宅建の問題集の選び方:一問一答・分野別・年度別・予想問題の8冊の使い分け

宅建の問題集は、分野別の過去問題集を1冊、中心に置きます。一問一答はすき間時間用に足すもの、年度別の過去問は全範囲を一周してから使うもの、予想問題集は試験の1〜2か月前に1冊、という順番です。どの種類も1冊ずつにします。同じ種類を2冊持つと、どちらも途中で終わりやすくなります。

来年(令和9年度)受ける人が今そろえられるのは、2027年版が出始めた分野別と一問一答です。年度別と予想問題集は、2027年向けの版がまだ告知されていないので、勉強の後半に出てから買います。10月18日の試験を受ける人は、今から問題集を足さず、手元の1冊の✕と△を解き直してください。

この記事では、4つの種類ごとに、名前の知られている問題集8冊を「何ができるか」「合う人」「合わない人・注意点」「現実的な使い方」の同じ形で並べます。書名・版・価格・収録の範囲・解説の形は、出版社の公式ページ(オンラインストアを含む)で2026年10月10日に確かめたものです。価格は税込の目安で、公式ページに書かれていないこと(問題数など)は書いていません。当サイトは使った感想は書きません。予算に合わせた基本書と講座の組み合わせは宅建試験の教材の選び方で扱っているので、この記事は「問題集の種類ごとに、どれが誰に合うか」にしぼります。

問題集の4種類は、それぞれ何ができて何ができないか

4種類は、どれも「問題を解く本」ですが、練習できることがちがいます。できないことのほうを見ると、どれを中心にするかが決まります。

種類できることできないこと2027年向けの版
一問一答肢1つの正誤を、すき間で数多く事例の読み取り、4肢の比べ方10月から発売
分野別過去問読んだ単元の四択をすぐ解く2時間で50問の配分10月から発売
年度別過去問50問・2時間の通し練習単元ごとのくり返し告知なし(今年の版は1月発売)
予想問題集初めて見る問題で力を測る範囲を順に固めること告知なし(今年の版は5月発売)

中心が分野別の過去問題集なのは、基本書を1単元読んだらすぐ同じ単元の四択を解く、という使い方ができるのがこれだけだからです。一問一答は四択の代わりにはなりません(理由は宅建の一問一答の使い方)。年度別の過去問は、機構(不動産適正取引推進機構)のサイトで、解説はありませんが無料で見られます。何年分・何周やるか、解説の選び方は宅建の過去問の記事にまとめているので、この記事では書名ごとの事実に進みます。

一問一答の問題集:2冊

一問一答は、分野別の過去問題集とは別に「すき間時間に持ち歩く1冊」が欲しい人が足すものです。分野別の過去問題集の肢を1つずつ○✕で解けば同じ練習ができるので、なくても始められます。

TAC出版「みんなが欲しかった!宅建士の一問一答式過去問題集」2027年度版

  • 何ができるか:A5判・768ページ、2,310円、2026年10月14日発売。答えをかくす別冊のシートが付きます。TAC出版のページには、スマホアプリで本の問題をくり返し解けること(無料・アプリ内課金あり)と、読み上げ音声があることが書かれています。収録の問題数は公式ページに書かれていません。
  • 合う人:同じシリーズの教科書と論点別過去問題集で勉強する人。紙とスマホの両方で同じ問題を解きたい人。
  • 合わない人・注意点:768ページあるので、持ち歩くには重さを考えます。ほかのシリーズの基本書を使う人は、章の分け方がそろいません。
  • 現実的な使い方:机で論点別過去問題集を解いた単元を、その週の通勤で一問一答で思い出します。全部を同じ回数回すより、✕と△の肢だけに戻ります。

公式ページ:TAC出版

LEC「宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集」2027年版

  • 何ができるか:A5判、定価2,200円(LECの公式ストアでは1,980円)、2026年10月発行。解説は「見開き完結型」と書かれています。全問を解けるアプリ《ノウン》が無料で付きます(2026年12月1日から利用開始、登録から11か月)。LECのMyページに登録すると、法改正情報と宅建NEWS(統計の情報)が2027年の試験の前日まで届きます。収録の問題数は公式ページに書かれていません。
  • 合う人:問題と答えを1つの見開きで見たい人。本とアプリの両方を、追加のお金なしで使いたい人。
  • 合わない人・注意点:アプリは12月1日まで使えません。見開きで答えが目に入る作りなので、答えを手でかくしてから思い出す、というひと手間を自分でかけます。
  • 現実的な使い方:同じシリーズの分野別過去問題集と組み合わせ、机では分野別、外ではノウンで一問一答、と場所で分けます。アプリの使い方は宅建のアプリの選び方でも書きました。

