宅建のアプリの選び方:4本を種類別に比べる、アプリだけで受かるか

宅建のアプリは、机でやる基本書と四択の過去問に上乗せする道具として、1本だけ選びます。選び方は単純で、使う本や講座をもう決めているなら、それに付くアプリ。まだ何も決めていないなら、先に基本書と分野別の過去問題集を決め、その本に付くアプリがあるかを見ます。2本も3本も入れると、まちがえた問題の記録が分かれて、どれを解き直せばよいか分からなくなります。

「アプリだけで受かるか」には、当サイトは「アプリの一問一答だけでは足りない」と考えています。理由は宅建の一問一答の使い方で説明しているので、この記事では短くふれるだけにします。

この記事では、アプリを4つの種類に分け、名前の知られている4本について「何ができるか」「合う人」「合わない人・注意点」「現実的な使い方」を同じ形で並べます。価格・無料で使える範囲・更新日は、App Store・Google Play と提供元の公式ページで2026年10月10日に確かめたものです(価格は税込の目安です)。当サイトはアプリの使用感は書きません。書くのは、公式ページで確かめられる事実と、そこから言える向き・不向きだけです。

なお、10月18日の試験を受ける人は、今からアプリを足さないでください。新しい道具に慣れる時間より、今の問題集の✕と△を解き直す時間のほうが点につながります(直前1か月の復習の配分)。この記事は、来年(令和9年度)受ける人に向けて書いています。

宅建のアプリには、どんな種類があるか

「宅建 アプリ」で探すと、性格のちがうものが並んで出てきます。まず種類を分けると、比べる相手がはっきりします。

種類中身お金のかかり方この記事の例
過去問・一問一答のアプリ過去問の四択と○✕。解説つき無料+広告、外すと有料など個別には挙げない(下の注意)
本と連動するアプリ市販の本と同じ問題・テキスト本に付く、または年度ごとの課金タテスタ宅建士、ノウン
通信講座のアプリ講義動画・テキスト・問題講座の受講料STUDYingアプリ
聴くアプリ要点の読み上げ買い切りなど宅建 聴くだけアプリ

この4つは、練習できることがちがいます。問題を解くアプリ(上の3種類)は「思い出す練習」ができます。聴くアプリは、要点を耳から入れるもので、問題を解く練習にはなりません。聞いて分かった気になることと、問題で正誤を判定できることは別です。

アプリを選ぶ前に、ストアのページで何を見るか

解説に条番号があるか、✕と△だけを出し直せるかといった「問題の中身」の見方は、一問一答の記事の「紙・アプリ・サイトのドリルの使い分け」に書きました。ここでは、アプリならではの、ストアのページで確かめられる点を挙げます。

  • 最終更新日と、更新内容:宅建試験は、試験の年度の4月1日に施行されている法令から出ます。令和9年度の試験なら、2027年4月1日の時点です。その日より後に、法改正に合わせた更新が出ているかを見ます。名前に「2026」とあっても、中身がいつの法令かは更新内容でしか分かりません。
  • お金のかかり方:無料で全問使えて広告が出る、年度ごとに買い直す、講座を買うと使える、買い切り、の4つがあります。年度ごとの課金なら、来年の分がいつ出るかも見ます。
  • 自分の端末で動くか:iPhoneは、iOSの必要なバージョンがストアに書いてあります。Android版があるかも確かめます。
  • 使える期限:本に付くアプリや講座のアプリは、登録から何か月、受講期限まで、のように期限があります。試験日まで使えるかを見ます。
  • 過去問の出典の表示:宅建の過去問は、機構(不動産適正取引推進機構)のサイトで公開されています。機構のサイトの「著作権・免責事項」には、私的使用や引用など著作権法で認められた場合を除き、無断で転載できないと書かれています。過去問を収録したアプリなら、説明に出典や機構の許諾の表示があるかを見ます。

4本を同じ形で並べる

ここで並べる順番は、種類の順です。良い順ではありません。どれも、他のアプリより優れているという意味で挙げてはいません。

過去問を収録した単体のアプリは、この記事では取り上げていません。名前の知られているものを調べた範囲で、ストアの説明に出典や機構の許諾の表示を確かめられなかったためです。お金をかけずに問題を解くなら、機構のサイトの過去問(問題と正解番号のPDF)と、下で触れるこのサイトの○✕ドリルがあります。

タテスタ宅建士(GUENOCROSS。TAC出版「みんなが欲しかった!」と連動)

