本当に相続に強い税理士の選び方を業界関係者が第3者目線で徹底解説します。

ご葬儀が終わったのもつかの間、相続の手続きをしなければならず、お困りなことも多いかと思います。

あまりに突然の出来事で冷静に考える時間もない中、腕の良い税理士をどうやって見つけるのか。これは、非常に大きな問題です。

もしも、あなたが質の悪い税理士を選んでしまうとせっかく高い報酬を支払って依頼したのに損をしてしまうことになりかねません。

事実として、腕の良い税理士やその他の士業に依頼できるかどうかで支払う相続税やその後の生活状況というのは随分と変わってきてしまいます。

この記事では、相続に強い税理士をどうやって見つけ依頼すればいいのかについて、士業事務所のホンネも交えながら、中立、公平な立場でお伝えしたいと思います。

この記事の結論
  • お客さん側が良い税理士を選ぶことは4つの観点から非常に難しい。
  • 下手な税理士が手続きすると過剰申告をされ、大事な土地を手放さざるを得ないケースもある。
  • 相続に強い税理士に依頼するには業界に詳しい人から優秀な税理士を紹介してもらうことが一番安泰。ただし、同じ職場の人ではなく別の事務所に所属する先生で「この人になら安心して任せられる」と思う先生を紹介してもらうこと。

1. 相続に強い税理士は知識と客観性を備えた人に紹介してもらうのがおすすめ

先に結論を言ってしまいますが、相続に強い税理士を選ぶにはその業界に詳しい人から紹介してもらうのが一番安心です。

詳しくは2章で述べますが、本当に相続に強い税理士を選ぶということは決して簡単ではありません。そもそも、本当に実力がある人はそれほど多くもないのが、事実です。

しかしながら、少しインターネットを除いてみただけでも膨大な数の事務所が広告やポータルサイトに登場し、専門家を名乗っています。お客さん側には判別がつかないことをいいことに、実際はそれほど実績がなくても専門家を名乗っているようなケースも見受けられます。

これってどう思いますか?

相続の相談に来られる人の多くは大事な方を直前に亡くし、つらい中で重い腰を上げてお越しいただいています。

そんな方々を相手にするということがわかっているのに、多くの事務所が案件欲しさに専門ではないのに専門であるかのようにふるまっています。

「確かにお客さんよりは詳しいけど、これでいいのかな」と弱音を吐いている新人さんを見ることも実際少なくはありません。

では、そういう事務所がたくさんある中で、どのように相続に強い税理士を探すのがベストか。それは、その業界に深く通じている人に一緒に働いていて優秀だと思う相続に強い税理士を紹介してと伝えることです。

ただし、注意点があります。それは、その人が働いている事務所と同じ事務所の人は紹介してもらわないこと。理由は単純で公平性が担保されていないからです。

なぜ、業界関係者から紹介してもらうべきかというと基本的に税理士も優秀な人は仕事が降ってやまないので、普通に電話等で申し込みをしても、腕の良い人であればあるほど、残念ながら担当してもらえる確率は低い傾向にあります。

しかし、紹介をしてもらえば、やはり面子というのがありますので、無下にすることはできません。結果として事務所側としても紹介案件に関しては優秀な先生に任せるという場合が多いです。

もし、単純に相続に強い優秀な税理士を紹介してほしい方や、士業事務所で働く知人等がいない方は、人数制限はございますが筆者でもできる限りご支援させて頂きます。詳しくは以下をご参照ください。

2. 相続に強い税理士を選ぶのが困難といえる4つの理由

前提としてですが、今までに「相続」や「税金」という複雑な世界に触れてこなかったお客様が急に相続に強い税理士を選べと言われてもかなり難しいと思います。

それはいってしまえば広大なサハラ砂漠の中から1枚の金貨を探せと言われているようなものだからです。

その理由を以下4つの観点から端的にお伝えいたします。

2-1. 自称「相続に強い税理士」がたくさん存在する

これを言ってしまっていいのかわかりませんが、正直に申し上げるとそれほど相続に詳しくないのに相続の専門家を名乗っている人も存在しています。

実際に最近入社してきた若手の新人もお客さんの前では堂々と「相続の専門家」を名乗っていたりします。

「確かにそりゃあお客さんよりかは知識あるけど、これっていいのかな」と若手自身が弱音を吐いている姿を見ることは日常茶飯事です。

確かに税理士や司法書士その他の資格を取ることは非常に困難で並大抵の勉強ではなることはできません。ですが、資格があるからといって相続に詳しいと言えるかと言えばそうではありません。