公式ページ:LECオンラインショップ

分野別の過去問題集:3冊

中心になる1冊です。選ぶときは、使う基本書と同じシリーズにするのが一番簡単です。まちがえたとき、同じ単元のページへすぐ戻れるからです。

TAC出版「みんなが欲しかった!宅建士の論点別過去問題集」2027年度版

  • 何ができるか:A5判・692ページ、2,860円、2026年10月14日発売。分野ごとに取り外せる分冊で、赤シートが付きます。令和8年度の本試験の問題をダウンロードできる特典と、スマホアプリ(有料)の案内があります。収録の問題数・年数は公式ページに書かれていません。
  • 合う人:同じシリーズの教科書を使う人。分冊にして、今やる分野だけを持ち歩きたい人。
  • 合わない人・注意点:アプリでも解きたい場合は別にお金がかかります。公式ページにアプリの名前は書かれていません(このシリーズの問題を収めたアプリはアプリの記事の「タテスタ宅建士」を参照)。
  • 現実的な使い方:教科書で1単元を読んだら、その単元の問題をすべて解き、肢ごとに○・△・✕を付けます。ダウンロードできる令和8年度の本試験は、全範囲を一周したあとの通し練習に回します。

公式ページ:TAC出版

LEC「宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集」2027年版

  • 何ができるか:A5判、定価2,750円(LECの公式ストアでは2,475円)、2026年10月発行。分冊のセパレート型です。解説は初めて学ぶ人向けのやさしい文で、難しい所は図やイラストで説明すると書かれています。全問を解けるアプリ《ノウン》(2026年12月1日から)、無料の解説動画、最新の過去問のダウンロードが付きます。収録の問題数・年数は公式ページに書かれていません。
  • 合う人:法律の勉強が初めてで、図で説明があるほうが分かりやすい人。同じシリーズの速習テキストを使う人。
  • 合わない人・注意点:「厳選」とあるとおり、過去問を選んで載せた本です。何問・何年分から選んだかは公式ページで分からないので、書店で目次と問題の量を見てから決めます。
  • 現実的な使い方:解説を読んでも分からない所だけ、解説動画を見ます。動画を全部見るより、問題を解き直す時間を残します。

公式ページ:LECオンラインショップ

翔泳社「宅建教科書 動画で学べる宅建士分野別過去問題集」2027年版

  • 何ができるか:A5判・624ページ、2,750円、2026年10月26日発売予定。全300問で、内訳は宅建業法95問・権利関係105問・法令上の制限60問・税その他40問と公式ページに書かれています。300問すべてに解説動画(YouTube、2027年10月31日まで)があり、解説ページには姉妹書のテキストの参照先が書かれています。
  • 合う人:問題の数を先に知って、計画を立てたい人。解説を読むより、聞いたほうが分かる人。同じシリーズのテキストを使う人。
  • 合わない人・注意点:何年分の過去問から選んだかは公式ページに書かれていません。300問で範囲の全部の論点を回れるわけではないので、問題が足りないと感じたら、機構の公式の過去問を分野を選んで解き足します。動画を見る時間も見込みます。
  • 現実的な使い方:300問は、1日10問なら30日、週5日解くなら6週間で一周できる量です(当サイトの計算)。2周目からは✕と△の問題だけにしぼります。

公式ページ:翔泳社

このほか、LECの「出る順宅建士 ウォーク問過去問題集」は、権利関係・宅建業法・法令上の制限・税その他の3分冊(2026年版は各1,980円)ですが、2026年10月10日時点でLECの書籍ページに2027年版は載っていません。使いたい人は2027年版の告知を待ちます。

年度別の過去問題集:1冊(無料の公式PDFで代えてもよい)

年度別の過去問は、機構のサイトで昭和63年度から令和7年度までの問題と正解番号が無料で見られます。お金を払う理由は、解説と、今の法律に合わせた扱いです。この2つが要らない人は、買わずに公式のPDFを印刷して使えます。

TAC出版「みんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集」2026年度版

  • 何ができるか:A5判・972ページ、2,970円、2026年1月22日発売。12年分の過去問を、問題と解説の2分冊(取り外せる)で収めています。解説は「シンプルな1行解説」で、問題ごとの難易度と、選択肢ごとの復習の目安が付きます。統計の問題の対策として、統計データのダウンロードの案内もあります。
  • 合う人:通し練習のあと、まちがえた肢の理由を短く確かめたい人。印刷の手間をかけたくない人。
  • 合わない人・注意点:今出ているのは2026年度版(今年の試験向け)で、2027年度版の告知はまだありません。来年受ける人が今買うと、令和9年度の法令に合っていない版になります。解説は1行なので、根拠を深く確かめたいときは基本書と条文に戻ります。
  • 現実的な使い方:全範囲を一周してから、休日に13時から2時間で1回分を解きます。2027年度版の発売日は告知されていません。2026年度版は1月に出ているので、同じなら年明けごろです。買うのは告知を見てからにします。

公式ページ:TAC出版

予想問題集:2冊(どちらか1冊)