  • 何ができるか:TAC出版の「みんなが欲しかった!宅建士」シリーズの教科書を縦に読む機能、論点別過去問題集の問題演習、12年過去問題集の過去問演習があります。App Store の説明では、教科書・問題演習と過去問演習が「アプリ内課金」です。課金の項目は年度ごとに分かれていて、「26年度テキスト&論点別全問題」が4,980円、「26年度過去問全問題」が2,580円でした。単語カード、学習スケジュールの機能もあります。
  • 端末と更新日:iOS 16.0以降。App Store の最新版は2026年9月の更新でした。Android版は確かめられませんでした。
  • 合う人:「みんなが欲しかった!」の本で勉強すると決めていて、同じ中身をスマホでも開きたい人。本を持ち歩かずに、通勤中に論点別の問題を解きたい人。
  • 合わない人・注意点:ほかの出版社の本を使う人には、章や問題がそろいません。2026年10月10日時点で、課金の項目は「26年度」までで、令和9年度向け(27年度)の項目は App Store のページに載っていませんでした。来年受ける人は、27年度の項目が出てから買います。TAC出版の2027年度版の論点別過去問題集のページにも「スマホアプリ(有料)」の記載がありますが、アプリの名前や中身は書かれていません。
  • 現実的な使い方:本と同じ問題を、机では紙で、外ではアプリで解きます。✕と△の印は、紙とアプリのどちらか1か所にまとめます。

公式ページ:App Store

ノウン(LEC「合格のトリセツ」の問題集に付くアプリ)

  • 何ができるか:LECの「宅建士 合格のトリセツ」の2027年版の頻出一問一答式過去問題集(定価2,200円)と厳選分野別過去問題集(定価2,750円)に、全問を解けるアプリ《ノウン》が無料で付きます。LECのページには、NTTの子会社が開発したアプリで、AndroidとiOSのほか、タブレットやパソコンでも使えると書かれています。
  • 期限:2027年版の利用開始は2026年12月1日、登録期限は2027年10月17日、使えるのは登録から11か月です。アプリとデータは別にダウンロードします。
  • 合う人:LECの「合格のトリセツ」で勉強する人。本の問題をスマホでも解きたく、アプリに別のお金をかけたくない人。
  • 合わない人・注意点:本を買わないと使えません。今すぐ始めたい人は、12月1日までアプリが使えないことに注意します(それまでは本で進めます)。登録から11か月なので、早く登録しすぎると試験の前に期限が来ることがあります。登録する日は、試験日から逆算して決めます。
  • 現実的な使い方:机では本で解き、外ではノウンで同じ問題を解き直します。LECのMyページに登録すると、法改正情報と宅建NEWS(統計の情報)が2027年の試験の前日まで届くと案内されているので、あわせて登録しておきます。

STUDYingアプリ(スタディングの講座用)

  • 何ができるか:通信講座スタディングの受講用アプリです。スタディングの宅建士講座のページには、動画講義・Webテキスト・一問一答の問題練習・過去問練習がアプリでできると書かれています。講義動画は前もってダウンロードして、通信がない所でも見られます(ダウンロードできるのは動画だけで、問題集とWebテキストはできません)。アプリ自体は無料で、講座はウェブサイトで買います。
  • 講座の価格:宅建士合格コース(2026+2027年度合格目標)は14,960円〜24,800円(冊子付は24,800円〜29,800円)でした。登録すると無料で試せる講座があります。
  • 端末と更新日:iOS 17.6以降。App Store の最新版は2026年6月の更新、Google Play の最終更新は2025年8月22日の表示でした。
  • 合う人:講義を聞いて理解したい人で、スマホ中心で勉強を組みたい人。紙の本を持ち歩きたくない人。
  • 合わない人・注意点:講座を買う前提のアプリなので、問題アプリだけが欲しい人には向きません。紙で書き込みながら解きたい人は、冊子付のコースでも冊子の発送は2027年2月下旬の予定です。スマホで見られる講座でも、すき間時間だけで終わるわけではありません。
  • 現実的な使い方:講義は通勤中に見て、家では問題を解く時間にあてます。講義を見るだけの日が続くと、問題を解く量が足りなくなります。講座全体の比べ方は宅建試験の教材の選び方の「通信講座」にまとめています。

公式ページ:スタディング「STUDYingアプリ」、App Store、Google Play

宅建 聴くだけアプリ(完全版)(SOCIAL NOTE)

  • 何ができるか:宅建の科目ごとに、約15分のテキストにまとめた要点を、音声で読み上げます。App Store の価格は370円で、広告なしの版です(同じ提供元に無料版もあります)。統計の今年度版への更新、2026年の法改正への対応が更新内容に書かれています。AIに相談する機能はチケット制で、その機能を使うときだけ広告が出ます。説明文に、問題を解く機能の記載はありません。
  • 端末と更新日:iOS 17.6以降。App Store の最新版は2026年8月の更新でした。
  • 合う人:満員電車や運転、家事の間など、画面を見られない時間がある人。一通り学んだ範囲を、耳でもう一度なぞりたい人。
  • 合わない人・注意点:聞くことは、読み返すことに近い勉強です。聞いて「知っている」と感じても、問題で正誤を判定できるとはかぎりません。これだけを勉強にするのは向きません。
  • 現実的な使い方:問題を解けない時間の「つなぎ」に使います。聞き終わったら、その単元の問題を1問でも解いて、聞いた内容を思い出せるか確かめます。統計の数字は毎年変わるので、聞いた数字がいつのものかも確かめます。

