題7問(2%)40問(20%)53問(26.5%)
宅建業法の誤っているもの74問(23%)27問(14%)30問(15%)
法令上の制限の正しいもの135問(65%)40問(49%)42問(52.5%)
権利関係の誤っているもの143問(47%)62問(44%)60問(43%)

いちばん大きく変わったのは、宅建業法の個数問題です。平成19年度までの20回では7問でしたが、平成20〜29年度の10回で40問、直近10回で53問になりました。法令上の制限は、平成19年度までは正しいものを選ぶ形が3分の2近くでしたが、直近10回はほぼ半々です。権利関係は、どの時期も正しいものと誤っているものが半々に近いままでした。古い年度の過去問を解くときは、宅建業法の個数問題が今より少ない時期の問だということを頭に置いておきます。

形ごとの読み方の手順

数えた割合をふまえると、問題文の読み方は次の順になります。

  1. 最後の一文を先に読む。 正しいもの・誤っているもの・いくつあるかのどれかを確かめ、問題文の聞き方に印を付けます。印の付け方は、冒頭で紹介したひっかけ問題の記事の「問題文に印を付けて読む手順」にあります。
  2. 正しいもの・誤っているものの形:答えになる側(正しいものなら○、誤っているものなら✕)の肢を1つ確信できたら、残りの肢は確かめる程度にして先へ進みます。確信できないときは、答えにならない側の肢を確信をもって消していきます。
  3. 個数問題:4つの肢すべてに○△✕を付け、確実な肢から数を絞ります。手順は、冒頭で紹介した個数問題の記事で、例題を使って説明しています。
  4. 組合せ:1つの肢の判定で、選択肢のうち2つか3つが消えることがあります。確信のある肢から判定します。

試験の当日に、どの分野から解くかは宅建試験の当日(時間配分・解く順番)で書いています。直近10回で、正しいものを選ぶ形が最も多かった回(32問)の一覧は、令和2年度(10月試験)の論点一覧にあります。

この数字の使い方

この記事の数は、過去の出題の事実です。令和8年度の形の割合を予想するものではありません。勉強に使うなら、次の2つです。

  1. 宅建業法は、個数問題が直近10回で1回に3〜10問出ています。1つの肢の判定の誤りがそのまま失点になる形なので、宅建業法の○✕は、肢ごとに理由まで言える状態にしておきます。
  2. 正しいもの・誤っているものの形は、答えになる肢を1つ確信できれば点になります。権利関係のように初めて見る事例の肢が多い分野では、確信できる肢を1つ探す読み方が使えます。

肢ごとの判定の練習は、宅建の5分○✕ドリルで続けてできます。

参考にした公式の情報(2026年10月確認)

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