実際に詳しいといえるようになるには、数多くの案件をこなして、実力をつけなければなりません。資格はあくまで資格です。持っているからと言って必ずしも相続に強いとは言えないことは理解しておいて頂きたいと思います。

2-2. 仮に手続きをミスしてもお客さん側にはバレない

続いて、仮に士業側が重大なミスをしていてもお客さん側には意外とバレないという事実があります。

例えば、税理士さんから「使える制度を使い、必要な手続きを終え、相続税額を100万円に抑えました。期日までにお支払いいただくようお願いします。」

と言われたら大半のお客さんは「まあ、そういうものなのか、できることはやってくれたし、仕方ないから払おう」と考えるでしょう。

そもそも経験も実力もある人が手続きすれば、相続税がかからないようなケースであったとしても、あなたを担当している税理士が「手続きはしっかりやりました!税金が100万円かかります。」と言ってきたらどうでしょうか?

恐らくですが、「ああ、そんなものなのか…しょうがないな…」と言われるがままになってしまうのではないでしょうか。

そもそも、そこで「おかしい」と思える人であれば、ご自身でも手続きができると思います。

相続税の申告や相続放棄の申述など期限があるものに遅れるみたいなミスはさすがにお客さんにもバレますが、これはレベルが低すぎるので論外です。

あなたがもし、知らないことをいいことに無駄に費用を払うリスクを負いたくないと思うのであれば、入口の段階で専門家からみても優秀な専門家に担当してもらうことを強くおすすめします。

2-3. 事務所の評判が良くても相続に強い税理士が担当するかは不明

これは非常によく起きているケースです。包み隠さずにお伝えすると士業事務所も結局のところはビジネスでやっています。

その目線で考えた場合、優秀な社員である税理士の手は空いているでしょうか?いいえ。むしろ、会社からすると稼ぎ頭な訳ですから、優秀な人ほど基本忙しいです。

つまり、普通に電話で相談をしたり、申し込みをしたとしても優秀な税理士さんに担当してもらえる可能性は決して高くないです。

さらに、評判が良い事務所さんは少なからず、外部の広告会社等にお金を払いウェブの対策をやっています。口コミや評判やよく出てくる事務所が一概に悪いとまでは言いませんが、良い印象を持ってもらうことでお客さんを集めたいという意図をもって多くのお金が動いているという点は留意しておいた方が良いかと思います。

2-4. 税理士がすべての手続きを行うわけではない

これも言ってしまってよいのかわかりませんが、税理士も、司法書士も弁護士もすべての書類を自身で作るわけでは全くありません。

事務所や人によって違いはありますが、かなりの割合を補助者といわれる方々がサポートしています。

つまり、もし運が良くてよい税理士にあたったとしてもその事務所全体として知識や経験がしっかりと体系化されていないと思った以上に時間がかかったり、ミスが起きてしまいます。

こんな内部のことまで、はじめましてのお客さんが判断しないといけないのはもはや酷といえます。

3.相続に強い税理士を選ぶ際にやってはいけない3つの事項

もし、あなたが本当に相続に強い税理士に出会いたいと思うのであれば、この章でお伝えする3つの事項は必ず注意するようにしてください。

例えばですが、グーグルの口コミから質の悪い税理士のレビューを抜粋したところ下記のような事態になるケースは実際あったようです。

先祖代々大事にしていた土地を手放さないといけなくなってしまった…
大事なことを連絡しているのに全然返信が返ってこず、手続きが進まない
知識も経験もない、質問してもあいまいな回答しかいない人が担当になった

ここでは、誤っておかしな専門家に依頼しないためにどういう視点が必要なのかについて3点お伝えさせて頂きます。

3-1. ネット上で1番良さそうだった事務所に相談する

これは本当におすすめできないので、気をつけて頂きたいです。士業の事務所が基本的に一番頭を悩ませる問題それは「集客」です。

どういうことかというと、相続に詳しくなかろうがとにかく「お客さんを集めることが最優先」になってしまっている事務所が非常に多いということです。

お客さんからすると士業事務所を選ぶ際に比較する項目が「報酬、費用」くらいしかないので、どうしても目が行きがちですが、よくよく注意してください。

士業事務所側も「安さ」を売りにすれば良いとわかっているため、安いかのように見せようと必死になっています。

例えば、基本料金と別にオプション料金が上乗せされたり、相続財産の〇〇パーセントといった表記。一見安く見えることもありますが、実際契約するときになると全然異なっていることはよくあります。