公式ページ:App Store

登録なしで使える選択肢:このサイトの○✕ドリル

アプリではありませんが、このサイトにも無料の宅建の5分○✕ドリルがあります。事実だけ書くと、本試験の肢と同じ形のオリジナルの肢(過去問の文は使っていません)を1回10問出し、答えると解説と根拠の条文が出ます。自分で○・△・✕を付けると、✕と△が3日後・7日後・24日後に戻ってきます。肢は令和8年4月1日の時点の法令で確かめています。記録は使っている端末のブラウザにだけ残り、登録はいりません。問題の数は市販のアプリや問題集より少ないので、それらの代わりではなく、すき間の練習の一つとして考えてください。

来年(令和9年度)の試験に向けて、アプリはいつ切り替わるか

本は「2027年版」「2027年度版」と年度ごとに出ますが、アプリは切り替わり方がそれぞれちがいます。2026年10月10日時点で公式ページから分かることを並べます。

アプリ切り替わり方来年向けの状況
タテスタ宅建士年度ごとに課金27年度の項目はまだ載っていない
ノウン本の版ごと2027年版は12月1日から使える
STUDYingアプリ講座の年度ごと2026+2027年度合格目標のコースを販売中
聴くだけアプリ同じアプリを更新2026年の法改正に対応と記載

同じアプリを更新していく形のものは、令和9年度の試験の法令(2027年4月1日の時点)にいつ合わせたかを、春以降の更新内容で確かめます。それまでは、令和8年度の法令で作られた問題を解いていることになります。たいていの問題は変わりませんが、改正のあった所は答えが変わることがあります。古い年度の問題で答えが変わる所の見つけ方は、宅建の過去問の記事にまとめています。

アプリだけで受かるか

当サイトの考えは、アプリか紙かは道具の形のちがいで、足りなくなるのは「一問一答のモードだけ」で済ませたとき、です。宅建試験は50問を2時間で解く四択の試験で、事例を読み取る力と時間の配分は、一問一答では練習できません。範囲を学ぶ基本書の代わりにもなりません。くわしい理由は宅建の一問一答の使い方の「一問一答だけで受かるか」に書いたので、ここでは重ねません。

アプリだけで進めたい人は、少なくとも次の3つがアプリの中でできるかを確かめてください。四択の問題を分野ごとに解けること、解説から範囲を学び直せること(講座のアプリや、テキストが付くアプリ)、そして2時間で50問を通して解く練習です。最後の通し練習だけは、機構の公式の過去問を印刷して紙で解くのが、本番の形に一番近い練習です。

結局どれを使うか:状況別に決める

あなたの状況アプリの選び方
TACの「みんなが欲しかった!」で勉強するタテスタ宅建士の27年度の項目が出たら検討。出るまでは本だけで進める
LECの「合格のトリセツ」で勉強する付いてくるノウンを使う(12月1日から)。ほかのアプリは足さない
本はまだ決めていない・予算を抑えたいアプリより先に基本書と分野別の過去問題集を1冊ずつ。本に付くアプリがあればそれを使う
講義を聞いて進めたい通信講座を選び、その講座のアプリを使う(例:STUDYingアプリ)
画面を見られない時間が長い聴くアプリを「つなぎ」に。問題を解くアプリか本と組み合わせる
紙で解くほうが続くアプリは入れなくてよい。紙の一問一答か分野別の過去問題集で足りる

時間の面からも1つ決めておきます。平日に勉強できるのが通勤と夜の30分ずつ、のような人ほど、アプリは1本にしぼります。アプリを足しても、勉強の時間そのものは増えません。週に何時間とれるかと、それに合う進め方は宅建試験:自分に合う進め方を選ぶで確かめられます。本と講座を予算でどう組むかは宅建試験の教材の選び方、問題集の種類ごとの選び方は宅建の問題集の選び方にまとめています。

今日からやること

  • 10月18日に受ける人:アプリは足さず、今の問題集の✕と△を解き直す。
  • 来年受ける人:先に基本書と分野別の過去問題集を決め、その本に付くアプリがあるかを出版社のページで確かめる。
  • アプリを入れる前に、ストアのページで最終更新日、お金のかかり方、使える期限を見る。
  • 入れるアプリは1本にし、✕と△の記録を集める場所を1か所に決める。

このサイトで次に読むなら、宅建の一問一答の使い方がおすすめです。どのアプリを選んでも、答えを見る前に思い出す、間をあけて✕と△に戻る、という使い方で効き目が変わります。

参考にした公式の情報(2026年10月確認)