予想問題集は、過去問を何度も解いて答えを覚えてしまったあとに、初めて見る問題で力を測るためのものです。どれも試験の年の春〜初夏に出るので、来年受ける人が今買う本ではありません。下は今年(2026年)の版の例として見てください。公開模試との使い分けは宅建の模試の使い方に書いています。

TAC出版「みんなが欲しかった!宅建士の直前予想模試」2026年度版

  • 何ができるか:B5判・388ページ、1,760円、2026年5月23日発売。過去問をもとに作った予想模試が4回分で、問題は別冊です。解説には、肢ごとに同じシリーズの教科書の該当ページ、問題ごとに論点別過去問題集・一問一答式過去問題集の関連する問題番号が書かれています。統計の練習問題のダウンロードと、無料のWeb採点があります。
  • 合う人:「みんなが欲しかった!」シリーズで勉強してきた人。まちがえた所から、手持ちの本の同じ所へ戻りたい人。
  • 合わない人・注意点:ほかのシリーズを使う人には、参照のページ番号が役に立ちません。
  • 現実的な使い方:試験の1〜2か月前から、週に1回分を2時間で解き、Web採点で分野ごとの落とし方を見ます。

公式ページ:TAC出版

LEC「出る順宅建士 当たる!直前予想模試」2026年版

  • 何ができるか:定価1,760円(LECの公式ストアでは1,584円)、2026年5月発行。予想模試4回分で、問題冊子は取り外せる分冊です。全問に予想正解率と重要度、全肢に重要度が付きます。購入者には、4回分の解説動画(無料)と、個人成績表や設問別の正解率が出るWeb採点があります。
  • 合う人:自分の答えが、ほかの受験者と比べてどこで落としているかを見たい人。解説を動画でも確かめたい人。
  • 合わない人・注意点:解説動画を4回分すべて見ると時間がかかります。直前期は、まちがえた問題の所だけを見ます。
  • 現実的な使い方:予想正解率が高いのに落とした問題から先に復習します。予想正解率は、正解する人の割合をLECが見込んだものです。

公式ページ:LECオンラインショップ

結局、何冊をどう組み合わせるか

基本の形は「基本書と同じシリーズの分野別過去問題集1冊」です。そこから、状況に合わせて足すか、足さないかを決めます。

あなたの状況問題集の組み方
週に使えるのが5時間ほど分野別1冊だけ。一問一答は足さず、分野別の肢を○✕で解く
予算をできるだけ抑えたい分野別1冊。年度別は機構の無料PDFで
通勤など、すき間時間が長い分野別1冊+同じシリーズの一問一答(またはアプリ)
紙よりスマホで解きたいアプリが付く本(ノウンなど)を選ぶ
法律の勉強が初めて解説に図や動画がある分野別を選び、基本書と同じシリーズにそろえる
通信講座を受ける講座の問題を中心にし、市販の問題集は足さない。足すなら予想問題集1冊

来年受ける人の買う順番は、①基本書と分野別過去問題集(今から)、②一問一答(すき間時間が長い人だけ)、③年度別過去問(全範囲を一周したころ。無料のPDFでもよい)、④予想問題集(試験の1〜2か月前)、です。問題集を増やしたくなったら、その前に今の1冊に✕と△が残っていないかを見てください。残っているなら、足りないのは本の数ではなく、解き直しの回数です。

今日からやること

  • 10月18日に受ける人:問題集は足さず、手元の1冊の✕と△を解き直す。
  • 来年受ける人:基本書のシリーズを決め、同じシリーズの分野別過去問題集の2027年版を1冊そろえる。
  • 書店で、分野別過去問題集の目次と解説のページを見て、問題の量と、解説に根拠が書いてあるかを確かめる。
  • 年度別と予想問題集は今は買わず、2027年向けの版の告知を待つ。

このサイトで次に読むなら、宅建の過去問がおすすめです。分野別の過去問題集を何周、どう回すか、肢ごとの印の付け方をまとめています。基本書や講座まで含めて予算で組みたい人は、宅建試験の教材の選び方を見てください。

参考にした公式の情報(2026年10月確認)

  • 書名・版・価格・発売日・判型とページ数・収録・解説の形・付属の特典:本文中のリンク先の、TAC出版・LECオンラインショップ・翔泳社の各商品ページ。2026年10月10日に確認。価格は税込の目安です。
  • 2027年版の掲載の有無:LEC 宅建士の書籍ページ(2026年10月10日時点で「出る順宅建士」シリーズの2027年版の掲載なし)、TAC出版の各商品ページの関連書籍欄(年度別過去問題集・直前予想模試の2027年度版の告知なし)
  • 不動産適正取引推進機構「宅建試験の問題及び正解番号表」(昭和63年度〜令和7年度の問題と正解番号)、同「試験概要」(出題の根拠となる法令の基準日)