正確な費用を載せている事務所もありますが、実際の提示額とは大きく異なる料金表を出している良くない事務所のほうが安そうに見える分、お客さんは集まってしまいます。

ウェブ上で少し調べて「ここだと安くて良さそう!」と思ったところに迂闊に依頼してしまうのではなく、少し冷静に慎重に情報を集めることを心がけてください。

3-2. 相続専業ではない事務所に相談する

税理士の仕事は多岐に渡ります。相続だけを専門にやっている税理士さんもいますが、法人の決算や企業のコンサルティングなどもやっている総合税理士事務所も多くあります。

いくら税理士が優秀であったとしても、相続だけを専門としている優秀な税理士には敵いません。

法人のことやその他の業務をやっている場合は少し、検討し直した方がよろしいかもしれません。

もし、実際に相談に行かれた際には今まで累計で何件の相続税申告を行ったか、その事務所では年間何件相続税申告をやっているのか聞いてみることをお勧めします。

高い報酬を支払うのであれば、相続専業でやっている優秀な税理士に依頼し、節税対策や税制上の特例が使えるか精査してもらうのが、最も安全で安心です。

ぜひ、実際に依頼する前にその事務所のことを調査するようにしてみてください。

3-3. 説明がわかりづらい税理士に依頼する

「いろいろ説明してもらって申し訳ないけど、よくわからない」士業事務所に相談に来てそのようにおっしゃる方がかなりの人数いらっしゃいます。

はっきりと言いますが、これって大抵の場合はわからないお客さん側に非がある訳ではありません。わかりやすく説明することができていない税理士側に問題があります。

士業はあくまでサービス業ですから、お客さんとしっかりコミュニケーションを取り、お客さんが求めていることをしっかりと実現することが仕事です。

お客さんが理解できていないのに専門用語を使い倒したり、しっかりと対話ができていないようでは残念ながら自己満足と言わざるを得ません。

士業の中にはあまり重視していない人もいますが、ちゃんと会話のキャッチボールができるかは非常に大切です。

場合によっては預貯金の通帳や土地の書類を預けるわけですから、話をしてみて「ちょっと話がわからないな」と思う方はやめておくことをお勧めします。

4. 相続に強い税理士の定義とは

そもそもですが、相続に強い税理士とはなんでしょうか。何を基準にすればよろしいのでしょうか。前述したとおり、簡単に見抜けるものではありませんが、私の中で判断基準としている要素は大きく4点です。

実績、技術、保証、人柄の4つが必要だと思います。

まずは、実績と技術です。実際に担当して完了した案件がいくつあるのか、手掛けている案件を処理するスピードと正確性、複雑な案件もそつなくこなせるか。

これに加えて単純に手続きをするのではなく、お客さんの生活を実際に良くするにはどうすればよいかをしっかり考えて適切な行動を取っているか。

もし、手続き上のミスによって、お客さん側に少しでも迷惑をかけたら、全額保証するくらいの自信と根拠がある。

そして、やはり人柄です。いくら手続きや仕事がうまくできたとしても結局のところ、士業はサービス業です。お客さんに喜んでもらうことが提供できる価値なので、その点を蔑ろにしないこと。

本当はもう少し色々ありますが、複雑でまとまりがなくなってしまうので大まかではありますが、以上の4点をあげさせていただきます。

私がご紹介している相続の専門家はもちろんこれらの基準をすべて満たしています。微妙な専門家や士業、銀行には任せたくないという方はよければご相談ください。

5. 相続に強い税理士は簡単には出会えない

相続に強い税理士さんは人数もそれほど多くないため、少しネットで調べたくらいではカンタンにほいほいと出てきてくれません。

ものすごく運のよい方はあたりを引けることもあるかもしれませんが、確率的にはかなり低いと思われます。

で、あれば既にその業界で働いている人に自分が働いている場所以外の事務所で優秀だと思う税理士を紹介してもらうことが一番信頼性が高いと思いませんか?

私自身、もし自身で相続の手続きができない状況になり、案件をお任せるする機会があるとすれば、間違いなく自社、他社関係なく一番優秀だと思う税理士さんにお願いすると思います。

ご参考になっておりましたら、幸いです。

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